あらすじ
「いま、ここにいない人やモノの声を聴く」──都会のへりのガケ下の町。鯨塚があるその町で、僕は〈流星新聞〉を発行しているアルフレッドの手伝いをしている。深夜営業の〈オキナワ・ステーキ〉を営むゴー君、「ねむりうた」の歌い手にしてピアノ弾きのバジ君。〈ひともしどき〉という名の詩集屋を営むカナさん、メアリー・ポピンズをこよなく愛するミユキさん──個性的で魅力的な住人が織りなす、静かで滋味深い長編小説。
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
空っぽになったチョコレート工場で町の人の想いがひとつになった。クジラの骨格標本、鯨オーケストラ、8ミリフィルムの投影、ピアノとヴァイオリンの演奏‥
読み終わりが心地良かった。
Posted by ブクログ
吉田篤弘さんの本3冊目。
どれも、ゆっくりと何気ない物語が進む、
本の中にも書かれてたけど、
現実が物語の続きなのか、
身近なところで起きてる出来事なのか、
錯覚しそうになる、身近に感じる、優しい雰囲気。
(世界はいつでも冬に向かっている)
冬のひとときの読書にぴったりです。
鯨の伝説が残る街で流星新聞を発行している主人公。
幼少期の出来事が、街のさまざまな人物を通して、
クライマックスの流星シネマに通ずる。
じんわり感動しました。
矛盾と仲良くならなきゃ人生おもしろくない
だったかな、いい台詞です。
Posted by ブクログ
鯨の話とアキヤマ君の話とオーケストラの話と…カナさん、バジ君、ハルミさん…全ての話と全ての人が個性的でありながら、主張的ではなくて静かに絡みあっていく様子に引き込まれ、ページを操る手が止まらなかった。
ファンタジーではないけれど、ファンタジーのような心地よい世界に浸りきった気分。