あらすじ
東京から流れつき、どこに行くあてもない「私」は日の当たらない蒸し暑いアパートの一室でモツを串に刺し続けた。向いの部屋に住む女の背中一面には、極楽の鳥、迦陵頻伽(カリョウビンガ)の刺青があった。ある日、女は私の部屋の戸を開けた。「うちを連れて逃げてッ」──。圧倒的なストーリーの巧みさと見事な文章で、底辺に住む人々の情念を描き切る。直木賞受賞で文壇を騒然とさせた話題作。寺島しのぶ主演の映画化も、日本映画大賞など数々の賞を受賞。
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Posted by ブクログ
主人公は自己評価が低く最初は太宰文学を読んでいるようなつまらない感じでしたが途中から状況が緊迫し一気に読み上げました。
登場人物はそれぞれキャラが立っていて印象的です。
映画ではあやちゃんを寺島しのぶが演じだそうだがかなり印象と違い残念。
Posted by ブクログ
何もしないでいるにはあまりにも長い人生だから、何か意味が見出せないと、生きることの怖さや死ぬことの怖さを受け入れられない。
血なまぐさい湿り気が漂う不快さの中で、人間の芯の部分が常に見え隠れしていた。
捨てた・失ったと言えるのは、それだけのものをはじめは持っていたということであり、その違いは決定的。そして道を分けるのはその奥底に潜んだ僅かな違いかもしれないと思う。
Posted by ブクログ
東京でのサラリーマン生活が長続きせず、故郷には帰れない生島は流れ着くように、アマ(尼崎)の狭いアパートで焼肉屋で出される臓物を串に刺しながら、裏社会の入り口に身をおいていた。
飽きもせずに暑いアパートの一室で黙々と臓物を串に刺しながら、同じアパートに住む彫眉さんとその愛人アヤさんと関わりを持ち接近し、いつしかアヤさんと心中に突き進んで行く。
社会の底辺に生きる人々を描き出す車谷長吉の文章を楽しませてもらえた。
Posted by ブクログ
文体が全体的に異臭というかそれでいて狂気と静謐さを帯びている。私とアヤちゃんの関係性と、私とセイ子ねえさんとの関係性。くすぼり、と呼ばれる連中達の中でひりひりとした私の心情がスカタンと自らを呼び、どこまでも世捨て人として落ちていこうとする。けれど、周囲の人間は私にあんたはここで生きていく人間ではないと突き放す。私はどれほどスカタンで落ちていく人間だとしても彼女や彼らにとってはインテリの観察者でしかないのだ。だから最後アヤちゃんは私との心中を未遂にしたのではないか。車谷長吉の言葉は良い意味で古臭く、アマの生活での言葉遣いが理解出来ない場面があったので、これはまたいつか再読するべき本だと思った。
Posted by ブクログ
いやもう、こら凄い。激重。どヘヴィー。ちょっと、もう、口あんぐり、としか、いいようが、、、ないな。
読んで良かった、という気はするのですが、自分みたいな根性なしは、この世界では、全く生きていかれへんだろうな、と、思うしだいです。喰われる立場になって、それこそこの小説の主人公が、毎日ひたすら作り続ける、病死した鳥や牛や豚の肉の串焼きの具になる立場やな。そう思うたのです。
関西弁?というか大阪言葉?神戸言葉?まあ、一応は、関西弁って言い方になるのか。小説内で、登場人物がしゃべるその言葉が、めちゃんこリアル。まんまそのもの、っていう、うひゃあ、これが生の言葉か、って感じ、でしょうか。読んでて、めっちゃ心地よかったです。
あと、時々、町田康さん的口調の地の文もでてきて、それも好き。町田さん、車谷さんの小説、読まはるんやろか?なんかこう、根っこの部分のすっごく深い暗いところでは、お二人は、似ている気がします。町田さんの小説のほうが、とっつきは良い?気がしますが、、、いや、んなこたあ無いか?
どアングラ、というか、どパンク、というか、まあ、激烈にスゲエものを読んだ。という感は、ありました。でも自分には、とても、この小説を語る力はないな、とも、痛感。なんでこんな世界と向き合って、表現できるんやろうなあ。おっとろしいことですよ、コレは。