【感想・ネタバレ】西洋倫理思想の考え方のレビュー

あらすじ

先行きがひどく不透明で、日常生活そのものさえ簡単に様変わりする時代、さまざまな価値観や考え方がある現代社会で、私たちはなにを指針に生きるべきだろうか。私たちが生きるうえで従うべきふるまいや生きかたを指し示す「倫理」とは、本当はどのようなものなのだろうか。
そうした問いが避けがたく差し迫ってくるそのときにこそ、「倫理」を学び直すことの意義が芽ばえてくる。
本書では、「哲学」の中核部門として発展してきた西洋の倫理学から、古代ギリシア、キリスト教、カント、功利主義の思想を取り上げる。「よく生きるとは何か」「幸福とは何か」という問いを道標に、それぞれの「哲学的思考のプロセス」を丁寧に解きほぐして追体験する、「大人の倫理学入門」である。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

ギリシア哲学の善とはよいもの、最高善とは幸福。

キリスト教の倫理思想=アウグスティヌス、アクィナス

カント倫理学
定言命法=自分が守りたいと思うルールが普遍的に出回ったとしても守りたいと思うルールにのみ従うこと。=義務論
幸福という利益を棚上げして義務を全うすべきと考える。自己愛は最大の障害。
幸福とはあらゆる傾向性が満たされることである。幸福には定型がない。幸福論は経験的勧告、または平均的なお勧め(効果には個人差があります)
この世では幸福になれないのではないか。

定言命法=きみの人格およびあらゆる他者の人格のうちにある人間性を、つねに同時に目的としても扱い、けっしてただ手段として扱うことのないように、行為せよ。=自分や他者を自律的であり尊厳あるものとして取り扱え。
地上では幸福にはなれないが幸福であるに値することを心がけ、幸福の成就は来世に委ねる。

功利主義
功利主義は帰結主義=結果としてどれだけの幸福が実現しているかが問題。動機がどうであろうと最大幸福が実現されればそれでよいのか。カントは多数派の利己主義と同じという批判がある。
ロールズの批判=分配原理の欠如=公正としての正義、が欠けている。分配の原理がない。
功利主義が利己主義を前提としている。自分の幸福を追求することと、全体の最大幸福を追求することは矛盾があるのではないか。
他者への共感や反感はうつろいやすく刑罰の対象にはならない。しかし刑罰がなければ功利主義が利他的になる手段がない。

0
2022年06月17日

「学術・語学」ランキング