【感想・ネタバレ】パン焼き魔法のモーナ、街を救うのレビュー

あらすじ

ネビュラ賞・ローカス賞など5賞受賞の異世界ファンタジイ パン屋で働く14歳のモーナはパンと焼き菓子限定の魔法使い。でも、店で死体を見つけたことで、街を揺るがす騒動に巻き込まれた!

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

匿名

ネタバレ 購入済み

かわいい表紙とは裏腹に重い!

可愛らしい表紙なのに中身はとても重たいファンタジーです。
パンに関する魔法しか使えないモーナ。それはクッキーを動かしたり、パンをふっくらさせたりなどにとどまっていたのですが、「魔力持ち」と呼ばれる人たちが次々暗殺される事件が起きてすべてが一変します。
命を狙われ逃げ回るモーナ。もう優しい日常には戻れない。魔力持ちはどんどん逃げるか殺されるかでいなくなる。なのに、残虐な敵が街に攻めてくることになった。モーナはどうする、というハラハラする内容です。
英雄になんかなりたくない、どうして大人がしっかりしていないの!というモーナの叫びが突き刺さる作品でした。

#泣ける #ドキドキハラハラ #深い

0
2024年12月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

あらすじだけを読むと、ラノベのような親しみやすさだが、実はとても深い物語。

十四歳の魔法使いモーナは、パンと焼き菓子にだけ魔法をかけることが出来る。叔母タビサのパン屋で働いている彼女は、ある日、店に少女の死体があるのを見つけた。異端審問官のオベロンは、モーナを犯人と断定するが、女公のとりなしでモーナは釈放される。だが、それはオベロンの陰謀の始まりだった。彼は女公の目を盗んで街から魔法使いを一掃し、傭兵集団カレックスを街に引き入れようとしていたのだ。
カレックスの集団が街に迫る中、女公の軍隊はオベロンの奸計ではるか遠くに遠征中。街にいる魔法使いはモーナただ一人。
モーナはパンと焼き菓子だけに使える魔法で、街を守ろうとする。

ネタバレになるが、異端審問官オベロンは二度、街を危機に陥れる。城にいる時に女公を傀儡にしようとした時と、それがバレて追放されカレックスと街を襲撃した時だ。
一度目はモーナが女公に知らせたおかげで計画はご破算になり、モーナは街の人々から英雄モーナと呼ばれるようになる。
二度目は、最初から英雄と呼ばれてみんなから頼られ、できるかどうか分からないまま、女公に力を貸すことになる。街を、パン屋を、愛しているから。

この「英雄」という存在を、作者はものすごく注意深く描こうとしている。
英雄になんかなりたくなかった。そう、モーナは何度もつぶやく。特に一度目の危機から街を救った後、みんながモーナに会いたいとパン屋に押し寄せた時に彼女は叔父さんに訴えている。
本当は、大人たちが陰謀を止めるべきだった。大人たちが自分のやるべき仕事をやっていれば、モーナが女公に知らせるために危険を冒さなくても良かった。自分たちを英雄にしたのは、大人たちの怠慢であると。

モーナの叔父も昔、軍隊の上官たちの私欲のせいで、餓死しかけたという。だが、彼らは戦争が終わった後、自分たちに勲章を与えて英雄にすることで真相を解明する手間を省いた。英雄という存在は、権威あるものに便利に使われる。でなければ、なんで英雄なんてものが存在するんだ?

そして、最大の「英雄」、馬運びのモリー。
彼女の最後の魔法は、読んでいて言葉を失うほどだった。
彼女が「もう一人いるよ」と言って、モーナの傍らに現れた時、胸が震えた。

これからモーナは軍や女公とどう付き合っていくのだろう。英雄になんかなりたくないと言ったモーナを、私はずっと忘れないと思う。

0
2025年07月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

自分にできることなんて......とくすぶっていたモーナが、街の危機に巻き込まれるうちに否応なく魔術師として覚醒。
自己肯定感低めの人はこのあたりで共鳴して胸熱くなりそう。

よくある「味方だと思ってた人がじつは黒幕」みたいな読者への裏切りがまったくない(たぶん)のも好き。

0
2024年07月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

タイトルと装幀に似ず意外とシリアスな戦いの物語。
外敵と通じて国を売ろうとしたあの大臣はなんでそんなことしたんだっけね。
いわゆる権力欲というやつなのか。なんか逃げ延びてるし、続編がありそうではある。
ジンジャーブレッド人形かわいい。パン種のボブはキモカワ?(笑)

0
2022年10月03日

「SF・ファンタジー」ランキング