【感想・ネタバレ】蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれのレビュー

あらすじ

ある時は“コケティッシュ”な女、ある時は赤い三年子の金魚。犀星の理想の“女ひと”の結晶・変幻自在の金魚と老作家の会話で構築する艶やかな超現実主義的小説「蜜のあわれ」。凄絶なガン闘病記「われはうたえどもやぶれかぶれ」、自己の終焉をみつめた遺作詩「老いたるえびのうた」等、犀星の多面的文学世界全てを溶融した鮮やかな達成。生涯最高の活動期ともいうべき晩年の名作5篇を収録。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

友人より借りました。

 小説。私小説風。文章は古いタイプ。
「蜜のあわれ」は七十歳ぐらいの老小説家と、若いぴちぴちの女の子の姿になる金魚との対話風小説。
 なんとなく、劇調。(地の文がないから、台詞で説明するせい)
 金魚(出目金・赤・三年子)との会話が妙に艶かしい。小説家には金魚にしか見えないらしいのだが、尻尾のぬめぬめを舐めてとか、金魚が言ったり、お金をせびったり(すごくせびる)、ヤキモチやいたり、キスしたり。
 最後に他の金魚との間に子供を作って、おなかの中の卵は「おじさまの子よ」。

 魅力的です、この金魚。我儘で、積極的。いい女です!
 新聞に解説が載っていて、どうしても読みたくなったのでした。
 読んでみて、語調は古いのに、読みやすかった。
 ただし「われはうたえどもやぶれかぶれ」はどうにも合わなかった。
 私小説。病苦。タイトルでもう苦しいのがわかりきってる。
 読みにくかった。けっきょく、斜め読みしただけ。

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2011年05月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

室生犀星の短編集。収録されている「蜜のあはれ」「火の魚」は数年前にNHKで映像化されている作品。
「蜜のあはれ」は金魚が主人公の作品ですが、読者の想像力で如何様にも楽しめる作品。「われはうたえどもやぶれかぶれ」は入院日記のようなものですが、作者のなげやり的な感じに笑える場面もあり、面白いです。
大胆ながら美しい、という印象を受ける文章が嵌まります。
金魚に興味ある方は、ぜひ。

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2017年09月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

陶古の女人
蜜のあわれ
後記 炎の金魚
火の魚
われはうたえどもやぶれかぶれ
老いたるえびのうた

解説 久保 忠夫
作家案内 本多 浩
著書目録 室生 朝子

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2016年04月10日

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