【感想・ネタバレ】魔女の原罪のレビュー

あらすじ

変死事件で暴かれる町の秘密
法律が絶対視される学校生活、魔女の影に怯える大人、血を抜き取られた少女の変死体。
一連の事件の真相と共に、街に隠された秘密が浮かび上がる。

僕(宏哉)と杏梨は、週に3回クリニックで人工透析治療を受けなければならない。そうしないと生命を維持できないからだ。ベッドを並べて透析を受ける時間は暇で、ぼくらは学校の噂話をして時間を潰す。

僕らの通う鏡沢高校には校則がない。ただし、入学式のときに生徒手帳とともに分厚い六法を受け取る。校内のいたるところには監視カメラが設置されてもいる。
髪色も服装も自由だし、タピオカミルクティーを持ち込んだって誰にも何も言われない。すべてが個人の自由だけれども、“法律”だけは犯してはいけないのだ。

一見奇妙に見えるかもしれないが、僕らにとってはいたって普通のことだ。しかし、ある変死事件をきっかけに、鏡沢高校、そして僕らが住む街の秘密が暴かれていく――。

『法廷遊戯』が映画化され注目を集める現役弁護士作家の特殊設定リーガルミステリー。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

362ページ
1700円
2月19日〜2月23日

高校2年になった和泉宏哉は、両親の経営する病院で透析治療を受けていた。共に透析を行っていた同級生の杏梨は、魔女と魔法使いの違いは何かと聞いてくる。魔女狩りについて調べていた杏梨が遺体となって見つかり、宏哉の母が逮捕された。18年前の高校生殺害事件との関わり、母が隠していた真実とは。

何か変な感じが町全体から感じられる。学校も防犯カメラが設置され、校則はなく、すべて法律で判断される学校。共に治療を受けていた杏梨が血を抜かれた状態で発見され、母が逮捕されるという衝撃の展開。法律や裁判の詳しすぎる話に時々辟易してしまう。

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2024年03月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

主人公の母親は、医療従事者だ。それなのに血液を浄化したところで、なにかが変わるわけでもないことがわからないのかなと思った。血液より、DNAでは?と。
そういえば、007シリーズにDNAを入れ替えて、別の人種に変わるという悪役がいたのを思い出した。現実にはない技術ではあったが。
加害者家族というだけでなく、人はどうしようもない苦しみを感じると、カルト的なものに救いを求めてしまうものなのだと思う。

これまで、世間を騒がせた事件の犯人の家族は、悲しい結末を迎えている人がいる。
子供の頃、近所にいた子を思い出した。父親が⚪︎人で服役中と聞いた。
昭和の田舎町のこと、嘸かし生きづらかったに違いない。
母親と共に、苦しみながらも強く生きていたのを覚えている。
決して犯罪者にはならなかった。普通に接していた人もいたから。

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2024年02月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読み応えあり。独特な高校かつ独特な地域のイジメというだけでは終わらなかった。傍から見れば異常でも集団になるとおかしくなっちゃうのだろう。不安でたまらない気持ちは想像できる。

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2023年12月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

透析患者の生活背景として???な部分は作者さんの勉強不足かしら…とか思って読み始めました。大変申し訳ありませんでした…

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2025年11月01日

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ネタバレ

"魔女は、魔女とみなされた時点で悪であることが確定する" ということでの原罪についての話。章の切り換わりでの話の転換に驚きました

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2024年08月12日

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ネタバレ

SL 2024.8.4-2024.8.6
加害者家族が集う街で起こった事件。
街の秘密、主人公の宏哉自身の隠された出自。
徐々に明かされていく事実が、ある意味とても切ない。
宏哉はまっすぐで強い心を持っているから未来に希望を信じたいけど、加害者家族の置かれた現実、絶望を思うと考えさせられる内容だった

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2024年08月06日

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ネタバレ

校則はなく、法律が絶対、校内の至るところに監視カメラのある鏡沢高校。校内で起きた窃盗事件を皮切りに宏哉は街の隠された秘密に直面していく…

重かったし、考えさせられたというか。加害者家族や犯罪者の子供に向けられる態度、日本と海外ではやっぱり違うんだなと思った。宏哉はいい人に育ってほしい。

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2024年05月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

もし、そういった犯罪気質(?)のようなものが受け継がれてしまうのだとしても、血液ではなくて脳の構造とか遺伝子の問題では?と思ってしまった。でもそういう結論に至ってしまうほどに追い詰められてしまっていたのでしょうか…。加害者家族だけを集めるという発想が目からウロコでした。

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2024年01月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

主人公が通う高校は法律に違反しない限り服装・髪型を始め全てが自由な学校だが、校内中に監視カメラが有り、法律に違反した場合は学年・クラス・名前・犯罪行為の内容が全校生徒に明らかにされる。
更に、街は40年ほど前に開発されたニュータウンで、以前から住む高齢者たちは「カツテ」と呼ばれ、カツテと新しい住民とは険悪な仲であることが描かれる。

何やら訳ありな学校と街が出てきて、ディストピア小説なのか??と思いながら読み進めると、同級生が突然死体となって発見され、主人公は街が抱える秘密と向き合うことになる…

今作は誹謗中傷や悪意によって傷つけられてきた加害者家族の苦しみがテーマだ。
加害者本人とは関係ないはずなのに、家族というだけで差別され、職場や住まいを追われた人々が作った加害者家族たちが住む街。そこで行われるのはあまりに狂った行いなのだが、そこまで彼らを追い詰めたのは、マスコミ始め私たち日本社会なのだ。
犯罪者の子どもは将来犯罪者になるという根拠の無い偏見が呪いとなって人々を苦しめ、更なる悲劇を生む。

中世の魔女狩りが、現代でも無くなったわけではないと思わされる社会派ミステリだった。

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2024年01月06日

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