あらすじ
本書の第一のメッセージは、「経済成長が必要である」につきます。これだけが本書のメッセージなのです。経済学者として、いまもっとも伝える必要がある、やや大仰にいえば使命感を感じたのがこの主張です。本書でとりあつかった格差と貧困の問題に一番有効なのは長期的には経済成長、短期的には景気対策です。現在起きている問題にとどまらず、システムとしてのセーフティネット確立のためにも経済成長が必要でしょう。
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
経済成長を可能にする方法は第一に個人の自由な創意工夫(競争)第二に失敗時のセーフティネット(再配分)第三に景気の振幅を抑制するマクロ経済政策(安定化)に尽きます。
Posted by ブクログ
良書。
経済成長経済成長と叫ばれる中で、なぜそもそも経済成長が必要なのかからそのために誰のどういったアクションが必要なのかまでがしっかりカバーできている。
対談鼎談形式で展開されるので議論の過程も分かり非常に分かりやすかった。
湯浅誠と赤木智弘という人選が好感。
学者や政治家たちだけの世界の話のようなイメージをうまく崩してくれた。
Posted by ブクログ
題名の通り「経済成長が必要なのはアタリマエだ」という前提で書かれている。この場合の経済成長は、いわるゆ戦後の高度経済成長やバブル景気といったレベルではなく、ゆるやかな、年2%程度の、それこそ普通の先進国が普通に成し遂げているものをさしている。
統計などの数字で裏付けしつつも、読者には「数値を読み取る」といったことを強要せずに、きちんと言葉で説明しているのが好感。
白眉なのは湯浅氏との対談で、同氏の運動の“戦術”である「うしろめたさ票を確実にとりにいく」という言葉を引き出したくだりか。
その一方で、話の内容に出ている経済概念、つまり「新自由主義」の意味やその論者・フリードマンやハイエクなどのバックボーンだけでなく、ケインズ学派やマルクスについての説明がほとんどない。これらの事は知っていることが前提となっているようだ。例えば、マルクス経済学とマルクス主義の違いについて、そこからケインズ経済学との繋がりを知っていないと、本書の半分は理解できないであろう。