【感想・ネタバレ】月のしずくのレビュー

あらすじ

三十年近くコンビナートの荷役をし、酒を飲むだけが楽しみ。そんな男のもとに、十五夜の晩、偶然、転がり込んだ美しい女──出会うはずのない二人が出会ったとき、今にも壊れそうに軋みながらも、癒しのドラマが始まる。表題作ほか、青少年の鑑のような高校生が、ふと足を踏み入れた極道の世界で出会ったヒットマンとの、短くも充実した日々──「銀色の雨」。子供のころ、男と逃げた母親との再会をイタリアを舞台に描く「ピエタ」など、“浅田マジック”が冴える全七篇。

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ネタバレ

浅田次郎、男女の哀愁、ノスタルジー、偶然、再会、色んな情景が浮かぶ7編。浅田さんの文章は分かりやすく、登場人物の心情が理解できる。圧倒的に一番よかったのは「花や今宵」。見知らぬ男女2人が酔いつぶれ、中央線で寝過ごし山梨まで来てしまう。2人はお互いに愛するパートナーがいると嘯く。それぞれパートナーとの愛情が切れていた。女性は不倫中、男性は分かれたばかり。2人の微妙な距離感、話すにつれ一定の距離感を保ちながら縮まってくる。この描写がエロティックであり、プラトニックである。最後にはこの2人の距離感が密着する。

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2021年09月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

幸せな結末ではないけど、読んでホッとするようないい感じの短編集。
さすがに文章がうまいので、サラサラ読める。

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2018年07月12日

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ネタバレ

久しぶりに浅田次郎さんの作品を読んだけれど、時々涙が出そうになり、さすがに上手だな、と。
特に独白部分がよかったし、ラストが読者がこうなってほしいと思うような展開になり、読後感もよかった。

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2018年05月17日

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ネタバレ

一筋縄でいかない恋愛短編集。
月のしずく:不器用な仕事人の主人公が報われる話は、読んでてうれしいし、この作者に書かせると上手い。
聖夜の肖像:チャコさんはしあわせな女だと思うし、周りの人が素晴らしい。
銀色の雨:恋した女性を追ったばかりに、別の世界に踏み込みかけたカタギの少年の話。
瑠璃想:中国に故郷を持ち、過去に家族をそこに置いてきた社長の話。
花や今宵:出てくる男女が意地っ張り。最後数行のスピード感が笑える。
ふくちゃんのジャックナイフ:最後の映画のワンシーンのような描写のために、書かれたような話。
ピエタ:大人の女とその母の話。「聖夜の肖像」「瑠璃想」とこの話は過去と折り合いをつける話。

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2017年11月04日

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ネタバレ

酒好きの中年おっさん向け良質短篇集。
どの話を気に入るか、人によって好みが分かれそうですね。
個人的には「瑠璃想」がお気に入り。

★4
月のしずく、聖夜の肖像、銀色の雨、瑠璃想

★3
花や今宵、ふくちゃんのジャック・ナイフ、ピエタ

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2017年09月01日

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ネタバレ

 妻子持ちだった恋人とひどい別れ方をしたリエはたまたま居合わせた辰夫の家に厄介になることに。
「お腹の元恋人の子供がいるの、お願いちょっと|中絶《おろ》すの手伝ってよ」
 しかし純粋な打算で近づいた男は何を勘違いしたのかその子を二人で育てようなどと言ってくる。はあ、とんでもないお馬鹿な奴もいたもんだ。こんないまだに汲み取り便所を採用しているようなアパートに住む男がこの私と釣り合うとでも思っているのかしら。学もなさそうだし、たぶん身の程知らずという言葉も知らないんじゃないかしら。でもいいわ、私は優しい女だからあなたが安物の時計をプレゼントしてくれたって窓に叩きつけて壊すぐらいで許してげる。
 まったく男ってのは女の人格なんてどうだっていいんだわ。下半身で物事を考えるっていうのは、あながち間違っていないのかもしれないわね。馬鹿みたい。行きずりの男に堕胎の手伝いを申し出るような女のどこが良いて言うの? 仕方ないから一発やらせてあげる、それでおしまいにしましょう。そしたらこの子を堕ろすのを手伝ってね。
 次回『社会の底辺が安物の腕時計をプレゼントする前の「ただいま」が死ぬほど気に障った』――これがブスなら話にもならない

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2016年06月28日

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ネタバレ

愛した人が例え自分には決して振り向かず、
他の人を想い続けているとしても、 愛してきた自分がいるからいい
という台詞があって、泣きそうになった。
自分はそこまで好きになれる人に出会えるだろうか。

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2014年05月06日

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