【感想・ネタバレ】シュレーディンガーの少女のレビュー

あらすじ

BMIを理由に会社を解雇された主人公の元に、政府からダイエット企画の参加者に選ばれたという通知が届く。それは“敗者は死なねばならない”というルールのデスゲームだった(「太っていたらだめですか?」)。すべての人は例外なく、65歳の誕生日を迎える前後で死ぬ。64歳になった紫は、人生の目標をほぼ達成していたが、スリの子どもから被害に遭いかけ、追いかけていったすえにその子を手元に引き取ることに……(「六十五歳デス」)。さまざまなディストピア世界を生きのびる、パワフルで勇敢な女性たちの物語。あとがきに自作解説を含む。/【目次】六十五歳デス/太っていたらだめですか?/異世界数学/秋刀魚、苦いかしょっぱいか/ペンローズの乙女/シュレーディンガーの少女/著者あとがき

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世界(ディストピア)と戦う少女たちのお話。
ちょっと難しいところもありますが、世界観の雰囲気だと思うと案外するする読めるような気がします。

特に「六十五歳デス」が最高に面白かった。本当にこういう世界が訪れそうだなという気がしてくる。
異世界数学も最高。わたし自身も数学が苦手で暗記だと思っていたので、もっと学生の頃に読めたらよかったのになと思いました。

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2024年08月26日

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ネタバレ

常に「パラレルワールドで生きる自分」を意識しながら生活してる上に、私もゾンビ大好き。
「シュレーディンガーの少女」は数年ぶりに睡眠時間を削って読んだ物語になった。

しかも、バールときた!やっぱりバールだよなぁ。
ゾンビドラマを見終わって、来たるディストピアに向けて私が用意したとっておきのツールがバール(軽量)。
日曜大工なんてしないから、いつそのバールが使われるかは分からないけど、その行為に花丸をもらったようで、すごく嬉しかったw

あまりの嬉しさに読後感がバールに全部奪われて、感想が書けない(。-∀-)

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2024年06月16日

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ネタバレ

様々なディストピアで苦境に立った少女、をテーマにしたSF短編集。物語それぞれに繋がりはないが、黒い手形の文様と「おねがい、モラヴェック」というAI起動の言葉が共通の小道具として登場する。平行世界、MCUでいうマルチバースってことなのか?

収録最後の2編「ペンローズの乙女」と表題作は結構固いSFだが、全体通して固理系の作風ながら、俺みたいな軟弱文系SFファンにも楽しめる作風で良かった。

作者はリケジョ兼業作家らしく、専業作家と違って量産はしてないようだが、既出作品は評価が高いもよう。過去作追いかけてみようかなと思う。

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2025年03月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ディストピア小説の短編集。

六十五歳デス
紫と桜のバディ。おばあちゃん、というには若い65歳の紫は、元スリだった桜に生きる術を伝える。活劇っぽい感じが良かったし、紫も桜もカッコ良かった。
65歳前後で亡くなるのが分かっていることがディストピア的ではあるけど、現実を見てみると、これって案外いろんな問題解決ができるんじゃないの?とも思ってしまいました。倫理的には問題なんだろうけど。

太っていたらだめですか?
太っている人を排除するっていうのが政府の方針だったら恐ろしい。
ただ、この政府の方針はどうかと思いますが、ストーリーとしてはおもしろかった。女性3人は生き残ったけど、男性2人はサメに食べられてしまったのか?どうなんだろ?
このエンディングはなんとなくハッピーエンドな感じ。男性2人はバッドエンディングですが。

異世界数学
世界は数学でできているってことを教えてくれるストーリー。良かった。
2次方程式の解の公式ってそういうことだったの?って。そういうことだったのか!って教えてもらいました。ま、今更感いっぱいですが(笑)。
この物語を、高校生の時に読んでいたら、高校数学が好きになっていたのかも、と思えたのが良かった。エンディングも良い感じでした。

秋刀魚、苦いかしょっぱいか
そう遠くない未来に本当に起こりそうなストーリー。
このストーリーの近未来では、フードプリンターなる料理をコピー?する機械が登場しますが、本当にこういのができそうだな。
とは言っても、失われたものを復元するのは難しいと思うので、食べ物、食材、資源、文化など大切にしたいなぁ、と思いました。

ペンローズの乙女
サヨとヨーイチの淡い恋の話。だけなら良かったんですが、このサヨは島で一番の美少女。この島では舟を新しく作るときは、美少女の命と引き換えなければならないっていう掟がある。美少女の命を神に捧げるらしい。
なんだかなあ。ヨーイチがセリフで「神は人間か」みたいなことを言っていましたが、結局そんな感じなんだろうな。たぶん権力者の都合だろうなぁと思いました。
世の中はたくさんの犠牲で成り立っているとも言えるなぁ、と思いました。

