【感想・ネタバレ】憑神のレビュー

あらすじ

妻夫木聡主演の映画原作。時は幕末、処は江戸。貧乏旗本の次男の身ながら、その才を見込まれて大身の入婿となった彦四郎。だが、跡継ぎを授かったとたん離縁され、実家に出戻るはめに。ある夜、酔いにまかせて小さな祠に神頼みをしてみると、なんと神様があらわれた。だが、この神様、神は神でも、貧乏神! 果たして、貧乏侍vs.貧乏神の行方は……!? とことんツイてない男が最後に選んだ真実の生きる道とは――。抱腹絶倒にして、やがては感涙必至。最近ツイてない、ツキが欲しいと思っている人、必読。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

貧乏神・疫病神のあたりまでは、個人的な恨みとか怒りとかで動いていた彦四郎だけど、最後の死神に憑かれてから、まさかあんな壮大な話になるとは…。
武士の誇りが失われていった世の中で、己の信じた武士道を貫き、死神を受け入れて生ききろうとする姿は格好良かった。

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2023年12月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

時は幕末、場所は江戸深川。決して位が高いわけでもない一御家人、別所家の次男である彦四郎の物語。
武道に優れ頭脳明晰、努力を怠らないにもかかわらず、昔から運に恵まれない彦四郎だったが、ある日古ぼけた祠にうっかり手を合わせてしまったことで、貧乏神、厄病神、死神と順々に取り憑かれてしまい、散々な目に遭う。
だが、困難にまみえる中で彦四郎は次第に武士道とは何か、自分が進むべき道とは何かを見出していく。
個人的に感じた彦四郎の良いところは、自らの行動指針が、自分の「仁」や「義」であること。婿入り先で理不尽な目に遭ったのも、自分が情に流されて御家人の大義を見失っていたからだと息子に話す。「すなわち、わしは井上の家よりも、妻子を愛しすぎた」。また、息子に責められた時も、「お前は偉い。よくぞ父を慕わずに、井上の惣領として爺様の言葉を信じた」と、言葉の是非ではなく、まず信ずるところの順序をたがえぬ息子を褒める。
この想いがいつか息子にも届いて欲しい。
要領のいい男ではないのかもしれない。客観的に見て正しい行動なのかもわからない。だが、世間に流されるのではなく、また人間誰しも持つ死への恐怖に流されることもなく、日頃から研鑽を怠らず、忠義を尽くす。自分の信じる道を堂々と進むことができる彦四郎はとても格好良い男だと思った。

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2020年04月12日

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ネタバレ

やっぱり浅田次郎はうまい!文章の職人。鉄道員(ぽっぽや)で見せた燻し銀の文章から一転、落語調の歯切れ良い語り口が楽しい。

正直者で要領の悪い主人公が、ひょんな事から憑依された貧乏神、疫病神、死神たちの災厄を逆手にとって出世してゆくプロットはユニークで痛快。
また随所に散りばめた落語的なくすぐりで笑いを誘う一方で、お得意の泣かせ所も忘れない。大作ではないが落語好きには間違いなく楽しめる佳作。

ほんと誰か落語でやってくれないかな?そのまんま使えそう。でも「真景累ヶ淵」どころじゃない2時間超える長尺落語になるかも。

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2015年07月27日

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ネタバレ

最初は貧乏神やら厄病神やらが出てきて、主人公がアップアップするコメディだったのが、後半は武士道精神を貫く漢の話になっていって、勝海舟やら榎本武揚とか、実在の人物も出てきて、何やらかんという感じですが、爽やかな読後感でありました。

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2022年08月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

時は江戸末期、御徒士組という由緒がありながらも貧しい武士の次男坊、彦四郎が、土手下にある祠を拝んだことで被る御災厄のお話。

2008年以来の再読。
前半はコミカルだが、扱う御災厄が重くなるにつれ、雰囲気もシリアスに。

以前読んだときは「後半がイマイチ…。」と感じたものだが、やはり後半に向けて変化していく作風やテーマの重さが、読み手を良くも悪くも裏切るのが理由だと感じた。

三柱の神様の造形や、小文吾や団子屋の主人、蕎麦屋の親爺といった主人公の周りの登場人物に好感が持てた。

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2018年09月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

期待していたほどにはのめり込めなかった。主人公が最初から最後まで立派なままだからかなあ。
でも浅田さんだし、やっぱり終盤にはちょっと胸が熱くなりました。言葉遊びもおもしろいし。
表紙の3人の神様の姿にほっこり。

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2016年07月31日

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