あらすじ
最後の貴婦人である母、破滅への衝動を持ちながらも“恋と革命のため”生きようとするかず子、麻薬中毒で破滅してゆく直治、戦後に生きる己れ自身を戯画化した流行作家上原。没落貴族の家庭を舞台に、真の革命のためにはもっと美しい滅亡が必要なのだという悲壮な心情を、四人四様の滅びの姿のうちに描く。昭和22年に発表され、“斜陽族”という言葉を生んだ太宰文学の代表作。
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Posted by ブクログ
24歳2冊目
醜く美しく生きるということは人を全うするということか
24歳は自分で思うより案外若くて青いのかも
私もどうしようもなくなってしまえと思う
Posted by ブクログ
印象深いのはやっぱり直治の最後の手紙。下品を装っていても、本当は、……。
あとはお母さまが庭でお花を折る(婉曲表現)シーン。気品とは対極のことをしているのに、妙に品を感じる。これぞ最後の貴婦人。
最後に明かされた、M・Cの本当の意味……!
お母さまと上原ってなんかちょっっっっとだけ似てない? 気のせい??
5章まではお母さまお母さまだったかず子が6章から上原上原になるのが気になって。お母さまの気品って、骨つき肉にかぶりつくとか庭でお花を折る()シーンとか酒があれば寝れる発言とか、野蛮そうな行動によって強調されている気がする。上原の不良的なところに惹かれてるのって、何だか、その悪さの中にお母さまの影を見ているような気が、する。いや乙女心って言われたらそれまでなんだけどね。だから本当、これはただの私の妄想なんだけど。
直治が下品を装ったのも、どこかに母への憧れがあったりするんだろうか。直治の最後のセリフを見た後に、「ほんものの貴族は、まあ、ママくらいのものだろう」という直治の最初のセリフを見ると、何だか感じるものがある。
かず子や直治にとってお母さまは、改めてどういう存在だったのか……。
Posted by ブクログ
燃えて落ちていく感じで、斜陽って言葉がピッタリだなって。
弟の遺書の必死さがやっぱり頭に残ってて、辛い時、苦しいときに思い出す。貴方も苦しかったんだね、ってなる。なんだか生々しかったから、それが私の生々しい現実に密着してる感じがして、不思議な後味がある。
最後の主人公の暴走?革命?が、夕日で燃えて赤くなった空を見ているようでなんだか気持ちよかった。
Posted by ブクログ
時代の流れについていけない没落貴族の話でしたが、どの時代にも刺さる人はいるのかもなと思いました。
時代に適応出来なかった弟は貴族として死を選び、なんとか適応しようとした主人公は貴族のやることとは思えない方法で恋の相手に迫りこれからも生きていく。
この歪みが丁寧にえがかれており、面白い作品でした。
Posted by ブクログ
「生まれて来てよかったと、ああ、いのちを、人間を、世の中を、よろこんでみとうございます。
はばむ道徳を、押しのけられませんか?」
すごい一文でした。
人間失格を読んだ時もそうだったなーと思い出したことが、物語への没入ではなく、人物へ没入していく感覚があったなーと。ほんとうにかず子になってた気がします。現実では貧乏人ですが。
「あついうどんを啜りながら、私は、いまこそ生きている事の侘びしさの、極限を味わっているような気がした。」という一文も心に残りました。この一文はうどん本来の味を美味しかったのか、不味かったのかを描写するのではなく、食べた時の感情にうどんが乗っかっているのだと思います。味わっている余裕なんてなかったろうとも思います。
ですが、そこにはあたたかいうどんが確かにあって、目に溜まった涙と湯気で少し視界が見えづらいって状況で、その味も加味した描写だとするならば、このうどんはどんな味だったのかなと気になりました。
Posted by ブクログ
