【感想・ネタバレ】罪の轍(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

昭和三十八年十月、東京浅草で男児誘拐事件が発生。日本は震撼した。警視庁捜査一課の若手刑事、落合昌夫は、近隣に現れた北国訛りの青年が気になって仕方なかった。一刻も早い解決を目指す警察はやがて致命的な失態を演じる。憔悴する父母。公開された肉声。鉄道に残された“鍵”。凍りつくような孤独と逮捕にかける熱情が青い火花を散らす――。ミステリ史にその名を刻む、犯罪・捜査小説。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

20251015

初の奥田英朗さん、そして分厚さに圧倒されましたが読み始めたらあっという間でした。ミステリーとらいうよりヒューマンドラマな感じしますね。

昭和38年ということで自分の父が生まれた時代が舞台で、今とのギャップを感じられるのがおもしろかったです。まずお金の価値が違うし、携帯はおろか一家に一台電話のある時代じゃない。戦争から復興し、欧米の仲間入りをしようとがむしゃらだった日本、みたいなものを感じて、これが今に続いてるのかーと思ったりしました。
衝撃だったのは、身代金引渡しの時間変更を一斉に知らせられないということ。え、携帯あるじゃん?と思いましたが…ないんですよね。

昭和の警察、やくざ、事件、その泥臭さというか男たちの汗にまみれた感じがすごく良かった。
実写化の配役を語り合いたい。仁井さんのファン多そう。(笑)

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2025年10月16日

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ネタバレ



最後まで怒涛の展開であっという間に読んでしまった。

この作品は2人の主人公がいて一人が宇野寛治、もう一人が刑事の落合昌夫。双方に感情移入してしまい宇野が人を殺したとどうしても思えなかったし、殺していて欲しくないと願った。

だからこそ最後宇野が自供を始めた時、怒りよりも悲しみを感じてしまった。

間違いなく言えるのはこの宇野という存在を作った継父が一番の悪だと言うこと。

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2025年03月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

800ページを超える大作。
犯人の自供を今か今かとページを捲る度に焦らされた。
東京オリンピック前の浮き足立つ昭和38年に起きた
最悪で悲惨な誘拐事件。刑事たちの犯人逮捕への執念に感嘆した。終盤、逃走した犯人を捕まえる描写は手に汗握るほどスリリングだった。
どんなに不幸な生い立ちや環境で育ったとしても、人を殺める正当な理由には決してならない。
結末はとてもやるせない。

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2024年02月11日

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ネタバレ

後半は、怒涛の展開で読むのが止まらなかったけれど、犯人の動機や事件に至った経緯はそこまで深くなく、消化不良感はあった。

ちょうど青森旅行に行き、八甲田丸の見学もしたばかりだったので、最後の捕り物のシーンは光景を具体的に想像できて良かった。
確かに青森の朝はきれいだった。

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2025年12月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

最初から最初までひきこまれっぱなしでした。

犯人の男の生い立ちや心理描写、時代背景とその時代に生きる人たちが緻密に、かつ生き生きと描かれていた。
しかし、犯人の生い立ちはあまりにも過酷だった…。

犯人を追う登場している刑事たちの、執念の捜査に一気読みでした。

当時は携帯端末もパソコンもないし、電話だって全家庭にあるわけでもなく、まだ新幹線だって開通していない時代。防犯カメラもなく、当時の警察官たちの捜査は大変なものだったろう。

大場と落合のコンビがよかった。




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2024年11月22日

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ネタバレ

奥田さんの小説が好きです。伊良部さんではあんなに笑わせてくれるのに、これはただただ重い…でも気になってやめられない。実話をもとにしてるという感想があって、それにも驚きました。本当にあったと思うとさらにただただ辛い。
この犯人には犯人であってほしくなかったし、どこかで幸せになってほしいとも思ってたけど、ただの自分勝手だなと思った。警察には色んな人がいるけど、犯人逮捕のための執念はすごい。

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2024年07月28日

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ネタバレ

1つの大きな事件が、どうやって起きてどう解決されていくのか、ヒリヒリとリアルな描写は、ずっと手に汗握る。

ページ数は多いが、全く飽きることなく、常に展開があって、事件が転がり続ける。

高度経済成長期の日本の温度感や、警察の古い体質がとてもリアルに伝わってくる。

最後に大きな展開は無いが、どうすれば時間は防げたのか、考えてしまう。

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2024年07月16日

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