シュレーディンガーの少女
ちょっと理解するのが難しかった。
ただ、人工知能AIが格段に進化したら、友だちがいなくて寂しい思いを抱えて生きている人も救われるのでは?と思いました。
でもそういう社会は最終的に、人工知能AIだけの社会になるんじゃないの?とも思うので、それはそれで破綻してますね。
いずれにしても人工知能と人類の関係はどうなるんだろう、と考えさせられました。


「異世界数学」「ペンローズの乙女」「シュレーディンガーの少女」は数学とか理科とかの知識があればより楽しめると思いました。

手の形の痣とかイレズミ、アップリケ、ロゴマークがどのストーリーにも出てきますが、何かの比喩なのかな?内容からは読み取れませんでしたが、なんとなく意味がありそうで気になりました。

絶望的なストーリーとかエンディングばかりなのかと思いましたが、それほどでもなく、ちゃんと希望もあるエンディングのストーリーもありました。

おもしろかったです。
別の松崎作品も読んでみたいと思いました。

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2024年08月18日

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ネタバレ

奇想天外な設定が勝負のSF短編。
1.65歳デス:95%の人間が65歳の誕生日の前後半年で死亡するという設定が一番よかったがストーリーはいまいち。死亡時期がある程度きまっていたら、やりたいことリストは鉄板。
2.太っていたらだめですか?:太っていたら生きる権利はない?という設定は2番目に良かった。ストーリーはスラップスティック
3.異世界数学:2次方程式の解の公式から展開するストーリー。数学好きなら良い小説かも
4.秋刀魚、苦いかしょっぱいか:未来の秋刀魚料理のレシピはこうなるのかとううなる。ストーリーは一番好き
5.ベンローズの乙女:回転ブラックホールからエネルギーを吸い上げる種族もブラックホールがなくなれば終末を迎えざるを得ないという壮大な話と、地球温暖化で沈む南の島の物語とのブレンドはイマイチだった。
6.シュレディンガーの少女:量子力学の多世界解釈。量子力学同様、腹落ちしないストーリーであった。

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2024年12月16日

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ネタバレ

「ディストピア×ガール」短編集。

様々なディストピアの世界でたくましく生きる女性たち。

とくに以下の二作品が好きだった。

「異世界数学」
数学嫌いのエミが、なんと数学が禁じられた世界に迷い込む。

私は数学が苦手なため、著者は苦手な人のためにも分かりやすいようにと工夫したそうだが、数学に関しての描写はよくわからず正直ななめ読み…笑
けれども、現実世界は数学でできている!ということを実感させられました。

「シュレーディンガーの少女」
自分が選択した世界とそうでない世界があって、それぞれの世界には違う選択をした少しずつ違う自分が住んでいて…なんていう解釈がおもしろかった。

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2024年05月31日

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女子が多種多様な理由で理不尽に退場させられる未来を描いたライトSF短編集。一話目の「六十五歳デス」がわりと好き。

■六十五歳デス:65歳になると強制退場の世界。64歳の紫さんの潔さがいい。母性と伝承の物語。
■太っていたらだめですか?:デブコンテストで負けたら強制退場の世界。いくらなんでもありえなすぎか。
■異世界数学:数学禁止法で強制退場の世界。かくれんぼの人数問題でひっかかりそうになった。
■秋刀魚、苦いかしょっぱいか:秋刀魚が食べたくなる話。強制退場無し。
■ペンローズの乙女:生け贄で強制退場の美少女に恋する少年。ドレイク方程式。
■シュレーディンガーの少女:生き残り確率50%の量子自殺

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2023年06月02日

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【収録作品】六十五歳デス/太っていたらだめですか?/異世界数学/秋刀魚、苦いかしょっぱいか/ペンローズの乙女/シュレーディンガーの少女

「六十五歳デス」プログラムされた死が65歳前後に訪れる世界。ヒロインがかっこいい。著者は「かっこいいおばあちゃんを書きたかった」と言っているが、65歳は「おばあちゃん」ではないと思う。
「太っていたら……」肥満者を集めた公開デスゲーム。出場させられた女性たちはタッグを組んで抵抗する。
「異世界数学」数学嫌いの女子高生が、数学を禁止する異世界に飛ばされる。
「秋刀魚、……」秋刀魚が遠い過去のものとなった世界。少女は小学校の自由研究で秋刀魚の塩焼きを再現しようとする。再現方法が未来だった。
「ペンローズの乙女」フェルミパラドックスとのこと。時間軸の長い話だというが、途中からついていけなくなってしまった。
「シュレーディンガーの少女」「量子自殺」のアイディアに触発されたという。多世界解釈とあるが、これまた私には難しかった。

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2023年04月19日

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