【感想・ネタバレ】官僚たちの夏のレビュー

あらすじ

日本人の誇りを取り戻すべく、固い信念で通産行政を強引、着実に推し進め、次官への最短コースを疾走する“ミスター・通産省”風越信吾。高度成長政策が開始された60年代初め、通産省という巨大複雑な官僚機構の内側における、政策をめぐる政府・財界との闘いと、人事をめぐる官僚間の熱い戦いをダイナミックに捉えた城山三郎の代表作!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

1950~60年代の実在の通産官僚をモデルに描いた作品。
天下国家を論じ国益のためにがむしゃらに働き高度経済成長の礎となった風越信吾はじめ通産官僚たち。一方で目先の利益に目を奪われ、謀略を練り、全体の利益を顧みず足を引っ張る財界と、その意を受け権力争いに奔走する政治家たち。
主人公は信念も胆力も部下からの信頼もあったが、清濁併せ呑むことができず味方以上に敵を作ってしまった。風越師団として重宝してきた部下は鮎川も庭野も無理がたたり身体を壊してしまう。風越の期待に応えようとしたからであり、またそれ以外の人間には反発を買う結果となる。人を評価するときは比較ではなく、その人そのものの資質をみないといけない。また先を見通しすぎてしまったため、外れたものからの怨嗟を受けることとなった。

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2024年08月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

古代のバンカラ通産省の空気感
いまも他省庁より尖った印象(若手の提言とか)

●パリでの外交官生活になじめない牧さん p92

牧は、また、日本のことを思った。通産省では、仕事さえしているなら、タテになっていようと、横になっていようと、問題にされない。服装にしても、風越のように、夏には半裸も同然の男もいる。通産省が懐かしかった。

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2022年10月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

風越を中心として通産省の官僚達の生きざまを描いている。登場人物にはモデルがいて、特に政治家に関しては多少の知識があれば推察できるので面白い。また、内容自体もとても読みやすくかつ読み応えのあるものだった。馬車馬のように働く風越たち、理知的で人当たりが悪いとも言える牧、そしてワークライフバランスに重きを置き人懐っこい片山、どの生き方が正解、というのは無いだろうがやはり片山の生き方に惹かれてしまう。一方、自分の人生はどのように描かれるのか、どんな人生をこの先歩むのか、と考えたときに兎に角自分なりに個性のままに生きよう、それが例え風越たちのようであっでも、と思った。

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2025年05月15日

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