あらすじ
なぜ、一般のビジネスパーソンにとって財務・会計の話は難しく感じてしまうのか?
その多くが専門家にしか必要のない高度な知識まで知ろうとしていたことに原因があります。
本書では、普段仕事をしていく上で“これだけ知っていれば大丈夫!”といったコンセプトのもと、「貸借対照表」「損益計算書」「キャッシュフロー計算書」といった財務会計の基礎知識や、「損益分岐点分析」「増し分利益」「直接原価計算」「付加価値」といった管理会計の基本について最低限のポイントをやさしく紹介していきます。
※本書は2008年1月に東洋経済新報社より刊行された『「1秒!」で財務諸表を読む方法』を電子書籍化したものです。
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Posted by ブクログ
今まで読んだ財務関係の本では、一番分かりやすかった。特にROAやROEの意味が明確で、株主への影響を意識しての中身が嬉しい。
以下、個人用備忘録。
純資産(自己資本)となる株主資本だが、株主の期待利回りは、国債金利+αとなる。そうすると、負債の調達コストよりも、純資産の調達コストの方が、高くなる。高い自己資本比率であれば、調達コストな高くなり、高いリターンを期待される。だから、高い資産利益率、すなわち高いROAが要求される。そうじゃなければ、株主が評価しないからだ。加重平均調達コストであるWACCを下げなければならない。
PPMを用いた商品企画。生産量に関わらず、利益を一定にする直接原価計算。対する全部原価計算。
Posted by ブクログ
「花王がカネボウを買収した理由」「なぜ、日産はハイブリッド・カーや燃料電池の開発が遅れているのか?」など、会計の見地からわかる各社の事情などなど、読みものとして、たいへんおもしろいと評判になりました。
Posted by ブクログ
急遽、取引先の財務諸表を読み込む必要に迫られて購入。
実践的、かつ無駄が無く、すぐに使えるので都合が良い。良書。
今まで会計に関する本は何度か挑戦したけど、経理や簿記などの専門家になるのではない限り、この本が一番いいように思う。
Posted by ブクログ
会社の経営状態を財務的な観点から考察する際に
貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書を使った経営状態の把握の仕方にはじまり、なぜ優良企業も借入金等の負債を持っているのかなどを分かりやすく解説した本です。
現在、簿記の勉強をしていますが、この勉強を今後どのように活かしていくのかというのが非常に明確に見えてきます。
財務書評から各業界のビジネスの利益構造などを読み取るなど自分にはない視点をたくさん学びとることができて大変有益でした。
メモ
手元流動性→当座比率→流動比率→自己資本比率
の順番に見ていく。
自己資本比率が高く、低いROEの会社が買収されやすい訳
→自己資本比率が高い=>LBOによる資金調達の負債を被買収企業に持たせることで高い利回りを得ることができる。
ROEが低い=>株価が低迷しやすい。
どうして優良企業も負債をしてまでお金を借り入れるのか
株式等による資金調達の調達コストは高くあげなければいけない利益は上がる→高いROAが期待される。→ROA>WACC、つまり資金の加重平均調達コストを上回る利益を上げなければいけない→WACCを下げるために金利負担の小さい負債によって資金調達を行う。(一般に銀行等からの借入金利と株主が期待するリターンは後者の方が高い。そうでないと、株主はリスクを冒してまで株式を買わずに銀行に預金するだろうから)
勉強すれば勉強するほど簿記から得られるものは大きいと思う。
仕訳自体は経理にでも行かないかぎり直接は役には立たないが、お金の流れを財務諸表のどこに位置するのかを分かるかどうかで随分と視点、視野が広がると思う。
英語の勉強と同じくらい簿記の勉強を薦める理由がよく分かる。
