あらすじ
サラリーマンは義妹の媚態を妄想し、固執する。母親は家計の足しに携帯電話を使って体を売る。初老の男たち相手にコスプレで荒稼ぎする女子大生は就職戦線で苦戦中。SMクラブに没頭し、女とプレイするための資金づくりにフリーターの男が選んだ強盗先は──。世間の雑踏にまぎれる平凡な者たちを陥れる些細なきっかけと苦悩。日常のほんの少し先にある「異界」にはまり、超絶の性に捕らわれた人間の背徳を残酷なまでに描ききった異色作品集。
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Posted by ブクログ
この小説は「白夜行」と同じ回の直木賞ノミネート作品で、白夜行の書評を読んでる時に偶然出くわしました。
内容がエロそうなのでそそりました。
はい、エロス小説が好きですから。
村上龍のコックサッカーブルースを超えるエロス小説を求め彷徨ってます。
期待を股間に、読み始めました。
この小説は、読むタイミングもはかってました。バンコク出張の飛行機の中でと決めていたのです。
もちろん昼間はしっかりと仕事をしますが、バンコクの夜を楽しむ為に気分を盛り上げる為にね。
結果、バンコクの夜を楽しむ助走にはなりませんでした。コックサッカーブルースを越える事は出来ませんでした。四編の短編集なんですが、行きの飛行機では最初の二編で読むのをやめました、まだ台湾も越えないうちにね。しかし、コレが仇になりました。バンコクに着くまでに全編読むべきだった、詳しくは後述。
くだらない小説では無いです。
それなりに面白かったです。
が、アノ不夜城を書いた馳星周がおくるエロス小説!となれば、倒錯した非日常的な常人には理解出来ない性癖の変態が酒池肉林な…って思いません?
タイトルからして「M」ですからね、これマゾのMですよ。
そんな事はなくて、ほんと日常のエロスなんですよ。
電車の中で向かいに座ってる女子大生の露わな姿をついつい妄想しちゃいそうなね。特に第1話なんてそう。
タイトル通りSMの話もありますが、コックサッカーブルースのそれと較べるとかわいいもんですわ。
日常的故に現実味があって怖い。
そこがミソですね。
コックサッカーブルースみたいな事は現実には起こりませんわ、普通。
でも、Mの中の話は誰の身にも起こり得る。
この小説を読んで身を引き締めなければならなかったんです。
助走は無かったのですが、バンコクのネオンに飛び込みました。そして、この小説の第5話になるような、私の黒歴史に燦然と輝く失態をやらかしてしまいました。思い出すのも悔しい、真っ黒に塗り潰したいバンコクの夜の出来事、今は書けません。落ち着いて笑い話になったらどこかで書きます。