【感想・ネタバレ】光の領分のレビュー

あらすじ

夫との別居に始まり、離婚に至る若い女と稚い娘の1年間。寄りつかない夫、男との性の夢、娘の不調、出会い頭の情事。夫のいない若い女親のゆれ動き、融け出すような不安を、“短篇連作”という新しい創作上の方法を精妙に駆使し、第1回野間文芸新人賞を受賞した津島佑子の初期代表作。

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

今年読んだなかで1番よかったかも。川上未映子さんのリボン通信の中で津島裕子の名前が出てきて、興味が湧いたので買ってみた。大正解だった。
文体が自然でなんだか懐かしいような気がした。現代では見なくなった失われたような綺麗な文章に惚れ惚れする。本の裏のあらすじを見たら結構ドロドロした物語なのかなと思ったけど、生々しさというか胃もたれするような重さはなく、もうちょっとしっかりしろよと言いたくなるような、まあでも人間こんなもんかもなという人間らしさを主人公に感じた。光の領分というタイトルのとおり、光や夢が多用されていて幻想的というか味わい深い小説だった。うまく感想言えないけどよかった、他の作品も読みたいなと思った。

0
2026年09月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

解説を読んでやっと本書の構成を少しばかり理解できた気がする。伴走者のような存在だったさまざまな”光”とともに月日を重ねた「私」と娘が、光のない生活に踏み出すということ?光は必ずしも美しく善いものとして描かれてはいなかったと思う。生と死、どちらにせよ暴力的なまでのエネルギーを孕むものと読み取った。娘の世話と労働をこなすだけで精一杯の日々を送る「私」に、ある種の活力を与えるものだったのか。
どこか現実感のない父親の描かれ方も、解説を読むまで気づけなかった。筆者の父親の名前が良くも悪くも知れ渡りすぎていて、どうしても彼女の作品も色眼鏡で見てしまいそうになる。でも作中の「私」と娘のやりとりの描写はそれこそ光を放っていて、父親の不在はいったん脇に置いて作品に集中したいなあと思った。

0
2026年04月08日

「小説」ランキング