あらすじ
小泉八雲とセツ。2人の奇跡の出会いが、異文化を乗り越え、『怪談』を生みだした。
ギリシア生まれのジャーナリスト、ラフカディオ・ハーンと上士の血を引くセツ。2人の宿縁の出会いと文学作品に結実するまでをドラマチックに描く。日本に憧れ東京に上陸したハーンは、英語教師として松江に赴任、誤解からヘルン先生と呼ばれるようになる。版籍奉還により生家は財産を失い、働く場も失ったセツは旅館に滞在中の異国人の女中として奉公する。はじめは会話にも不自由するが、ハーンの日本男性にはない優しさ、セツの武士の娘である毅然とした佇まいに互いに惹かれあうようになる。あるときセツの語る説話にハーンが高い関心を示した…。こうして奇跡的に出会った二人が愛を育み障害を乗り越え、『怪談』を世界に発表する。
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TVドラマを楽しみにしています。今を切に生きるセツ。無理など有りません、無理は自分の心が作る物、無理だと思はなければ何でも、出来る。今を節に生きるセツ。PSわたしの生まれ育った松江を沢山の人に来て知って貰いたい。「町も人もこげにえ〜とこが沢山有るけん」
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小泉セツという女性の強さが泣ける。
没落した武士階級の家に生まれたセツが、一人身を粉にして働き、屈辱に耐え外人の妾になる覚悟を決める場面は胸が熱くなった。
一方、ヘルンは誠実な紳士で、セツが併せ持つ武家の娘としての嗜み、苦労人としての庶民感覚に気づいて評価できるところに好感が持てる。
また、日本文化に強い関心を持ち、初めて見る日本に逐一感動する様子にこちらもわくわくした。
当時の外国人からしたら日本は別世界であっただろうからその衝撃はすごかっただろうな。
パリ万博に影響を受けた人の中にはゴッホら画家だけではなく小泉八雲のような作家もいたとは、パリ万博の功績は大きい。
ヘルンがなぜ小泉八雲になったかの理由も素敵だなと思った。
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作家 小泉八雲さんになるまでの物語なのですが。
外からの視点で改めて自国や自分達を理解していく過程が美しく優しく愛しく書かれています。
他の人、国との出会いがこういうものであって欲しい…
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小泉八雲とその妻セツの話。
まず、とても読みやすかった。歴史物、史実ものは人が練ったプロットではないので、展開があまりなかったり、状況説明続いて眠くなったりするのに、これはサクサク読めて、そこに感動した。NHKの篤姫や江の脚本を書かれた方だそうで、状況見えるような話の流れに大河の脚本家かぁ、と納得しました。…とここまで書いてからググったら、これもNHKでドラマ化されてました。
小泉八雲の生き方を全く知らなかったので、勉強になりました。明治維新の頃の武士の生活も垣間見れます。
ちょっと難しいのと、妾という単語でてくるので、中学校以上。児童向け小泉八雲伝記をよんでみたくなりました。
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本書を書いたのは脚本作家でもある田渕久美子さん。主に大河ドラマや連続テレビ小説などを執筆されており、本書でもそういった文章の味が出ている。例え松江に行ったことがない人でも昔ながらの松江の風景が頭の中に鮮明に浮かばれてくる。ストーリーとしては、非常にわかりやすく思わず感情移入してしまいそうになるようなタッチで描かれている。いつか本書を参考にNHKの連続テレビ小説になって欲しいと願うばかりである。
なお、本書は私の浅い読書経歴の中でも簡単にイッキ読みした本でもある。気づいたら1日で読み終わってしまった。いつか松江にある小泉八雲記念館にも訪れてみたい。
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明治の世となって数年。人々の思想も身分制度もことごとく覆され、誇り高き武士たちは行き場を失くし時代に取り残されていた。
