あらすじ
新宿の男装ホストクラブで働く百合には、声優になる夢があった。だが現実は、池袋の狭いアパートで、不幸の典型のような共同生活。同居人の真優はソープ嬢、累はホスト狂い。百合自身にも暗黒の過去があった――。知らない男からの宅配便、心臓を鷲づかみにされる恐怖、ルームメイトとの不協和音、そして惨劇。とめどなく涙流れる結末が恐怖を超える余韻を残す傑作。『愛しのシャロン』改題。(解説・長江俊和)
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Posted by ブクログ
続きが気になってサクサク読んだけど、犯人の動機が理不尽すぎて謎解きって感じじゃなかった。
ただ最後の方に薄気味悪さの凝縮と、後味悪さを楽しめるって感じ。
(追記・ちょっとネタバレ含むので注意してください!)
読んだ後いろいろ考えるとなんか複雑な気持ちになってきた…
百合のコスプレ趣味の発端はどこだったのかとか、犯罪を一度犯した人間はどうあっても、罪を償って出てきたとしても被害者には決して許されることはないことであったり、世間からも一生罪人のレッテルを貼られること、等々、モヤモヤと考えさせられたなぁ。
作り込みというか、繊細な描写が積み重ねられて物語の世界が出来ていて余韻がすごい。
ほんのり良かった…感がありつつ、でも割ときちっと(?)後味は悪い仕上がり(笑)
Posted by ブクログ
常に何か良くないことが起きそうな予感がある生活はとても辛いだろうなと思った。
監禁犯の方の動機はなるほどと納得できたけど、殺人犯の動機はなんかがっかりしてしまった。
がっかりするような動機で人を殺すってなかなかの狂気ではあるかもしれない。
Posted by ブクログ
あんまりミステリー慣れしてないから予想も当たらんかったけど一気読みした、素直に面白かったし
動機が弱い(というかはっきりしてない、ただのヤバい奴っていうオチ?)っていうのが個人的にあんまりやったがハラハラな展開で良かったし最後ちゃんと泣いてしまった
Posted by ブクログ
感想
動悸の狂気と理不尽さはまさにホラーだった。
最初は怪しすぎた新川をいつの間にか違うだろうと除外していた。
百合の一人称だったから百合の心情に寄り添うようにいつの間にか警戒心を緩めていた。
怯えていたものとは全く別方向から理不尽が襲ってくる感じとても良かった。
累も真優もいい人じゃなかったし幸せでもなかったけど悪い人じゃないし不幸でもなかった。
読み終わったら累と真優を思うと泣けてきた。
読んでる最中はイライラしてたけど全部終わると凄い悲しい。
Posted by ブクログ
前半はゾワゾワしながら読んでたけど、後半はかなり失速。
半分くらいで犯人もわかり、動機も「こうだったら嫌だなあ」がそのまんま。胸糞なのにものすごくさっぱりしていて、不思議な読後でした。
前タイトルの『愛しのシャロン』はシャロン・テートのことかな?と思ってたけど、まあ、ですよね(苦笑)という感じ。
真優と累の手紙はちょっとグッときた。
Posted by ブクログ
『クリーピー』以来、久々に気味悪さと異常性に彩られた先の見えない着地点に震える前川節炸裂!!
加害者の仮釈放を機に、知らない男からの宅配便や無言電話、同居人の失踪…と誘拐監禁事件の被害者だった百合の周囲で不穏な出来事が続発。黒幕は谷藤なのか、谷藤と繋がっているのは誰か…ある意味百合の人間関係みな信用できない疑わしい人ばかりでそのスリルに一気読み。
ラストは裏切られるショックに加えて、こういう理解不能な独善的な考えを秘めている人間って割といそうな不安が追い討ちをかける。
真摯に寄り添おうとする春日の存在が救い。