【感想・ネタバレ】送り火のレビュー

あらすじ

家族の幸せを思うとき、自分自身は勘定に入れない。「あの頃の父親って、ウチのお父さんだけじゃなくて、みんなそうだったんじゃないの?」女手ひとつで娘を育てあげ、いまはさびれた団地で独居する母が娘にそう呟く(表題作)。パンクロック評論で注目された青年の四半世紀後を描く「シド・ヴィシャスから遠く離れて」。大切なひとを思い、日々を懸命に生きる人びとのありふれた風景。とある私鉄沿線を舞台に「親子」「夫婦」のせつない日常を描いた胸に沁みる9つの短篇。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

新宿から郊外へと伸びる架空の私鉄「富士見線」を共通の舞台に、様々なストーリーを繋ぎ合わせた短編集。
ニュータウンに住んでいた重松清ならではの都会と廃れつつある郊外の対比が王道ではあるものの、「流星ワゴン」に似たファンタジー感がどのエピソードの根底にもある。
ただどちらかというと死者の霊や呪いなどゾッとするストーリーが多く、ハートフルなストーリーが多い重松清作品の中では意外な1冊だった。

個人的にはタイトルにもなっている「送り火」が胸を締め付けられて、悲しくも温かいお話でお気に入りでした。反対に、小さい子供ができた今、「漂流記」はファンタジーではない怖さを感じたのでしばらくは読まないと思う、、汗

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2020年05月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

◼️短編概要
01.フジミ荘奇譚
02.ハードラック・ウーマン
03.かげせん
04.漂流記
05.よーそろ

06.シド・ヴィシャスから遠く離れて★
(概要)⇒パンク時代の全盛期にライターをしていた主人公佐藤とパンクバンドのボーカルだった乱丸。20年ぶりに子供の保育園のお迎えで再会する。20年経ち2人とも過去の過激な思想の角は取れて、丸くなった大人として平凡に暮らしいていた。そこにもう1人、佐藤がかつて書いたコラムの大ファンだという男 堀田が現れる。堀田はパンク全盛期より下の世代で直接パンクを体験してないが、佐藤の書いたコラムをバイブルとして崇拝しており、パンクな生き方をしてきたらしい。結構いい大学を出てるらしいが、定職につくのはパンクじゃないとの理由で本当にフリーターとして生きてきた。そんな堀田が今のありふれた佐藤の姿を見て失望し激怒。果ては佐藤の家族を巻き込んだ復讐まで匂わせる。。だが、そんな身勝手な堀田の逆恨みに対して佐藤は怒り毅然と叱りつけた。佐藤の怒気を感じ取った堀田は怯えてどうすればいいか分からなくなってしまった。
(所感1)⇒現実を知らず文書だけを見ていると、過度に理想化され美化され過ぎてしまう。乱丸の「あいつはリアルタイムで見ていない。本で知った時にはもう誰もいなくなっていた。だから全部夢というか伝説というか憧れになっている。」「自分はぎりぎり現実を見ているから、わりとまぁしょぼいところも知っている。実際にはガキが騒いでいただけ」という台詞がリアル。文章なんてその時点のその1人視点の切り抜きに過ぎない。
(所感2)⇒養老本によく書かれている「全てのものは諸行無常で変わり続けるが、情報だけは唯一変わらない。」が分かりやすく物語に現れている。自分はもうとっくに変わっているのに若い頃に自分が書いた文書はいつまで経っても変わらない。情報とはその程度の信用度にすべき。あと安易に情報で残しすぎるのも良くないのかも。
(所感3)⇒自分も若い頃と今ではかなり思想が違うのでよく分かる。若い頃は「目標達成こそが全てだ!あらゆるものを犠牲にしてでも結果を出さなければならない!」と本気で思い込んでいた(笑)。人は変わるというのを前提に考えておくべき。この考え方は内田樹の本でも度々述べられてる。
(所感4)⇒安岡章太郎の「悪い仲間」にもあるように何かに感化せれておかしな道に進み始めたとしても、程よい所で我に帰るバランス感覚が人には必要なのだろう。この堀田はまだ帰れるがやや行きすぎてしまった。

07.送り火★
08.家路
09.もういくつ寝ると★

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2026年01月18日

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