そんな時代の松江藩が舞台の物語。
小さな頃から物語を聴くことが大好きだったセツ。武家の娘として蝶よ花よと大切に育てられてきた。
そんなセツの家も時代の波にもまれ没落。セツは家族を養うため身を粉にして働かざるを得なくなる。
一方、東の果てにある小さな島国・憧れの日本へ、新進の紀行作家としてはるばる来日したラフカディオ・ハーン。英語教師として松江の尋常中学校へ赴任する。
縁あってハーンの身の回りの世話をするため住み込み女中となったセツ。
武家と庶民、両方の感覚を併せ持つセツから得る豊富な知識と知恵が、ハーンを作家としての成功へ導くこととなる。
小泉八雲といえば怪談。
あの怪談の数々にセツがこんなにも深く携わっていたなんて。夜な夜なセツがハーンに怖い話を語り、それをハーンがワクワクしながら喜んで聴く。そんな二人がとても微笑ましかった。
ハーンによると、日本の怪談は独特で、人間くさく、哀れで、もの悲しく、心を鷲掴みにされる、という。
「見ているものと本当のことは違うのだ」何度も出てくるこの言葉の通り、日本の怪談は裏側に潜むエピソードに切ないものが多い。そんなところがハーンの心を掴んだのかもしれない。
沢山の障害を乗り越えて生まれた二人の愛。
日本に根を下ろすことを決意したハーンの心意気と、いつも誠実に懸命に生きるセツの心根に胸打たれた。セツの潔さがとてもいい。
そしてこんな時代の定まらない世の中で、「ヘルン先生」とハーンを慕ってハーンの元へと集まる松江の人々の温情と、目の前に広がる明治の松江の優美な景色や人々の暮らしぶりに清々しい気持ちになれた。
読めて本当に良かった。
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朝ドラ「ばけばけ」の小泉八雲とセツの物語。
ちょうど明治期の外国人や万博について調べていたこともあり、とても興味深く読めた
ラフカディオ・ハーンはお雇い外国人ではない。
アメリカで新聞記者をしていて、ニューオリンズの万博で日本の文化や芸術を知り日本に憧れの気持ちを持ってやって来た
元々ギリシャ生まれのアイルランド人でもあり、異文化や民俗学、昔話にも興味を持っていたのと、キリスト教が嫌いで人種的偏見の無い人でもあったらしい
一方、セツは没落した武士の娘で、働かない父と旧態依然の武士を捨てられない祖父たちの面倒をみていた
朝ドラと同じく、男たちは働かず、読んでいて腹が立って仕方がない
そんな家族は捨ててしまえ、と思うほど。
この本では出雲時代の二人と家族を描いているが、暗い話なのに暗くなりすぎず、優しく見守るような筆致で描かれているのに好感が持てる
朝ドラを見ているからどうしても俳優さんの顔がちらついてしまうのは仕方がないけど、セツはもう少し武士の娘らしく凛としたイメージだ(ドラマのおトキちゃんも好きだけど)
その後の熊本や東京での話も読んでみたいと思う。
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Audible版。朝ドラ『ばけばけ』にハマって聴いた。NHK出版ということでこれが原作かと思ったが違った。登場人物名からわかるように、より「史実」に依拠した内容となっているため、朝ドラとは大筋は同じだが細部はかなり異なる。違いを比べるのも楽しい。著者が島根県出身ということでふたりへの思い入れの強さを若干強めに感じるが、最後まで面白く聴けた。また、物語はふたりが松江を離れて熊本に旅立つところで終わっている。作者が朗読までしていることに驚いたが違和感はなかった。
【目次】
序章
第一章 お嬢
第二章 零落
第三章 アリシアとの別れ
第四章 鏡の池
第五章 運命の女性
第六章 セツの結婚
第七章 神々の国へ
第八章 盆踊り
第九章 武家の娘
第十章 ヘルン先生
第十一章 出雲大社
第十二章 すれ違い
第十三章 湖畔の家
第十四章 借金
第十五章 出逢い
第十六章 怪談
第十七章 ときめき
第十八章 誤解
第十九章 本当の気持ち
第二十章 ヘルンとセツ
第二十一章 旅立ち
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朝ドラの予習、第二段!!
