【感想・ネタバレ】図書館の神様のレビュー

あらすじ

「これって青春?」「どうやらそのようですね」ーー。思い描いていた未来をあきらめて赴任した高校で、驚いたことに“私”は文芸部の顧問に! 清く正しくまっすぐな青春を送ってきた“私”には、思いがけないことばかり。不思議な出会いから、傷ついた心を回復していく再生の物語。ほか短篇「雲行き」を収録。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

 垣内君と清の距離感にとてつもなく心地よさを感じつつ一気読みしてしまった。なんとたとえたら良いか、海辺の防波堤の上を歩いてるようなそんな感覚。2人はプライベートを明かさず、明かしたら関係が壊れてしまうのかなと危なげを感じつつも、お互いを信用し潮風に身を任せるように会話を繰り広げていく。そんなやり取りがとても心地よかった。

 私にとっての垣内君と清の「それ」はなんだろう。時に全力で時に緩めながら「それ」を探しにいこうと思う。

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2025年05月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

初めは嫌な主人公だと思ったし、なかなか適当な考えで生きているやつだなあと思ったけど、文芸部の顧問として1年をすごしていく中で、少しずつ、確実に変わっていく姿をみてなんだか元気を貰えました。

淡々とした口調で主人公の気持ちが語られるから、なんだかするすると読めるけれど、自分の置かれてる環境で燻ったりせずに成長しているのはとてもすごいことだと思う。たくさん悩んで悩んで辛い事があっただろうし、お墓参りを欠かさず行っていることからも、主人公の性格が読み取れる。それはそれとして友達にはしたくないタイプかな……

垣内君とのお互いに踏み込みすぎない感じや、主人公の生徒との関わり方が面白かった。結局垣内君はなかなかドライだったし、浅見もなんだか変な関係だった。こんなに学校の先生と関わることなんてなかったけど、もっと話して見たら良かったかな?

文芸を学ぶことに意味があるのかとか、いろいろ考えることもあるけど、色々な世界を旅できるってのは凄いことだよね

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2025年02月26日

ネタバレ 購入済み

本当の神様って?

清の周りの人々との会話が心地よい。実弟と不倫相手と食事を一緒にしても、修羅場にならないのが面白い。登場人物が次々に紹介されて、世界が広がってくのが、妙に安心する。清はみんなに愛されてるなー。本人は気が付いてないかもしれないけど、本当は幸せなんだね。

#ほのぼの #癒やされる #深い

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2021年11月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

好きな言葉
「きっぱりさっぱりするのは楽じゃん。そうしてれば正しいって思えるし、実際間違いを起こさない。だけどさ、正しいことが全てじゃないし、姉ちゃんが正しいって思うことが、いつも世の中の正しさと一致するわけでもないからね」
「面白くなろう、楽しくしよう。そう思ってるんだけど、そう思えば思うほど、僕はだんだんつまらない人になってしまう。難しいですね」
「健全な人間は走らないと」
「文学なんてみんなが好き勝手にやればいい。だけど、すごい面白いんだ。それは言っておきたい。だから、僕は三年間、ずっと夢中だった。毎日、図書室で僕はずっとどきどきしてた。ページを開くたび、文学について言葉を生み出すたび、僕はいつも幸せだった。冬にサイダーを飲んだり、夏に詩を書いたり。毎日、文学は僕の五感を刺激しまくった。」
「先生の明日と明後日がいい天気であることを祈ってます。」

とても良かった。瀬尾さんのお話のぽかぽかさ!

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2025年11月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

高校で講師をする清の1年。文学部の担当になり、一人きりの部員たの交流が始まります。不倫相手、弟達とのやりとり、教師になるための勉強、不倫相手との別れなど盛りだくさんの1年ののち教師になります。自由な文学部がいいです。

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2025年02月23日

ネタバレ 購入済み

ほっとできました。

仲間の自死が、もしかしたら自分の言葉をきっかけにしたのではないか、また、周りもそのように思っているという、過酷な経験をしている主人公の、自分を見つめていく過程が、ユーモアのある表現描写と相まって、面白く読まさせてもらいました。ただ、「そして、バトンは渡された」同様、周りの人たちが、ほとんどいい人というのが、少し気になりました。現実には、そんなことあまりないはずなのに。。。自分はまだこの作品と「そして、バトンは渡された」の2作品しか読んだことがありませんが、瀬尾まいこという作家さんは、主人公にとって「いい人」以外のことは極力書かないようにしているのでしょうか。他の作品も読んで確かめていきたいです。

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2021年04月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

清の立場と今の私は似ている気がする。人を死に追いやった経験は流石にないが、浅見さんという不倫相手に翻弄され、国語教師なのに最初は文学や本に興味がなかった清が文学部の顧問をし、本から色んなことを学ぶ。何だか今の私と類似している点が多くて、共感できた。不倫相手になるということは悲しいもので、自分がしんどい時励ましてほしい時は会えないし声も聞けない。でも向こうは都合のいい時にやってくる。私もそんな日常が嫌で本を通して、登場人物の価値観や考え方に触れ救われてきた。私もいつかはこの間柄を終わらせなければならない。清のようにすぐに行動できないが、色んな本と出会い価値観に触れて、自分から手放すことができるようになるたい。

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2024年09月03日

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