【感想・ネタバレ】キリンのひづめ、ヒトの指 比べてわかる生き物の進化のレビュー

あらすじ

高血圧なキリンの心臓、物をつかみにくい猫の手……生き物に「ざんねんな進化」はない!

ヒトとキリンは似ている動物? 見た目はまったく違うけれど、じつは骨格の構造や赤ちゃんの育て方など共通点も多くある。似ている部分に注目すると、複雑な進化の仕組みを理解しやすくなる。生き物の成り立ちを知るうえで「比較」は最も重要なのだ。手足、首、皮膚、心臓など8つの器官を通して、さまざまな動物の体に刻まれた進化の歴史をひも解く。
「キリン博士」こと人気解剖学者によるユニークな進化の話!

はじめに――解剖からひも解く生き物の進化
第1章 肺 息苦しい水中への対応策
第2章 手足 手のひらを返すヒト、返せないキリン
第3章 首 頭と肩に挟まれた隙間
第4章 皮膚 外から支える偉大な「臓器」
第5章 角 その不思議な魅力
第6章 消化器官 たくさん食べるか、無駄なく消化か
第7章 心臓 はるか遠くへと血液を運ぶ旅
第8章 腎臓 「毒」の排出を担う器官
第9章 呼吸器 酸素の取りこぼしを減らす工夫
第10章 進化とは妥協点を探ること
あとがき――自分の体を知ることは

*電子書籍版ではイラストをカラーで収録しています。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

色んな動物の進化や違いについてわかりやすく説明。
腎臓が3つのフィルターで濾過しているのは初めて知った。
こんなに若い女性が執筆しているのは驚きだった。

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2023年08月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

生物の進化、身体の仕組みに関心があり、また以前から著者のことも気になっていたので発売日に購入。
タイトルにキリンとあるが、キリンを主軸にヒトを含む幅広い動物について取り上げられている。
読みやすく、全く知らなかった生物の進化、身体の不思議についてたくさん触れられて楽しい本だった。

著者も最後に述べていたが、身体に起こる不調や変化がどのようなメカニズムで何のために発生しているかを俯瞰的に知ることで、身体の弱かった自分を認めることと、自分を大切にすることに繋がると思った。
また、身体の構造的な知識も得られて、通っているピラティスで指導される内容がより理解できそうだなあと思った(腹式呼吸と胸式呼吸の差や、ヒトの肺には筋肉がなくて、周りの肋骨や横隔膜を動かすことで結果的に呼吸に繋げている、など…)。

キリンは首を長くした結果、血圧を非常に高くする必要があったし、首の血管を細くする必要もあって良いことばかりじゃなかったとのこと。
自分は体格に対して首が長くキリンに元々少し親近感があったのだが、肩こりや冷えなど長い首によるデメリットの方が多く感じていたのでより親近感を抱いた。

最後に、退化も「進化の一部」であること、そして進化は必ずしも効率化を目指したものでなく、そのものが置かれた環境で生き延びるために生まれた変化であるという著者の主張に勇気づけられる気がした。


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2022年10月31日

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