【感想・ネタバレ】「傷つきました」戦争 超過敏世代のデスロードのレビュー

あらすじ

ジェンダー、人種、肌の色――正しさは“属性”で決まる?
人の立場や出自で行動をジャッジし、「傷つきました」の一言で議論が終了……
歌手の髪型、ヨガの流行、日本風パーティにまで、過敏な抗議が止まらない。
文化を検閲し社会を分断する風潮は、どこへ行き着くのか?
フェミニストで反差別運動の旗手が、アメリカの議論に欠けている普遍主義の視点から、世界的ポリコレの暴走に対話の活路をもたらすエッセイ

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

かつて検閲は保守的で道徳主義的な右派のすることであったが、今日では道徳主義的でアイデンティティ至上主義的な特定の左派が行っている。
文化盗用の定義として、はじめは支配や搾取の要素が含まれていたものの、次第に失われてしまった。
反レイシズムとして、普遍的なものの名において待遇の平等を要求するフランス的なものと、アイデンティティの名において特別待遇を求めるアメリカ的なものがある。後者は、差異への権利として、ステレオタイプをより強固にし、各々のアイデンティティを競争させる。すなわち、アファーマティブアクションの恩恵を優先的に受けるべき一番の犠牲者が誰かを決めるため、マイノリティ同士が喰いあうような事態となってしまっている。
大学はあらゆる人に開かれ、異なる考え方が交流する場所であり続けなければならない。
保守陣営は、特権者たちの支配を復活させるため、単一文化主義に戻るため、好き勝手に言葉を投げつけられるようにするため、ポリコレを批判するため、代案や本当の解決策は、誠実な反レイシストからしか出てこない。

0
2023年09月10日

「社会・政治」ランキング