【感想・ネタバレ】いろあわせ 摺師安次郎人情暦のレビュー

あらすじ

神田明神下に住む通いの摺師・安次郎。寡黙ながら実直で練達な職人の技に、おまんまの喰いっぱぐれの心配がないと、ついた二つの名は「おまんまの安」。そんな中、安次郎を兄と慕う兄弟弟子の直助が、様々な問題を持ち込んでくる。複雑に絡み合い薄れてしまった親子の絆、思い違いから確執を生んでしまった兄弟など……安次郎は否応なしに関わっていくことに――。五つの摺りの技法を軸に、人々が抱え込む淀んだ心の闇を、澄み切った色へと染めていく。連作短篇時代小説、待望の文庫化。(解説・北上次郎)

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Posted by ブクログ

梶よう子さんの連作短編集です。以前読んだ江戸の職人の短編集に入ってた作者の一人が、梶さんでした。良かったので読みました。
やはり良かったです。
安次郎は摺師という職人です。訳あって、家族が居らず、長五郎という摺師に拾われて、育てられたのです。いまは、一人前になり、直助という若いのに慕われてもいます。
安次郎を主人公とした人情味のある、やさしい話です。
私は昔から解説が好きなのですが、解説者と同じで、安次郎があたたかい家庭を持てたらなあと思います。
続きも読みたいですね。

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2025年07月08日

Posted by ブクログ

先に父子ゆえを読んでしまい、やっぱり続編だったと、なんか構成が出来すぎていて、当たり前におまんまの安次郎とか、子供とか出ていたんだよね。読んで直ぐに2度目の父子ゆえを読んでスッキリした。長屋の関係やお初の里や安次郎の生い立ちやおりくさんの謎が分かれば怖いものがないので。摺師の闘いで向こうの父親が負けてくれと頼みに来た時の言い放った啖呵が江戸っ子でカッコいい。あと何かある時に茶屋で語る、考えるのも良い舞台だよ。挿絵で摺師の技を使うといいかなぁと思う、文章だけでは難しいから、腕比べは読書の試験みたいだなぁと

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2024年01月23日

Posted by ブクログ

202102/良い一冊だった!実直な職人、摺師の安次郎が主人公の連作短編集。摺りの技法を冠した各話のタイトル(かけあわせ、ぼかしずり、まききら、からずり、あてなぼかし)とマッチした各物語も見事にうまくて面白い。登場人物もエピソードもコマじゃなく、ちゃんと生きててとてもよかったのでシリーズ化されたらいいのになあ。

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2021年02月13日

Posted by ブクログ

神田明神下に住む摺師の安次郎が兄弟弟子の直助が持ち込む様々な問題を摺の技法を軸に鮮やかな色に染め上げていく。

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2014年02月09日

Posted by ブクログ

梶さんの初期の頃の作品。
摺師が主人公で寡黙な職人。「いろあわせ」と言うタイトル通り、各章は摺りの技法がサブタイトルとなっている。かけあわせ、ぼかしずり、まききらら、、、。技法の説明は各章の冒頭に説明されているが、絵や写真が無いと分かりづらい。また、このサブタイトルに沿った人情物の内容だが、技法が分かりづらいので、なぜにそのような結末か、も考え込んでしまう。
出てくる登場人物は、みんなキャラがしっかりしていて生き生きしている。おっちょこちょいの弟弟子、うるさいが面倒を見てくれる長屋のお婆さん、凄腕だが人の良い長屋の浪人とか。とくに幼馴染の出戻り娘との続きを読みたいと思う。(書いた後に念のためと調べたら続編がありました・・)

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2022年08月22日

Posted by ブクログ

摺師が主人公というのは新しい。梶さん作品には、目の付け所が良いというか、ちょっと「へぇ」と思う職業(副業含む)の人がよく出てくるので、知識的にも楽しめる。
この作品であれば、版画摺りの技術のいくつかをかい摘める。
人物でおもしろかったのは、王道の(?)直助。お調子者だけど、筋の通った気持ちのいい奴です。
主人公・安次郎の性格もあって全編通して落ち着いた作品。や、事件は起こっているので、穏やかではないはずなんだけれども、何かどっしりとした、静かな優しさで包まれているような空気がずっと流れていました。

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2014年09月05日

Posted by ブクログ

この著者さんの一朝の夢より、こちらの方が好みです。
庶民の人たちの生活感があって、面白かった。
まだ続ければ続きそうなお話でした。

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2014年06月30日

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