あらすじ
薬丸岳の新境地。
壮大なスケールで贈るエンタメ巨編!
〈螺旋プロジェクト〉明治編。
時は明治。幼なじみであった新太郎、灯、鈴の三人はそれぞれの道を歩んでいた。新太郎は呉鎮守府の軍人に、灯は瀬戸内海を根城にする海賊に、そして鈴は灯を探し、謎の孤島「鬼仙島」に辿り着く。交わることのない運命に翻弄され、三人はやがてこの国を揺るがす争いに巻き込まれていく。
友情、恋慕、嫉妬、裏切り――戦争が生む狂気の渦の中で、三人の運命が交錯する。
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※〈螺旋プロジェクト〉とは――
「共通ルールを決めて、原始から未来までの歴史物語をみんなでいっせいに書きませんか?」伊坂幸太郎の呼びかけで始まった8作家朝井リョウ、伊坂幸太郎、大森兄弟、薬丸岳、吉田篤弘、天野純希、乾ルカ、澤田瞳子による前代未聞の競作企画
〈螺旋〉作品一覧
朝井リョウ『死にがいを求めて生きているの』(本作)
天野純希『もののふの国』
伊坂幸太郎『シーソーモンスター』
乾ルカ『コイコワレ』
大森兄弟『ウナノハテノガタ』
澤田瞳子『月人壮士』
薬丸岳『蒼色の大地』
吉田篤弘『天使も怪物も眠る夜』
感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
螺旋プロジェクト8冊目。最後!
全体的に時代がどうというのはあんまり気にならなかったな。その時代について知ってるか知らないかで読みやすい読みにくいというのはあったけど。
というわけで今回は明治。
山と海の対立が局地的に異常に激しいことになってた。それぞれのトップ二人がぶっちぎりでやばいだけで、他の人達はそこまででもなかったような… 青鬼が怖いと言うよりは海賊が怖い感じだったし。海龍さんはなんか深い考えがあるのかと思ってたら特にそんなことはなかったぜ!
灯と新太郎はなんかずっと嫌な感じはあるとか言いながら割と普通に会話できてたし。
そして山と海の両方の性質を持つ平蔵が単にバーサーカーになっててよくわからなかった。長老的ポジションいなかったな。どっちかというと坂本とか宗源がそれっぽいポジションだったような。
ということで、山と海の戦いというよりはただただ憎しみ合う人間という、むしろ山族海族ほっぽって、人間って愚かだねというのがずっと起きてた。すれ違いっぱなし。実際灯と鈴と新太郎もずっとすれ違い続け、最後にようやく出会えたのに話はもうクライマックス。
それにしても灯と鈴が癒やしだった。幸せになってほしかったよ…
鈴ー!
Posted by ブクログ
螺旋プロジェクトの第4弾。
明治時代の話。
鯨という名前が出てきたり、海老沼という地名が出てきたり。名前以上の意味はなかったように思いますが、螺旋プロジェクトのつながりを感じることが出来て、感動しました。また、源三さんが「もののふの国」のあの人やってビックリ。そういえば、そうだったな、と思いました。
物語は山族が山神と新太郎、鈴。海族が灯、蒼狼と海龍。この登場人物たちの関係が入り乱れていて、今まで読んだ螺旋プロジェクトの感じとはちょっと違う感じでした。
新太郎も灯も、組織(というか一族)の裏切り者になって、海と山の対立っていう運命に逆らい抵抗していたのが印象的でした。この物語の海と山の対立のそもそもの原因は個人的怨嗟やったような感じだったので、組織に見切りをつけたのか、とも感じました。
海と山はぶつかる、っていう宿命だったけど、新太郎と灯は争いを乗り越えた穏やかさを得たような。鈴には生きていて欲しかった。鈴の死以外は明るいエンディングで良かったなと思いました。
この物語での「超越した存在」は、沙羅という幼い女の子なんですが、沙羅は荒れた海を穏やかにしたり、夢に現れて助言したり。全部解っていた感じ。ウェレカセリっぽかった(笑)。
「手をつないでみたらいい」って、カンタンだけど解っていないと言えないよなって思いました。
メチャメチャ面白かった。
引き続き、螺旋プロジェクトを楽しみます。
Posted by ブクログ
螺旋プロジェクトを読む中でこの作家さんを初めて読みました。
山族と海族の対立による若者3人の運命が、最初から最後まで疾走感をもって描かれていてとても面白かった!
まだ全時代読みきれていないけれど、1番海と山の対立が明確で、その中に葛藤も感じてよかったです。その中にも「そうだったの?」という伏線回収があり、一気読みできる爽快な読み心地でした。
この作家さんの他の作品も是非読みたいと心から思いました。