ジャーナリストとして来日したラフカディオ・ハーンの家で、松江藩の武家の娘セツが住み込み女中として働くこととなる…と書くと簡単だが、これほどの覚悟だったとは(*_*)セツは強い女性だ~!
作家自身の朗読で楽しめた!
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朝ドラのばけばけが面白くて本も読んで見た。わかりやすくて読みやすい。ヘルン先生も苦労されたんだなぁー、と思った。でも、お互い言葉がわからないのに、日本の物語を書くことができたのはすごい。そして、いまの時代にお話を残してもらえたのはありがたい。
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朝ドラ「ばけばけ」が始まった。小泉八雲とセツが過ごした松江が舞台になる知り島根県民としても興奮した。小泉八雲はその名前と怪談で有名であることを少々知っている程度で生い立ちや松江で過ごした期間についてほとんど知るところない。よい機会と思い本書「ヘルンとセツ」を手にとった。
題名のヘルンについて。本名はラフガディオハーン。その呼ばれはハーン(Hearn)の綴りを誤ってヘルンと読んだことだと本書を読み明らかになる。
ギリシャ人の母とイギリス人の父を持つヘルンは幼少期に両親が離婚。祖母に育てられるがその祖母も亡くなる。家族を失ったヘルンはまだ成人前。その後は記者としてアメリカへ渡り奮闘する姿が描かれる。
セツは武士の時代が終わり文明開化の進む明治に生まれる。セツが育った稲垣家は代々士族の階級であった。しかし明治となり没落士族となったセツは正に変動の時代の真っ只中を懸命に生きた女性だ。武士の生き方を捨てられず働かない父、祖父。父が始めた商いは詐欺にあい借金を抱え生活は困窮する。セツは学業を諦め働かなければならかった。
その後ヘルンが英語教師として松江に赴任し 2人の出会いへと話は進んでいく。
ヘルンが松江で過ごした期間は1年ばかり。しかしヘルンは松江の人や暮らしを愛していたことが本書で伝わる。長年鎖国していた日本は世界との遅れを実感していた。文明開化が進み西洋文化を取り入れ世界に目を向ける日本に対し、ヘルンは日本独自の文化を大切に築いのだと伝えていた。
最後に
本書を通して2人の生い立ちに触れた今、小泉八雲記念館や小泉八雲旧居へまた訪れたい。
また、ヘルンも通った一畑薬師、月照寺、八重垣神社は有名だ。月照寺などは梅雨時期に行くと紫陽花が見事に咲く。本書を思い出しながら、また朝ドラで今後出会う2人を見守りながらゆっくり訪れたい。
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小泉八雲の妻セツを主人公に松江での二人の生活を興味深く読んだ。
とても読みやすい文章でこの本がきっかけで小泉八雲記念館まで旅をすることになった。
小泉八雲と言えば松江の印象が強かったが、滞在期間が一年ほどと知り驚いた。
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最初は、二人が別々に書かれているので(当然ですが)ちょっと、戸惑いましたが、ハーンが日本に来てからは、スムーズに読めました。
ハーンは小説家なのかと、ぼんやりと思っていましたので、びっくりしたのと同時にとても日本を細かく抒情的に表現していることに感動していました。
外国に人だからこそ出来ることなのか、とも感じました。
この二人が出会うまでのお互いの人生の、何と波乱万丈なことにもびっくり。
「日本の面影」も併せて読んで、ラフカディオ・ハーンという人に興味がわきました。
終盤、「小泉八雲」という名前についてのくだりが、とても良かったなと思いました。
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松江の美しい情景が目に浮かぶような描写の数々。
さすが脚本家だなと思わされた。
ドラマを見ているように章が展開していき、とても読みやすかった。