戦後の1人の貴族女性の生き方を描いた話。
恋と革命に没頭し、生きようと励んだそのたくましさと、その裏に潜む悲しさ。これはなんとも言葉にできないものがありました。
また弟の遺書に、姉も美しい。このように記載があって感動しました。
人間失格を読んだ後に読んだのですが、どこか葉蔵のようにとても生きれないという侘しさを感じ、心に残る1冊だった。
Posted by ブクログ
太宰治は、授業で走れメロスを読んだきりで他の作品は読んだことがなく、ほぼ初めてのような感じだった。
古典って、いつか読んでみたいと思いつつ難しそうでなかなか手が出なかった。
本書を読んだきっかけは、静岡旅行で太宰治ゆかりの旅館、安田旅館に泊まった際に、部屋に文庫が置いてあったから。
読み始めてみたら意外と読みやすくて、舞台が宿泊している伊豆ということもあり、情景も思い浮かべやすくて時間が許すまで読んだ。
後日、読書アプリからダウンロードして通勤中にちょくちょく読み進めた。
読んでいて、なんだか物悲しい気持ちになった。
戦後、没落した貴族の親子は東京から伊豆へ引っ越してくる。
そこでの慣れない生活に四苦八苦する娘とその母、そして戦争から戻った息子。
そこにうっすらと漂う「死」の気配。
「斜陽」という言葉は、この小説が元になり、後に国語辞典に「没落」の意味も付け加えられたのだとか。
小説のタイトルから日本語に新たな意味づけがされるなんて、その影響力の強さに驚く。
お母さんが亡くなる前の描写が読んでいてとても辛かった。
所謂アラサーで、年齢的には立派な大人であるかず子だが、まだ大人になりきれずに母を慕っている様子は、いい年になっても大人になりきれていない自分にも重なってしまった。
そして、母が亡くなった後のかず子の暴走っぷりは少し引いてしまった。
妻子のある上原へのラブレターなんかは、なんだか必死すぎて心配になってしまった。
そして急な弟の死には衝撃を受けた。
弟の遺書は、読んでいてその辛さが痛いほど伝わってきて心苦しくなった。
1人残されたかず子はどうなるのかと思ったら、上原との子どもを1人で育てていく決意を、上原への手紙に綴るのだ。
正直、子どもができたというのも本当なのか疑ってしまったのだが、具体的なお願い(弟の無念を少し晴らしてあげようと思ってのことか)をしてることから恐らく本当なのだろう。
かず子が意気揚々と主張する「恋と革命に生きる」とはどういうことなのか、イマイチピンと来なかった。
今までの道徳に縛られず、自分の欲のまま、恋をして生きて行くということなのか。
それが、妻子ある人との子どもを1人で育てていくということで体現しようとしているのか。
戦後の新たな価値観へ向かう過渡期の雰囲気ってこんな感じだったのかなと思う。
大人が信じられない。今までの価値観が信じられない。未来が見えない。新しい思想を求めては、時代の変化に苦しみ、消えゆくものは消えて行く…。
人間の生きる苦しみを描きながら、最後は1人の女性の決意の手紙でぷつっと終わる。
かず子がその後どうなったのかわからない。
その余韻が強く印象に残る作品だった。
Posted by ブクログ
『斜陽』は、日が傾き、沈みかけている状態。
その様子に重ねて、勢いが衰えていくことを表す。
この作品は、貴族の没落を描いている。
本文中に、
「けれども私たちは、古い道徳とどこまでも争い、太陽のように生きるつもりです。」
という一説があるが、太陽について述べているのはここだけだと思う。
Posted by ブクログ
好きな話だった。
色々教養ないと分からない表現が多そう。
教養をつけてからまた読み返そうと思います。
私は、直治が好き。皇族にも合わず、世間にも合わない。ずっと死にたいとは思いながらも、お母さんやかず子のために生きていて、死ぬ時までもかず子に気を使っていた彼のことを悪人だと、間違ってるとは言いたくない。
上原さんはちょっと沼でした。