あらすじ
電灯もオイル・ランプもなく、夜がまだ謎めいていたころ、森を忍び歩く悪魔として恐れられた「精霊熊」。死者のための供物を食べさせられ、故人の罪を押しつけられた「罪食い熊」。スポットライトを浴びせられ、人間の服装で綱渡りをさせられた「サーカスの熊」。ロンドンの下水道で、雨水や汚れを川まで流す労役につかされた「下水熊」。──現在のイギリスに、この愛おしい熊たちはいません。彼らはなぜ、どのようにしていなくなったのでしょう。『10の奇妙な話』の著者であるブッカー賞最終候補作家が皮肉とユーモアを交えて紡ぐ8つの物語。/【目次】1 精霊熊/2 罪食い熊/3 鎖につながれた熊/4 サーカスの熊/5 下水熊/6 市民熊/7 夜の熊/8 偉大なる熊(グレート・ベア)/訳者あとがき/解説=酉島伝法
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Posted by ブクログ
真夜中の精霊であり、罪を食い、犬と闘い、サーカスで働き、下水処理をする熊たちの奇妙な味の8つの寓話。
イギリスでは乱獲により熊は絶滅し、さらに「熊いじめ」というブラッド・スポーツが19世紀まで行われていた、そのイギリスの作家による仄暗くユーモアたっぷりの不思議な物語たち。
ミック・ジャクソンは容赦ない。描かれるクマは悲しみを誘うけれどちっとも可愛くないし人間も泥臭くずるがしこく浅ましい。そんな熊と人間がまるで心を通わせたかと思ったときにちゃんと現実を教えてくれる。特に74頁。
こういう話を読むと「この本に出合えて良かったなぁ」と強く思います。
イギリスと言えばプーさんやパディントンの国と思っていたので熊いじめに驚きましたが、「クマのプーさん」は1926年、「パディントン」は1958年と比較的新しいキャラクターなんですね。
ミック・ジャクソンは自分にも容赦ない。
「まず第一に、ただでさえ薄い本だというのに長めの章をひとつ飛ばしてしまうとなると、この本がパンフレットに毛が生えた程度のしみったれたものになってしまうこと。」(P45)
物語にこういう語りを入れてくるの、好きです。
Posted by ブクログ
タイトルに惹かれて買った本でした。
イギリスに熊がいないことも知らずに読みました。
グレートベアに導かれてイギリスを逃れた熊たちが幸せに暮らしてほしいと願うのは、人間のエゴなのだろうと思いながら、本を閉じました。
デイヴィッドロバーツの挿絵が気に入り、他の絵も色々と見てみたいと思いました。
Posted by ブクログ
実話と寓話の境目なのか
本当の話かと読んでたら、ファンタジーになってくるし、これ嘘と思ってたら実話みたいだし
挿絵と相まって、あやふや加減と熊の可愛さで一気読みだった
精霊熊と下水熊が好き
ツーツリー島ってどこ?