あらすじ
「強さは力」の香織と「お気楽不動心」の早苗。対照的な剣道をする相手から多くを吸収したふたりだったが、早苗は、家庭の事情で福岡の剣道強豪校に転入。そこでの指導方法は、いままで学んだ剣道とはまったく違う、スポーツを極める剣道だった。一方香織は、母校の女子剣道部で後輩の育成に精を出し、狭かった自分の世界をひろげてゆく。互いを思いつつも、すれ違う17歳。ふたりは、目指す剣道に辿り着けるか──思わず剣道が好きになってしまう青春小説、第2弾!
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香織vsならずもの高校生!?早苗が太宰府天満宮で決闘!?武士道シリーズ第2弾!
タイトル通り17歳、高校2年生となった主人公2人。
東松高校で自身の修練や後輩の育成に邁進する香織。
福岡の剣道強豪校、福岡南高校に転校するも、結果至上主義の考え方を受け入れられずに悩む早苗。
別々の道を歩み始めた2人ですが、「武士道」がテーマの今作では、それぞれが直面した問題から武士道とは何かの答えを見つけていきます。
入学当初は東松高校を敵国と考え、他の生徒は全員敵であり、団体戦の勝敗など知ったことではないと考えていたが、やがてチームの勝利を真剣に願うようになる香織。新しいチームメイトであり、福岡南高校の主力メンバーでもある、黒岩伶那の勝つためにはルールの範疇であれば手段を選ばない考え方に悩みながら、向き合い成長していく早苗。2人の姿から確かな成長を感じ取れます。
もちろん前作同様、2人の視点が交互に書かれることによる圧倒的なテンポの良さ、全国の実力者たちとの白熱の試合シーン、「……安心しろ。命までとりはしない。」などの女子高生とは思えない香織のカッコよすぎる言い回しは健在です!
活動の場が離れてしまっても、武士道という同じ道を歩んでいる2人の姿が書かれた武士道シリーズ2作目となる今作、是非読んでいただきたいです。
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Posted by ブクログ
前作、『武士道シックスティーン』を読んだのがかなり以前だったので、前作も横に置きながら、登場人物やあらすじを思い出し、確認しながら、読み進めました。
新たなライバル、レナの登場。「本当に正しい理論は、簡単に説明できると」との、ランチでのお姉ちゃんからのシンプルだけれど、深い言葉。武士と武者のちがい、武士道とは、など。なるほど、と頷く、学ぶべき内容も多かったです。
一方で、天満宮での決闘、不良を木刀で退治する場面など、情景をイメージしながら、ワクワクしながら読み進むことのできるシーンも満載。ユーモラスな心の声。主人公2人の視点が交互に入れ替わる構成など、読みやすさも抜群でした。
そして殺意を抱くほど嫌っていた吉野先生が、伝説の人だったという展開。次作、『武士道エイティーン』では、吉野先生の過去も掘り下げているようなので、また時間を見つけて読みたいと思います!