あらすじ
たのしくて・気を遣わない・ラフな関係。
元カノと夜を共にした。ブラックな仕事に疲れた山瀬冬は、ある日大学時代の彼女・糸と再会し飲みに誘う。愚痴や昔話に花を咲かせ、こういう友達関係もいいなと思っていた矢先、酒の勢いに呑まれてやってしまった。後悔する冬だが、糸は「謝っちゃだめ」と真剣な表情で制す。「ちゃんとしようとか言わないでよ。ただ心地良いから一緒にいようよ」糸も疲れていたのだ、社会が強要する正しさや、大人としての不自由さに。こうして二人は『仕事とか恋とか面倒なことは抜きで、ただ楽しいことだけをする』不思議な関係を結ぶ。社会に疲れたアナタに贈る、癒やしとちょっとエッチな短編連作。
※「ガ報」付き!
※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
これいいなぁ。
社会人生活に疲れた元恋人同士が再会、ただ楽しい事をする、という目的で関係を結ぶ。
読んでいて心がいい具合に掻きむしられながらも独特なチル感があり、緩い空気にずっと浸っていたい気分になる。ほんのり甘くて、切なく、ピリッとした辛さもある良作である。
Posted by ブクログ
糸ちゃん(ヒロイン)の魅力が最高レベル
言葉選びも秀逸だし、自分の社会人3年目を思い出した。こんなに甘く無いけど
こういう気の置けない女友達って本当にうらやましい
これ単巻完結なんすか?という位終わりも綺麗
Posted by ブクログ
20代社会人向け。
やさぐれながらも、諦観しながらも、それでも一人の他者と向き合おうとする、自分好みの作品。
1巻だけでも満足度は高いが、シリーズを完走するのもすごく良いです。
Posted by ブクログ
現実に押しつぶされそうな冬と糸。
偶然再会した大学時代の元恋人同士である彼らが、心地よい微妙な距離感を保ちつつ、一方でお互いにゆるく支え合う、温かい物語。
社会人らしい雰囲気を纏ったしっとりした印象の、良きお話でした。
学生らしい遊びを試みるもエネルギー切れして、酒やバーやホテルにしけこむ所など、まさに若い社会人の物語。
「ホガホガする」などの独特な言葉が、初めて見る字面なのになーんとなく意図が伝わってくる言葉で、凄かったです。
それにしても、フェアリーテイル。なるー。
Posted by ブクログ
このライトノベルがすごい2023の総合8位。
ラノベってもはや何でもありなんだなと思ってしまう。ラノベと言えば、転生したとかファンタジーとか学園ものとかを連想してしまうけど、本作はぐったり疲れ切った社会人の男女が、仕事以外はちゃんとしなくてもいいじゃないかと奔放になる様を描きつつ、それでも社会や家族のしがらみに対して抗う様子が主題となっている。
疲れ切った現代人に刺さる部分はあるだろう。
いろんな関係性がなんとなく認められるようになったからといって、全てがOKではないけれど、せめて小説くらいこういった関係性も良しとしてくれという叫びが聞こえる。
ご都合主義と言われることもあるだろう。それでも誰かの小さな癒やしになるから、こうしてランクインしているんだと思う。
多様な関係性と言えば聞こえはいいけど、非難も多いだろう。しかし、二人の関係性は二人で作っていくものだから、外野がとやかく言うものでもないんだろうな。