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Posted by ブクログ
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君たちに明日はない第2弾。連続短編の形式は変わらないが、前回の続きとして時間が流れており続編として楽しめる。色んな企業での場面が垣間見えて面白い。今回も、職場測定アンケートSSEが活躍。8歳年上の陽子との関係も随所に。特に、題名になっている消費者金融の話は何度読んでも泣ける5の由来。男勝りの池口と優しい宏明。池口の暗い過去、猛アタックと美佐子の決意、親の説得とタンカ。「一生ヒロを食べさせていく覚悟と自信と証拠がある」言い訳せずストレート、時折素直な池口に感動させられる。陽子の話の「人にやさしく」の引用も〇。
百貨店の斜陽の外商部でトップの女性の話、女性コンプレックスから生保レディのまとめ役ができずの保険会社社員の話、消費者金融の男女の純愛ストーリー、旅館の仲居の話、陽子の事務職探しの話。
人間は受け入れがたい現実は受け入れない。不本意な将来には目を塞ぎ、自分の都合のいい未来だけを信じる。いつか仕事で成功して大出世する、こんなとこ辞めて年収800万の仕事につけば家計もすぐに楽になるはず。
なぎさが困っていると何かと世話をやいてくれるし、他の男のようになぎさの営業成績を羨ましがることも嫉妬することもない。おまえはそれだけ頑張っているんだ。当然だろ。そんな人間が困っていたら、手助けするのは当たり前だ。
外商トップのなぎさの転職先など山ほど。無数の優良顧客データを持っておりそのネットワークを活かした仕事ならいくらでも。外車のディーラー、画廊、生保。一方で、会社もそんな優秀な社員を辞めさせたくないし、それなりの見返りを用意するのだということを示したい。