【感想・ネタバレ】ガセネッタ&シモネッタのレビュー

あらすじ

もし、あなたが同時通訳者だとして、現場で突然「他人のフンドシで相撲を取る」という表現が出てきたら、どう訳します? 時間はないし、誤訳も困る。同時通訳は、次にどんな言葉が出てくるかわからない、スリル満点ストレス強烈な世界。そのストレス解消のため、国際化社会に欠かせない重職でありながら、同時通訳者の仕事には爆笑がつきもの。国際会議の舞台裏から、ロシアの小話や業界笑い話、柳瀬尚紀・永井愛氏との充実のコトバ対談まで、抱腹絶倒のエッセイ集!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

言葉やそれを使う人間に対しての愛があり、人柄を表しているように思った。
同時通訳という仕事の裏側はよく知らなかったが、必要とされる知識量と瞬発力を考えると恐ろしい。文化ごと通訳しているような奥深さがあって、ただ言語をそのまま訳すだけでは肝心なことが伝わらない可能性もあるのだと知った。
‪15年以上前の本だが、表現の幅や可能性に関しては時代や種類が変わっても共通して言えることがあるなぁと頷きながら読んだ。‬
本をもっと読みたいと思わせてくれるエッセイだった。

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2019年10月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

以前、読んだことがあるかも。あるいは、どこかに寄稿されているのを読んだか、R国関係者からエピソードとして聞かされたか、いくつか聞き覚えのある話があった。

氏は、R国関係者としては非常に身近な存在。以前の上司は大学で同期だか1年先輩だったかで、しょっちゅう「万理ちゃん、万理ちゃん」と話をしていたっけ(懐)。

読んでみて、改めて米原万理さんのパワフルな生き様、大胆、明快な物事の割り切り方が痛快だ。
言葉の表面でなく、その背後の意味を汲んで相手に伝えなくてはならない通訳という職業柄、そうした言葉の”意味”から解放される”駄洒落”が大好きだと言い放つ(同時通訳者に多いとも)。 世のオヤジギャクを発するオヤジたちも(自分も含め)、そうした意味ある日常、理屈や屁理屈にガンジガラメの仕事の日々から、ふと解き放たれる”ダジャレ”に一時の浮遊感を味わっているのかと思えば、冷たい視線を送ることなく、自虐自戒をすることもないかなと思えたりする。

また、言葉、コミュニケーションの達人ゆえに喝破する、人類の”聞いてもらいたい願望”の類推が見事だ(”懺悔せずにはいられない”)。犯人の自供を粘る刑事の話から、懺悔という仕組みを構築したカトリックの繁栄へ、そして、インターネットという怪物が人々を取り込んでいく勢いも、人類の願望を利用した”宗教的”だというクダリは、唸らされた。

言葉に、もっと真摯に向き合おう(ロシア語にも…)。

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2014年11月06日

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