あらすじ
定年間際の高樹良文警視、56歳。隠居所のような捜査一課分室でライターを分解していた。あと少しで火が消える。最後の事件も平凡なやくざの抗争だった。男を殺害した犯人は自首。だが、その裏に潜むもっと大きな闇の存在を高樹は嗅ぎ付けていた。大胆な捜査と周到な罠。かかったのは、絶対に会いたくない人間だった。因縁。悔恨。闇。銃声――。老いぼれ犬・高樹の中の獣が深く沈んでゆく……。老犬シリーズ最終幕。
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Posted by ブクログ
いつもながらのハードボイルド世界だが、高樹の老練に磨きがかかり、底流に、少し物悲しさを感じる。13歳のときの焼け跡に戻りたいと思いながら生きてきたのかと思う。
Posted by ブクログ
老いぼれ犬シリーズの第三弾、最終巻。
良かった。読み終わってしばし脱力。
変わらない北方節、緊張の闘い、貫き通す意地。
どの作品もいつもそうでした。
次は、挑戦シリーズでも読み直してみようか・・・。
Posted by ブクログ
「老犬シリーズ」完結編。老いぼれ犬高樹良文の最期(?)。これぞ俺の愛した80年代ハードボイルド。そこここに北方節があって「ああ、かっこいい……」、それにシリーズそれほど間を置かずに読んでおり名前に、経緯に記憶があるので「ああ、たまらん……」 そういう箇所に付箋をつけていたら,都合25箇所に。ああよかった。十年くらいしたら、また三部作通し読みしよう。
老いぼれ犬の登場する作品、再読しようかな。それにこのシリーズも、十年くらいしたら、また三部作通し読みしよう。
それにしても、北方氏の小説は冒頭からもう北方節。
「息。/闇の中で聞こえるのは、それだけだった。」(『傷痕』)
「赤。/闇の中で、ピースの火だけに色があった。」(『風葬』)
「闇。/眼が馴れるまで、高樹は待った。」(『望郷』
三部作、書き出しは、同じトーンなんだぜ。
しびれないか。