(これは職種に関係なく誰もが押さえておくべきことだ。)
Posted by ブクログ
この本に優る入門書は無いと思います。
ただの数値の解説ではなく、「コレが低いとどうなる可能性があるのか」、「なぜ数値が悪いのか」に対して仮説を立てることができるようになると思います。
事例がたくさんあって、わかりやすいんですが・・・
政府の話やPPMなどあっちこっちに話が飛ぶのが気になりました。
Posted by ブクログ
タイトルに関する内容は、第1章の冒頭のみに記載されています。財務諸表に関する基本的な知識がないと、そこらへんの前提説明は一切ないので、読むのに時間がかかったり苦労するかなと思います。
・1秒で確認するなら、安全性確認のために流動比率確認。
・ただし、短期的安全性としては手元流動性の方が重要。
・自己資本比率が高い→WACCも高くなる→ROA(営業利益)で高い数値を求められる→借入による資金調達を行うこともある。
・買収によるROA向上→買収防衛策にもつながる。
・ROE=ROA×財務レバレッジ。
・自己資本比率を下げる(財務レバレッジ)→ROE向上。しかし、安全性は低くなる。ROA改善によるROE改善を行うべき。。
・自己資本比率が高すぎると、借入への余裕が生まれる。しかし、投資ファンドに狙われる。投資ファンドは顧客との投資契約との関係(一定の+が出た場合ファンドの取り分となる)で、財務レバレッジを高めることで、として儲ける。
・日本にはエクソン・フロリオ条項のような買収防衛条項が法律にない。
・買収先の負債を連結化しない(自己資本比率低下)ため、子会社化しない。子会社化せずとも目的達成できる方法がある。
・IT企業は固定費低く、参入障壁も低い。ブランド力が競争力の源泉。ブランドを買うために球団を買う。
・飛行機の早割は、1機ごとの固定費は1フライトで変わらないため、損益分岐点までのお客を先に押さえてしまい利益を出そうとするため。乗る人が増えれば1人当たりの固定費を下げられる。ホテルも同様の考え方が使えるが、航空業界と異なり、競合が多いため、直前割りが発生する。逆に新幹線は競合がないので値引かない。
・売上があった時点で対応する原価も計上する。多く作ると、1個に対する固定費が下がる。たくさん作るほど、利益が出るような仕組み(全部原価計算)。しかし、BS上の在庫は増える。
・個別原価計算では、固定費を個数に応じた金額ではなく、使用期間に応じて計上する。また、売上に応じた変動費だけを引く。これによって、全部原価計算の問題を克服しようとする。個変分解は基準がなく難しい。
・しかし、公開される財務会計では費用と売上の発生時期を一致させる方を優先させる。
・小林製薬。独自技術が少ない。アイディアを生み出す必要がある。また、競争力の源泉が技術力ではなく、ブランド力のため、広告費をかける。また他社と区別し、長く売れるようにする。
・売り上げと利益を確定してからそれに合った原価削減を行おうとする。
Posted by ブクログ
実践編と企業分析編を読むために再度購入。名著です。今読み返しても第一章からWACCを取り出したりと想定読者レベルをけっこう高い所に置いているな、と思いました。
7章、8章は会計学的な思考というより経営学的なアプローチだなと思いました(内容は充実しています)。
Posted by ブクログ
「経営者は財務諸表のどの指標が気になるのか?」という問いへのアンサー本。
■内容を鑑みたタイトルの咀嚼
財務諸表を読む
→具体的に指標を見て、示唆出しをする
仕事に使える
→会社の経営に関する知識を身につける
Posted by ブクログ
財務分析の理解に不可欠な貸借対照表、損益計算書、キャッシュフローなどのトピックを章ごとに解説しており、社会人として知っておくべき会計知識を身に着けることが出来る本。
勉強になった点
3章
・
Posted by ブクログ
1秒では読めない!
