あらすじ
「あいつから逃げなきゃ!」執拗に追ってくる男の影に脅えつつ、逃亡を続ける花屋の店員、三田村夏季。追跡をのがれるため、職場を変え、引越しを繰り返す日々がつづき、疲労が濃くなるばかりのうえ、相談者のいない閉塞感が彼女を襲う。同じ頃、神奈川県下では不可解な連続女性殺人事件が起こり、刑事部長・小田垣の苦悩の日々が始まった……。追う者と追われる者の心理が複雑に絡み合い、やがて衝撃のクライマックスへ。傑作長篇ミステリー。
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Posted by ブクログ
複数視点で場面が細切れになって描写されます。追われる人、追う人、殺人者など視点が細切れになり、どの人がどういう関係なのか、整理しながら読み進める必要があります。
途中からそれぞれの視点の関連性を感じさせ、最後には点と点がつながっていくところが素晴らしいです。殺人者は一人ではなかったし、別人だと思って読み進めていたら、一人だったなど、びっくりしてしまうような仕掛けがありました。そして、最後はかなり後味の悪いラストです。
Posted by ブクログ
*「あいつから逃げなきゃ!」執拗に追ってくる男の影に脅えつつ、逃亡を続ける花屋の店員、三田村夏季。同じ頃、神奈川県下では不可解な連続女性殺人事件が起こり、刑事部長・小田垣の苦悩の日々が始まった…。追う者と追われる者の心理が複雑に絡み合い、やがて衝撃のクライマックスへ。傑作長篇ミステリー*
十ン年ぶりの再読。いやー、今読んでもその巧妙で緻密なストーリー展開には脱帽です。あれこれと想像を巡らせながら読み進めると、一層楽しめます。
ただ、改めて読むと、それまでは丁寧かつ周到な運びだったわりに、運を天に任せたような夏希の罠はやや雑な気が…初読時は、その劇的な展開に胸を躍らせたものですが。エピローグの、少々浮足立った二人のやり取りもなんだか…
とは言え、ラストの≪ニュース≫で一気に締める手法はさすが。