あらすじ
犯罪者の心の闇に迫る精神鑑定医。医療ミステリーの新境地!
精神鑑定の第一人者・影山司に導かれ、容疑者たちの心の闇に迫る新人医師の弓削凜。だが、彼女も心の中で重い十字架を背負っていた。
光陵医科大学附属雑司ヶ谷病院の新人医師・弓削凜は精神鑑定医を目指し、精神鑑定の第一人者と言われる影山司院長に弟子入りする。影山に導かれ、凜は統合失調症、詐病、解離性同一性障害など、様々な事件の容疑者たちの心の闇に迫る。そして凜にも、どうしても精神鑑定医にならなくてはならない秘密の事情があった。
目次
プロローグ
第一話 闇を覗く
第二話 母の罪
第三話 傷の証言
第四話 時の浸蝕
第五話 闇の貌
エピローグ
感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
ある精神障害者(と思われている)の行動が触法だが罪に問われないのか、詐病で犯罪なのか、精神鑑定の難しさと面白さがありました。四編あり、最後の話は主犯と共犯が、同一人物の中に存在しているという話。子供の頃に受けた身体的、心理的、性的な虐待が脳に与える影響はどれほどなのか。司法と医療だけの問題ではなさそうと感じました。
Posted by ブクログ
自分の主観や激情、偏った考え方を持たず、なおかつ相手の言葉が真実か否か、また、言葉の裏に隠された真実を短期間で見極める必要ある
実際の精神鑑定医がどうなのかはわからないが、決して簡単にできる仕事ではないと感じた
詐病であろうがなかろうが、自分の下した判断によって被疑者の運命が変わるのはとても怖い
犯人が精神疾患を患っていたからといって、罪が消えるわけではない。しかし刑法には心神喪失状態の患者には罪は問えないと明記されている。ならば、その罪はどこに行くのか。誰がその十字架を背負うのか。
現代日本において、人を殺すこと自体が異常である。殺人を犯す者が正常であるわけがない。ただその異常が疾患によるものか、人の心から来たものかを判断するのが鑑定医に仕事である。
この2節がとても印象に残っている