あらすじ
正直で有能、分別と信仰心を持つ奴隷頭のトムは、ケンタッキーのシェルビー農園で何不自由なく暮らしていたが、主人の借金返済のために、奴隷商人に売却されることに。トムが家族との別離を甘受する一方、幼子を売られることになった女奴隷イライザは、自由の地カナダへの逃亡を図る。
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Posted by ブクログ
とても面白かった。敬虔なトムが神の教えに従い、黒人奴隷の渇ききった心に愛を与える。トムの優しさに触れた黒人奴隷はトムの信じるクリスチャンの心を知る。今日では「アンクル・トム」という言葉は「白人に屈従する黒人」という意味を持つらしくタブーとされている。しかし、屈従などこの本のトムはしていなかった。自分の口できちんと白人に抵抗し、自分の強い心を示していた。著者は黒人奴隷の人間らしい心を認め、白人の無視する心をたしなめた。文中にも天国から除外される人は積極的に善行を行わないことを糾弾されるとある。屈従しているのは奴隷問題に対し見て見ぬ振りをしていた当時の白人の方であって、アンクル・トムの小屋のトムは善き人として語るに相応しい人物だと思う。