2014年に発行された本書を、2016年に読んだ。発行当初の読みが見事に当たっていて爽快だった。
自己資本比率、キャッシュフロー利益率など、とても参考になった。業態ごとにカットオフ値も異なるので、実際に株取引しながら、学び続ける必要があると思った。
Posted by ブクログ
なかなか面白かった。
難しいところとちゃんと理解出来るところが半々くらいだったけど、今の自分には丁度良い負荷だと思った。
この本で覚えたこと。
・増し分利益
・未来投資ができないからリニアや第二東名は中々完成しない
・IT企業の球団買収の理由
Posted by ブクログ
仕事で使えるような財務諸表の読み方が半分、残り半分は国の財政の話です。1秒で読むべきポイントの話は第1章にしか書かれていませんでしたので、少し残念でした。
しかしその1章の内容は非常に勉強になりました。B/Sの読み方のポイントが分かりやすく書かれています。
Posted by ブクログ
小宮氏の会計の本はわかりやすい。僕はこの本で基礎の基礎を学んだ。
「一秒で会社の状態を判断するには『流動比率』をみればよい」
「売上原価とは、売れた分だけの原価(製造、仕入れ)であり売れ残ったモノは費用とならない」
といった、大事な事を教えてくれた本。
初めて読んだのは確か2008年。あれから5年経って改めて読むと、以前よりかなり理解できたので嬉しい限りだ。
Posted by ブクログ
財務諸表の簡単な見方を理解するのに適した本で、3章まで普通に読めば、後半は流し読み程度で十分だと思います。株の取引きをする際、有価証券報告書など、財務諸表を見る必要があるので、1秒で読めるようになりたいです。
Posted by ブクログ
興味があったので読みました。難しすぎるところは省いていたので、初心者でも読みやすかったです。ただ、こういうのは最新の本を見た方がいいという学びになりました。
Posted by ブクログ
1秒で読む方法は残念ながら書かれていないし、1秒に対する筆者の意識もほぼないものの、わかりやすい良本。一秒では言い過ぎだが、まとめ方がうまいので、財務諸表に立ち向かうにあたり、確実に時間短縮につながる。
Posted by ブクログ
会計の入門者向けの解説書。
ポイントを絞り、わかりやすく書かれている。
この手の入門書を、最近、沢山読んでいる。少しずつ、理解が深まりつつある気がする。
Posted by ブクログ
財務諸表の着目するポイントを示して、それに関する事例を示すことで、理解しやすかった。
賃貸借対照表→流動比率で安定性
損益計算書→労働分配率で付加価値をどれだけ生み出しているか
キャッシュフロー→フリーキャッシュフローで先行投資しているか
Posted by ブクログ
知識不足だからか1秒で財務諸表を読めるようにはなっていないかも
ただ「ROA」と「ROE」は分かりやすく説明されているので、再度読み返して勉強します…
Posted by ブクログ
財務諸表を難しく考えずに、簡単に分ることだけ読もうというコンセプトの本。経済ニュースを財務諸表から読み解くから面白い。時事的ネタがどういう意味を持つのか、経営が悪化した「だからなに!?」がわかるような気がする本。
財務諸表は大事な書類だということはわかるけれど、「だからなに!?」という印象が強い。数字は強いけれど、それだけにとらわれてはいけない。そこから客観的に事実だけを読み解くことが大事である。
アベノミクスに否定的な本だった。実体経済が置き去りにされるから危険だという。財務諸表で仕事する人らしい見解である。
異次元の金融緩和はミニバブルであり、企業が投資や事業拡大、または新規事業の勃興が起きないと意味がない。でもその気配がない日本ではお金の無駄遣いで終わるという風に見ている。たしかに。
でもだからと言って代替案を提示しているわけでもないからな。まぁこの本で書くことじゃないからいいんだけれど。
ただここから読み取れるのは、一番頑張らなければいけないのはわれわれ国民であって、財務諸表にうんたらかんたら言ってないで、一生懸命働いて、新しい事業を健全に機能させることが大事なんだろうなと思った。
そのためにも一人一人の生産性が大事なんだろう。そうやって人的資源の最適配置を行って人件費を効率化、財務諸表の健全化を達成するのがいいんだろうなって思いました。
Posted by ブクログ
題名は誇大表示だが、財務諸表を見るエッセンスを書く。BS、PL、CF計算書の財務会計だけでなく管理会計も触れてある。管理会計では増し分利益、直接原価計算、PPM、付加価値といった馴染みのない単語もカバー(知らなかったのは自分だけ?)。刊行が2008年だからトピックとなる題材が古く感じられるのは仕方ない。ちなみに冒頭の問いに対する著者の答えは流動比率(流動資産/流動負債が100%を超えているか)を真っ先に見るらしい。
