【感想・ネタバレ】見えないものを見る「抽象の目」 「具体の谷」からの脱出のレビュー

あらすじ

本書は、ベストセラー『地頭力を鍛える』によって広く認知される「地頭力」や「アナロジー思考」、「Why型思考」等の思考力に関する著作で読者を獲得してきた細谷氏の最新書き下ろし。
私たちの生きる世界は、VUCAと言われる不確実で先の見えない時代に突入したと言われています。2020年初頭からコロナやウクライナ紛争など思いもよらない事態を招き、日常生活ではスマホの普及やGAFAMと呼ばれるプラットフォーマーの台頭等により、デジタルを中心とした「見えないもの」に支配されているのです。これまで、日本では「見えるもの」を作る技術を強みにしてきた企業も多く存在してきましたが、これからの時代を生き残るには、「見えないもの」をいかに見えるようにするかが鍵となります。

本書では、著者が思考力を鍛えるために用いる「具体と抽象」のテーマに当てはめながら、この「見えないもの」を見えるようにするための考え方を提供します。
いくつもの事例を読み進めることで、これまで見えなくなっていた視野が広がり、日々のコミュニケーションや仕事の計画等に関する悩みを解消するとともに、未来に向けて将来像を描くためのツールになる1冊です。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

p12 デジタル技術は私達を便利な生活んいいざなうと同時に、すぐ先のことしか考えなくなるという形で、わたした地の視野を狭めつつあります。

もうひとつ事象の関係性という抽象概念をみにくくする 
地図や時刻表、あるいは新聞では、各地点、各電車、各記事がどのように関連しつながっているか

p37 デジタル化によって私達の生活は、いつでもどこでもなんでもだれでもといういわばever化してしまった

p54 人は見えるものばかりを追いかける

p60 私達は見えるものつまり、いまあるものとか既に起こってしまったことに対しては簡単にコメントできるのですが、見えないものについて語るのは相当意識しないとできないのです

知識 見えるもの 思考 みえないもの

p64 スマホ+アプリがもたらした2つの視野狭窄

物理的、抽象的

p72 人間の見えるものに惑わされる性質

p73 見えるものは過去の投影 誰の目にも見え、正解があり不確実性がない

逆に未来は正解もなく不確実性が高い想像力や創造力の世界

p74 ベンチャー企業 未来を語る 伝統のある大企業 前例や過去の成功体験に生きる

p76 あるものからの発想 賢者の視点から物申すので賢そうにみえる 後出しジャンケン
  ないものからの発想 常にまだ起こっていない未来に向けてリスクをとった発言をし、そして行動をおこす データもエビデンスもない

p86 言葉というのは同等のものをまとめて一つに扱うという抽象化の考え方と表裏一体

p104 抽象化とは2通りに線を引くこと(境界線をひく、関連付ける)

p117 動物はイマコココレの世界 つまり現在、現地、具体的な世界でしか生きられない。

p120 朝令暮改 実はその時点での最新情報に基づいて ベストの判断をすることだ かもしれない

p128 世の中を割り切ってどこかで二分することで、多くの事象をシンプルに当てはめることができるようになる反面、単純化による歪が生じてしまう

言葉というコミュニケーションツールによって、私達はf飛躍的に自分たちの考えを共有することになったわけですが、同時に同じ数だけの誤解も生み出すことになりました。所詮言葉というのは抽象化の産物なので、人によって解釈が異なるという抽象化の根本的な特徴をひきずることになるのです

p137 0次元 正誤、白黒、善悪、勝ち負け、敵味方 2値的
1次元 比較と優劣の世界観 数値的
N次元 複数の視点で多面的にみる 多値的
無限次元 常に柔軟に対象を観察する 無限の視点


p171
確証バイアス
生存者バイアス
サンクコスト
ハロー効果
ダニングクルーガー効果 できない人ほど自信満々でできると思っている
自己奉仕バイアス 自分の成功は自分の努力のたまものであるが、自分の失敗は他人や環境のせいであるというバイアス

非対称性のバイアス
  他人のことは十把一絡げに一般化して考えるのに、自分は他人と違う特殊な存在だと思う
 他人の言い訳はしょうもないと思うのに、じぶんはしゃあしゃあと同じような言い訳をする
 私達は自分が特殊だと思うバイアスは強烈です。そしてさらに悪いことに、その痔核がないのが最大の問題点です。だからそれを他人から指摘されると、猛烈に反論したく成るのです

部分と全体のバイアス

p183 人は往々にして自分が見えている範囲が全体だと勝手に思い込み、それを無意識的に相手と同じ前提条件のもとに考えているのだと誤解してします

p185 要するに人間は、自分中心でしか物事を考えられないということ、そして自分のみているほんの一部分を全体だと思いこんでしまうことです


p196 私達は自分自身の専門家だから。自分自身のことは至近距離で見ているわけですから、ある意味視野が狭くなって当然といえます

p214 無知の無知の世界観
真ん中に既知、その外に既知の未知がある。そのそとに未知の未知があるが眼中になり

無知の知
 既知があり、その外に既知の未知があり、その外に未知の未知があると気づいている

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2023年04月24日

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