【感想・ネタバレ】そこにはいない男たちについてのレビュー

あらすじ

愛する夫を喪った女と、夫が大嫌いになった女──夫を突然亡くし、しばらく料理教室をお休みにしていた実日子(三十八歳)。ようやく再開した教室に、女友達に紹介されて初めて参加したまり(三十八歳)は、 夫とうまくいっていないのだと皆の前でいうが──料理教室を舞台にしたふたりの「妻」の孤独と冒険の物語。各メディアで絶賛され続々重版した長編小説、待望の文庫化。(解説・原田ひ香)

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Posted by ブクログ

ネタバレ

夫のことが嫌いなまり
最初はまりのことを傲慢でプライド高い嫌な女の人だと思って全然好きになれなかった。

突然最愛の夫を亡くす実日子
中々前に進めずにいるが、亡くなって一年、元々やっていた料理教室を再会させる。そこで元々通っていた友人の紹介でまりも入ってくる。

もっと2人は親密になるかと思ったらそんなことはなく2人の心情がメイン。

その中でも2人が2人きりで初めて話すシーン
まりは実日子にどっちのほうが不幸かしらねと問う。その答えは最後分かるのだけど。
まりはこのとき余裕もあった、実日子はまだ立ち直れずにいるので、絶対に私の方が不幸だと思っている。

その後、まりは夫のほうから離婚を言われ
ここからまりのことを理解出来る様になる。

結局は嫌いになっているのは私の方で夫の方ではないと保険をかけていたと思う。だから夫からあなたが嫌いですと突きつけられ、本当はまりはまだやり直したかったと思う。その今までの気持ち何となく分かってすごく切なかった。
結局は愛されてこの世からいなくなるより
愛されず会える場所にいるけど、もう交わることもなく自分の存在を見てくれることもないことが分かる方が切なく、中々前に進むことができない気がする。
まりのいっていた前より夫の存在があるっていうのがきつい。

実日子は最愛の亡き夫を忘れることなく受け入れ、そして新たに前に進んでいって幸せを見つけようとして良かった。

2人の幸せをすごく祈った本だった。

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2022年07月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

心がざわざわする。結婚をしたけれど夫のことが嫌いで、「いない」ようなものとして生活するまりと、
夫を突然亡くしてしまい、文字通り夫が「いない」実日子の2人のストーリが軸で進んでいく。

女だから共感できるのか分からないけど、短い文章で的確に女性の気持ちを表現されていて、ものすごく心がざわざわした。

だいきらいだったはずの夫から離婚を切り出されて、
だいきらいだったのではなく、ずっとだいきらいでいたかったのだと気づく場面なんて、、、
なんだか心当たりがある感情で本当に参る。

あと、解説にもあったけど、本当に料理のセンスが良くて美味しそうで。
作中のレシピ公開してほしいです。笑

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2024年08月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

公私共にずっと夫と過ごしており、夫が嫌いなまり。
突然夫が亡くなった料理家の実日子。
まりが実日子の料理教室に行くことから話ははじまる。

ひどく食欲を掻き立てられる一冊だった。
食べたい料理がたくさん。
イメージが浮かぶような料理なのに、少し手が込んでいるから誰かが作ったこの料理を食べたい気持ち。

夫が存在しているけど、自分の中ではいないものとして考えているまりと、夫はいなくなってしまったけど、自分の生活の中で夫を感じる機会の多い実日子が対象的に描かれている中、エンディングでは二人の立場がクロスするというのが面白かった。

解説にある「きれいな大人の女性の前に立った、無粋な女の子のような気持ち」がしっくりきた。

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2024年07月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

一緒に生活してるけど大嫌いで、いない様な夫と、心の中にはずっといるのに現実世界にはいなくなってしまった夫。
これからの人生でどっちも起こり得るから、他人事とは思えない。

女性側からしか語られてないから、いったい何でそんなことしようと思ったのかわからないし、何なら聞いてみたい位だけど、まりの夫の突然子供を作ろうと言い出す→関係が良くなった様な態度→離婚というこの行動が嫌すぎた。

あとがきで原田ひ香さんが書いてる通り、出てくる料理はメニュー名見ただけでとっても美味しそう。

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2023年10月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

久々にミステリーじゃないものを読んだ。
状況は違えど、恋愛のことで悩んでる同士だと「どちらの方が不幸なのか」と比べてしまうけど、最後どうなるかはわからないなあと。
マリの気持ちはすごくわかった。今一緒にいる相手のことほんとに嫌いなはずで浮気もするけど、それは相手は自分のこと嫌いじゃないだろうとどこかで信じたいからそうしてしまう。慣れから嫌いになって、いざ手を離れるとなると惜しくなる。終わりが近づくにつれて今こう言えば終わらないかもと思うけど、もう遅いこともわかっているし、今まで嫌いだったぶんの意地も張ってしまう。そんな感じなのかなと、自分と重ねて考えてしまった。
マリの気持ちにすごく入ってしまったぶん、実日子には少しイラついた。確かに最愛を人を亡くすというのは辛く悲しいことで、次に好きな人が出来たとしても必ず最愛の人を思い出してしまうから、余計に辛いのはわかる。まだ身近な人の死を経験してないからかもしれないけど、どこか他人事のように感じてあんまり感情移入はできなかった。

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2022年08月12日

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