Posted by ブクログ
貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー、固定費と変動費、増し分利益、直接原価計算、PPM、付加価値などの切り口で、花王等の実際の企業に当てはめながら、財務諸表のポイントを解説。
書くの、大変だったと思います。
Posted by ブクログ
・貸借対照表を学ぶ上で最も重要なことは「会社は負債が返済できなくなって潰れる」。
・より大切なのはROA(ROEは自己資本比率の調整で恣意的に操作できる)
・GDPは国内で生み出される「付加価値(売上−仕入れ)」の合計
・インタレスト・カバレッジ・レシオ 支払い金利の何倍の営業利益を挙げているか。従来は3倍
・営業キャッシュフロー:通常の営業活動で「稼ぐ」
・投資キャッシュフロー:投資への支出、回収
・財務キャッシュフロー:資金の過不足の調整、株主還元
・「実験型」組織⇔「評価型」組織
・出すべき利益から費用を算出する必要がある
・経営計画は利益からたてる
・コスト削減に関しては、まずは非付加価値活動(顧客満足に直接的に影響しない活動)から手を付けるのが大原則です。
Posted by ブクログ
会社でアカウンティング研修を受けた。研修の準備で財務諸表の基礎については理解していたつもり。
それでも、実際の研修では、誤解していたところも見つかり、ようやく関連する書籍を読む体力がついたと思えるようになり、読み始めた。
もちろん分かりやすい説明に助けられる部分が大きくあるが、前提知識を得ていることもあり、さらに理解が深められた。教科書的な内容と、実際の経済活動をつなげてくれた。
これから新聞を読む楽しみが増えたのと、本を読んで理解できない時は、潔くあきらめて、知識レベルにあった本に切り替え、再チャレンジするのが、時間効率的にも、精神衛生上もいいことがよくわかった。
Posted by ブクログ
タイトルの"1秒で財務諸表を読む"と本書の中身とはあまり一致しているとは言い難い.もし1秒だけ財務諸表を読む時間が与えられたら,まずは貸借対照表の流動比率を見て短期的な安定性をチェックしましょうという説明に対応している.
内容は,前半で財務3表の読み方を説明,後半で管理会計の説明となっている.幅広く多様な企業の実態を会計面から分析している.内容は少し高度なものも含むので,会計の知識がそんなに無い人はとっかかりをつかむくらいの気持ちで読むと良いかと.個人的には自己資本比率は高すぎてもNGというのは新鮮だった.
もし同じ筆者で財務諸表の読み方を知りたいだけであれば,"財務諸表を読む技術 わかる技術"と本書の前半部分の中身はほとんど同じなので,そちらをお勧めする.
Posted by ブクログ
財務諸表を勉強したいと思って手に取ったこの本。
最初のつかみは分かりやすかったけど、だんだんついていけなくなってしまい・・・
やはり、必要に迫られないとこういうのって身に付かないのかなあ・・・
Posted by ブクログ
財務諸表の注目ポイントについて初心者にも分かりやすく説明している本で、具体例もあって読みやすいと思いました。
財務諸表の話は主に最初の方で、全体的に幅広く財務・会計の話をしている感じでした。なので財務諸表そのものを理解したいという方にはお薦めではないかもしれません。
Posted by ブクログ
ちょっと古い「KY」→ 空気読めない
ことし話題の、「KY」→ 漢字読めない
頻繁→煩雑、未曾有→みぞゆう、措置→処置、有無→ゆうむ、
詳細→ようさい 踏襲→ふしゅう
仕事は、「KY」活動 → 危険予知活動
そして、「ZY」(財務読めない)の私は・・・。
『「1秒!」で財務諸表を読む方法』小宮一慶・著
小宮氏の話はわかりやすい。
時々、文中に(○○で注意が必要なことは第1章に詳しく書きました)と註釈がはいるがこれが、もう忘れている。
忘れるスピード以上に読み返さねば・・。
【ポイント】
21/流動比率と自己資本比率 「手元流動性」→安定性
27/純資産の調達コストは株主の期待利回り
負債の調達コストよりも純資産の調達コスト方がずっと高い
103/会社の価値=将来のCFの現在値−有利子負債 「DCF」
127/三菱商事は「総合商社」というよりは、「総合投資会社」にかわった。
(日経ビジネス12/8 イオンは、「総合小売業」→「不動産デベロッパー」「金融事業」)
158/全部原価計算と在庫
202/出さなければならない利益
「売上高−費用=利益」ではなくて、「売上高−利益=費用」
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