あらすじ
3000社が導入し、いま話題のマネジメント法「識学」。人の上に立つために重要なことは、何事も「仕組み」で解決する姿勢だ。失敗が起こったり会社の目標が未達だったときに、「とにかく仕組み化」という口グセに立ち返り、ルールによって問題解決をはかる方法を教えます。
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Posted by ブクログ
“人の上に立つ”という挑戦を目指すリーダーにとって、本書は「仕組み」を通じて組織と自分自身を強くするための実践教科書です。仕組み化は単なる業務効率化ではなく、責任・権限・評価・理念・進行感というエッセンスを統合して、チーム全体を自走させる設計思想であることがよく理解できます。
単なる理論書にとどまらず、“組織人”としての立ち位置を自覚し続けるためのマインドセットまでカバーし、マネジメント入門から中堅リーダーまで幅広く刺さる内容です。具体性の追加を求める人にはやや物足りない面もありますが、基本理念を学び直し、組織改革の第一歩を踏み出したい人には確実に役立つ一冊です。
「人間は弱い」前提に基づきながらも、人を成長へ導く構造をどう設計するか──そんな“仕組みを作る思考習慣”を身につけたい全てのリーダーにおすすめします。
Posted by ブクログ
識学の三部作の3冊目
会社で働くことの意味が分かりやすい
明文化や線引きの重要性もよく伝わってくる
定期的に見直したい内容
ただベンチャーややる気ある人が集まってくる業界が前提な話な部分もあり、現状維持を求める人が多い職場だと、組織が立ち行かなくなるリスクも感じる。良い要素だけ取り入れ、空回りしないように改善していきたい。
はじめに
★個人を責めるか仕組みを責めるか、感情が出てしまいそうなときは「とにかく仕組み化」という言葉を心の中でつぶやく
・大きなことを成し遂げるには組織あっての個人
・古い仕組みを新しい仕組みで壊す。誰かがその責任を引き受け変えなくてはならない
・いかなる時も性弱説を前提に。「簡単な行動」と「逃げられない習慣」を結びつけておく
・組織を変えていく人になる。愛着を手放し孤独を受け入れる
序章
★他者からの明確な仕組みがあって初めて仕組みは機能する
・人は楽な方に流れる。できない人に合わせて仕組みを作る
・仕組み化の大前提は機嫌を守る。締切が絶対であることを徹底
・マネージャーはルールを決める、属人化を防ぐ立場
★全員の納得という呪縛から逃れる。「ちゃんと成長したい人が成長出来るかどうか」
(まとめ)
1性弱説を前提に考える
2組織はほっておくと属人化する
ステップ1 「責任と権限」を手に入れる
ステップ2「危機感」を利用する
ステップ3「比較と平等」に気をつける
ステップ4「企業理念」を再認識する
ステップ5「進行感」を感じる
第1章 正しく線を引く「責任と権限」
・自分の責任において、感情ではなく情報で意思決定をする。守ってない人には指摘し、知らない人には伝え、言った言わないを起こさない
・良い権利…明文化されている 悪い権利…既得権益
★過去の決まりも私を主語にして伝える
・仕組みがありメリットがあるから人は動く
・リーダーになることで責任感が育つ
・優秀さとは「仕組み」によって組織に合わせていく能力。平凡の中にも個性はにじみ出る
第2章 本当の意味で怖い人「危機感」
★ついていきたい人の本質…誰が見ても理不尽な部分がない
・危機感を生み出す仕組みをつくる「距離感」「制限時間」
・ブラック企業の特徴は、「明文化されていない」「境界線があいまいになっている」
・絶妙な危機感を与える人になる→少し高めの目標設定
・いつかラクになるというのは錯覚。成長は死ぬまで続く
第3章 負けを認められること「比較と平等」
・成長したい人を基準に据える、頑張った人に報いるのが平等
・評価はメッセージ、評価するものを明文化見極める
・暗黙知をなくす、平等を保つ、会社の利益を優先
★人事異動は属人化の防止、1つの業務しかしてない人はリスク
・誰が担当しても同じパフォーマンスを出すことが出来るようにする
・「平等」を維持するための仕組みをつくる。モチベーに対する誤解をとき、結果で評価し、プロセスについては部下やメンバーに考えさせる
・モチベーション管理はしない。結果のみ。ダメな結果は次の具体的な行動を引き出す
第4章 神の見えざる手「企業理念」
・仕組み化は手段、「どこに向かっているか」を押さえておく
・深い腹落ちは遅れてやってくる。
・視座が異なってくることで考え方が変わるもの
・理念は現場の判断まで繋がっている
第5章 より大きなことを成す「進行感」
・「職場が変わらない」は、解像度の低い愚痴のような悩みがほとんど
・大きい組織のちっぽけな自分、チームワークが大切。そのためには「進行感が大切」
・組織が成功して嬉しくない人はいない
終章 仕組み化のない別世界
・コミュニティは1つでは無い。仕事以外では替えが聞かないオンリーワン
・仕事とそれ以外のコミュニティは混ぜるな危険!
・「ありのまま」という病。
・人間は社会を形成し、コミュニティは分かれているという事実
・「かけがえのない歯車になる」
・感情を捨てるのではなく受け入れて仕組み化
・「頼られる存在」になる
Posted by ブクログ
他の2冊と比べると軽め。
替えの効かない存在 or 社会の歯車
の解釈が新しい切り口だった。
どの環境にも適応できる人が歯車という。
替えの効かない存在に安住するのは
自身の成長を停止させている。
なるほど。
Posted by ブクログ
きちんと明文化しましょうとか基準を設けましょうという話には納得した。
ただ、適度な距離感と制限時間を設けるというのはマネジメントとしてはどうかなと思った。
もちろん部下が報告することが前提だけど、課題を早期に発見することも上司の役割だし、基準に厳しい上司に先に情報は集まらない気がする。自分が部下のときそうであったように。
割と最近読んだ本が性弱説ではない前提のものがあったからバイアスがあるかも。
また自分が著者の本を読むのが初めてで前著の話をされてもうーん…という感じだった。
Posted by ブクログ
仕事を属人化せず、ルールの明文化、徹底化を行うことで仕組みを変えていく、という思想自体は共感。しかし、良いか悪いかは別として、仕事においては人間的、情緒的部分を徹底的に排除することが善である、という部分はあまり共感できないし、仕事の効率においてはよいのかもしれないが、それって楽しいか?とふと思ってしまった。
ただ、たとえば政治とカネの問題にせよ、不祥事や不正、仕事の失敗等を「議員」個人の資質の問題に帰着させるのではなく、仕組み、ルールを変えていくということで改善させるという発想はそのとおりだと思う。(日本はコレがなかなか変わらないままなのだが。)