あらすじ
ソシオテクニカル経営とは、ITシステムを単なる効率化の道具としてではなく、人々の幸せや多様なニーズをサポートするものとして捉える考え方。目指すものは生活全般の“質”の向上だ。ソシオテクニカル経営の実践に必要なのは、社会システムと技術システムの統合設計。デジタル技術を使って、一人ひとりの多様なニーズにきめ細やかに、そして優しく対応することが求められる。本書は、社会システムと技術システムの統合設計によって、デジタルトランスフォーメーション(DX)の果実が社会全体に還元されることを明らかにする。
ソサエティ5.0の実現を目指している日本だが、DXという要素が決定的に欠けている。DXは企業だけが取り組むものではなく、多様な人々の個別のニーズに合わせて柔軟にサービスを提供する体制ができて初めて実現する。DXを推進し、グローバルなデジタル競争を勝ち抜くためには、社会システム(構造、制度、人々、組織)と技術システム(タスクとテクノロジー)を総合的に検討しなければならない。
両者を統合したアプローチは、経営情報システム論ではソシオテクニカルシステム・アプローチと呼ばれてきた。デジタル社会の前と後で、ソシオテクニカルシステムのデザインの方向性はどのように変わるだろうか。本書は、この問いへの答えを提示し、今後の社会デザインに必要な基本的知識を体系的に、読みやすく紹介する。
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Posted by ブクログ
DX
計画通り、効率的に社会システムの目的実現の合理性から
社会システムの多様なニーズに応える技術システムの統合設計
=ソシオテクニカル経営
ELSI 倫理/法律/社会/課題
機能別ITガバナンス=統制から プラットフォーム型ガバナンス=協働・価値創造へ
フルーガル概念に基づく「デザインプリンシプル」
社会システムと技術システム間の約束事を示す指針
①エコシステムを作る(協働)
②効率化を超えた消費者とのエンゲージメント(体験価値の提供)
③情報とサービスのユーザー視点の個別最適化(文脈化)
④モジュール構造で顧客カスタマイズしたサービス提供
⑤データセントリックによるデータ資源化
複雑系の時代=「個」が尊重される時代 文脈を意識したサービス設計
テクノロジー受容の目的:有用性、使いやすさ、社会性
サイバーエージェント
「まず世の中に出す」「UI・UXに注力する」
ヘッドレス化 KPI設定と柔軟性
オーナーシップカルチャー/フォロワーシップも評価
モックアップでUX設計 実現したいことを仕様書に
デリバリー品質=アップデートの回数 仮説精度向上
外の人と会い、話し、相談するネットワーク力
多様性融合力、組織横断力、学び力、聞く力、連携力、オープン・フラット実践力