【感想・ネタバレ】「粗にして野だが卑ではない」 石田禮助の生涯のレビュー

あらすじ

三井物産に35年間在職し、華々しい業績をあげた後、78歳で財界人から初めて国鉄総裁になった“ヤング・ソルジャー”──自らを山猿(マンキー)と称し、欧米流の経営手腕を発揮した高齢のビジネスマンは、誰もが敬遠した不遇のポストにあえて飛び込む。問題の山積する国鉄の改革を通し、明治人の一徹さと30年に及ぶ海外生活で培われた合理主義から“卑ではない”ほんものの人間の堂々たる人生を、著者は克明な取材と温かな視線で描いた。ベストセラー作品を電子書籍化。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

三井物産から旧国鉄の総裁まで歴任した
石田禮助氏の生涯。
タイトルは国会で代議士を前に初登壇した際のコメント
続いて「国鉄が今日のようになったのは、諸君たちにも責任がある」と気骨ある発言。
男です。

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2019年03月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

石田福助の生涯を描いた本。
飄々とした人格やエピソードは読後感爽快であるが、国鉄関係の記述が少なかったのが残念。

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2020年07月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ずっと読もうと思っていた本です
事の良し悪しは別に、現代の財界人の発言に道理や筋を感じないもので…

石田礼助
明治~昭和を生きたカッコいい男の不器用かつ天衣無縫の仕事ぶりを描いています

もう、物語どうこうではありません

国鉄時代の直近の部下に
「ずいぶん多勢の人に仕えたが、あんなに気持ちのいい人はいない。毎朝、石田さんに会うのがたのしみだった。生涯、あの人ほどの人物にめぐり会うことはないだろう」P162から

周囲から、このように評される人物に私はなれないし、会えてもいない…
(私も言いたい放題系であるが、徹底的に人望がない。 器が小さいんだわ)

くせ者も多かったであろう当時の代議士や記者も礼助の卑でない実直な発言に魅せられていったようです
時代が人物を産むのかもしれませんが、それにしてもねぇ…

まあ、良い心構えを教わった読書となりました

星は★★★(3.0点)
※満点は5点です

伝記というか人物記ですので評点するのは若干違う気もしますが…
卑屈、卑怯なやり様は私の生きざまから駆逐しようとの決意も込めて

きっちり思う点をつけさせてもらいました

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2019年05月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 三井物産に35年間在籍し、華々しい業績をあげた後、78歳で財界人から初めて国鉄総裁になった”ヤング・ソルジャー”―明治人の一徹さと30年に及ぶ海外生活で培われた合理主義から”卑でない”ほんものの人間の堂々たる人生を著者は克明な取材と温かな視線で描いた。

「朝、ミスター・イシダが来ると、全員立ち上がらんばかりのふんい気でした。ミスター・イシダは何か明らかに不満があっても、大声を出したりはしない。怒りを内に溜めていて、なぐりはしないけど、こちらはなぐられた感じがした」

 石田はとにかくオープンで、ざっくりばらん。多勢の前で、
「おれの知識ではよくわからん。もっと詳しく説明してくれ」
 などと大声で訊く。
 クビになるかと思うほどの損を出したときでも、理由を聞いて「なるほど」とうなずき、
「取り戻せるものなら、やってみろ」
 肚の中と口にすることは同じ。ストレートに物を言うし、また、そういう人を好む。分かりやすい人であった。

 そして「賢明な投資」のためには、
「しじゅう頭を使って天下の形勢をみてなきゃ」

 石坂自身も、経団連会長への就任を決めたとき、記者団から動機を訊かれ、菜根譚の一句を引用した。
「人と作るには一点の素心を存することを要す
 人と交わるには須く三分の俠気を帯ぶべし」

「あの件は一例だが、石田さんは労使関係を超えて、職員の気持をつかんだ。国鉄総裁というより、人生の達人。そういう感じのものが、みな奮起させた。」

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2018年11月23日

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