【感想・ネタバレ】国家の品格のレビュー

あらすじ

「品格」で流行語大賞も受賞した大ベストセラー。虫の音が美しいと思う心、説明無用「駄目なものは駄目」、「卑怯」はいけない――日本人は生まれながらにして善徳や品性を持っている。国際化という名のアメリカ化に踊らされてきた日本人は、この誇るべき「国柄」を長らく忘れてきてしまった。いま日本に必要なのは何か? それは論理よりも情緒、英語よりも国語、民主主義よりも武士道精神であり、「国家の品格」を取り戻すことである! すべての日本人に誇りと自信を与える画期的日本論。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

論理は確率の掛け算であり、現実社会で各々の確率は0でも1でもないため、長い論理の信憑性は低く本能的な危険を感じる。
かといって短くわかりやすい論理は深みがなく、それに飛びつくことは危険。
→論理はそれほど効用のないものなのに、もてはやされている。論理だけで突っ走るのではなく、情緒や形(伝統に由来)に基づいた判断を!
論理の出発点、すなわちスタンスを選ぶことが大切であり(確率の高い論理を積み上げることの大切さは言わずもがな)、そのためには情緒と形が重要。
国際人とは、世界に出て人間として敬意を表されるような人のこと。
世界に向かって大声を上げる胆力もなく、おどおど周囲の顔色を伺いながら最小の犠牲でお茶を濁すという態度では、国際貢献などできっこない。
→周囲との調和は確かに大事であるが、そこに囚われすぎると大事なものを見失ってしまう。ダメなものはダメだと声を張り上げることも時には必要であり、そのためには判断の元となる情緒と形、及び働きかける胆力が必要。

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2021年03月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

中学校や高校の社会科で、近代的なすばらしい思想として(?)啓蒙思想を学ぶ。ロックは「人は生まれながらにして自由で、平等であり、他の誰からも制約を受けない」と言っている。でもそんなことはあり得ない。人間は社会の中でで不自由で、制約を受ける。「私」の自由は他の誰かの自由と必ずぶつかる。その通りだと思う。平等でもない。東大生の親の年収の平均は、一般的な家庭の年収よりはるかに上である。金持ちの家に生まれた方が有利であることくらい、もうとっくにみんな気付いている。それなのに「自由・平等」という幻想にとりつかれていることが間違っている。そうじゃないことを認め、強い者は弱い者をいじめてはいけない、大きい者が小さい者をやっつけてはいけない、と、日本人が本来持っていた正義や道徳を尊重した方が、よっぽど世界が良くなる、自由や平等という思想は欧米からの押しつけである…
理屈を言うのは良くない、ということも主張している。戦争をする国は、戦争をする理屈を持っている。理屈が正しくても、結果は正しくないことが多々ある。AだからBでしょ、だからCでしょ、そしてDでしょ、と理屈を述べても、じゃあなんで最初はAなのか、ということは理屈では説明できない。その最初のAを決めるのは、人間の情緒であり、美意識であり、文化である。
とにかく100%納得できる本です。世の中の教育関係者がみんなこれを読んで、“日本らしい教育”を実現できれば、世の中がきっとよくなると思う!

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2021年02月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

東大で数学を極めた筆者が、ゲーデルの不完全性定理を示し、論理だけでは重要な問題は解決できないと悟り、情緒や形が大切だと言っていることに驚いた。

英語に関しては、筆者と同じく、がっつり文法を始めるのは中学からが良いと思う。それまでは、読み書きの基礎を築き、かつ広く「本を読む」習慣をつけるべきだと思う。(個人的には、小さい頃は耳を英語に慣れさせたり発音を練習させるのは将来的にかなり有効だと思っている)

国際人の話でオーケストラの例がとても良かった。
バイオリニストはバイオリンを1番美しく鳴らす方法を知っている。ビオリストは美しいハーモニーの奏法に長けている。各楽器は別々の特徴があるが、それぞれの奏者は、その楽器をよく知り、愛しており、プライドを持って演奏する。大人数で同じ音楽を奏でることは簡単ではないが、その意思と呼吸とが合った時、豊潤で立体的なエネルギーを生み出し別次元へと聴衆をいざなう。

世界各国間の協力が必要不可欠な現在、私たち日本人は、自国の歴史や国民性を学び、その貴重さを理解することが大事である。それができるような教育体制であるべきだし、世の中を動かすリーダーこそ大事にするべき。

日本人の古くから大切にされてきた情緒や形を学んでいるうちにきっと、体の奥から日本人特有の何かが呼び覚まされると思う。その感覚を大切にしてはじめて、英語を手段として外国の方と濃密な会話ができる気がするし、出会いも、またうわべだけでない外国人の内的なものの範囲も広がってくる気がする。それでこそ他国の理解がより深まるような気がする。

まだ古くから伝わる日本人の感性や武士道精神を知らない。もっと知りたいと強く思うきっかけになった。

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2021年01月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

メモ寄りの感想
結論
欧米の論理と合理よりも、日本古来の情緒と形(感受性や考え方(八百万の神や武士道、もののあわれ等))を重要視
論理には限界(世の中には論理で説明できないことが多くあるし、その中には大切なことが多い)があり、社会の安定性には情緒が必要
論理の世界は画一的であるが、情緒の世界は個性的

メモ
英語よりも国語(自国の文化や考え方を勉強含め)に注力すべき。
→思考は言語で行うものであり、国語が弱い状態で英語だけ話せても、その人の人間性の向上はできない
二つの祖国愛。ナショナリズムは自国の国益のみを優先(トランプ)、パトリオティズム(自国の文化、伝統、自然等を愛すること)
貧しいが高貴ができる国
真のエリートとは文学、哲学、歴史、芸術、科学といった何の役にも立たないような教養を身につけている(大局観)。国家のためにいざとなれば命を捨てる気概があること。
家族愛→郷土愛→祖国愛→人類愛

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2025年05月25日

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