異国からやってきて、ここまで日本を深く愛し理解してもらっていることがありがたい。
同時に、日本という国にもっと誇りをもってもいいんじゃないかという気持ちになった。
自分の中での小泉八雲像より、かなり陽気な人物として描かれていて親しみがわいた。
いつか映像化されたらいいなぁ。
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滑稽極まりない、体面取り繕うだけのだらしない男たち。武士らしいのは女性たちばかり。「誇りとは体面を守ることではない。本物の誇りは自分の中に」「愚痴は底なしー。文句は言うただけ、たまるもんだわね」「無理は自分の心がつくるもの。無理だと思わなければ、何でもできる」「見ているものと本当のことは違う」八雲を支えた強いセツのその後も知りたくなった。
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Kuwaidanで有名なラフカディオ・ハーン。ギリシャ生まれのイギリス人で、親に捨てられ天涯孤独となったハーンが、維新ののち、生家と養子先のどうしようもない家族を背負い苦労しながら生きる没落した上士の娘、セツと松江で出会い、夫婦となって小泉八雲を名乗るまでの物語。軽く読むことができる。
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朝ドラのモデルとなった、小泉八雲とその妻セツの物語。
ヘルンことラフカディオ・ハーンが松江に導かれるかのようにやってきた物語だけでも、掘り下げれば一冊の本になりそうなくらい濃い。
一方のセツの物語も負けず劣らず濃い。
どちらも苦しさ悔しさを耐え忍んで生き抜いた強さと、そんな半生でも無くさなかった人への優しさや愛がある。
この時代に国際結婚を刷するのは大変な苦労だったと思う。男性側のハーンが帰化して婿養子になるのは大変な覚悟だったろう。
しかしそのおかげでセツの家族の理解も得られて晴れて夫婦になれたのは良かった。
それにしてもセツの家族の言動にはイライラさせられた。これをドラマでは上手く描かないと、今の時代では成功しない。脚本家の手腕に注目だ。
かつて牧野富太郎の話を読んだときもイライラさせられたが、朝ドラはそこを上手く夫婦愛の物語として表現していた。
今回はどうなるだろう。
とにかくセツの家族愛に驚かされた。
イメージと違ってハーンは松江には一年2ヶ月しか滞在していなかったが、セツを筆頭に、西田校長や学生たちや下宿の人々や松江の人々など、ハーンの後の著書に大いに影響を与えている。
残念だったのは松江から旅立つところで物語が終了してしまい、肝心の『怪談』を書く物語はなかったこと。
そこは朝ドラを楽しみにしよう。
Posted by ブクログ
オーディブルにて。
ちょうど朝ドラ「あんぱん」が終わり、次の朝ドラの原作ということだったので読んでみた。
明治時代、日本の転換期に外国人が日本で暮らすことの影響や決意を考えさせられた。ただでさえ異人とは相性の悪い武家育ちのセツが、よく周りに流されずに人と人同士としてヘルン先生と向き合えたなと思う。
しかしまあ、ヘルン先生もセツも、生い立ちが不幸すぎる…。
朝ドラのタイトルになっているような怪談話は少なめで、人生のキーになるような描き方ではなかったので、朝ドラではどう描かれるのだろうと思った。
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小泉八雲の怪談が好きでね。
父や弟のゴミっぷりと西田の都合の良すぎる体調にモヤッとしたけど…二人が幸せになれるなら何でもいいわ。
英語のプロポーズの破壊力たるや…
Posted by ブクログ
小泉八雲の妻セツの幼少期から始まる物語。小泉八雲になる前のラフカディオ・ハーンがセツと出会い結婚し、出雲から転居するまでを描く。江戸が終わり、明治維新を経て激動の時代を生きた女性を描く視点は「おしん」に通ずるところがあり、まさにNHKドラマの脚本仕立て。事実をもとにしたフィクションだが、脚色の上手さに脱帽です。