あらすじ
今日においては、ヒトこそが企業経営に残された最後の開発ターゲットである。ベストセラー『はじめての課長の教科書』の著者が、フリービット株式会社での実務経験に基づいて、人材育成プログラムの論理的な背景と、プログラム導入の実践上のポイントを概説する。経営の行き詰まりに直面している経営者や人事部、さらには自らの成長戦略を考える若手のビジネスパーソンにとって有益なヒントになるだろう。【光文社新書】
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Posted by ブクログ
成功する社員を導くのは「研修ではない」という事実
・OJTの終焉
これからの人材育成は「研修のデザイン」から「経験のデザイン」に向かう
OJT=人材の現場放置は終了する
ヒト・モノ・カネのうち、イノベーションを起こすのはヒト
モノあまり、カネあまりの時代に、ヒトが開発のターゲットとなる
人材育成の方向性は、会社ごとの「企業理念」であるべき
軸となる価値観
人材育成とは、企業理念の浸透こそある
■人材3タイプ
・積極的学習者(10%)
プロとしての自覚を持ち、習慣として学ぶ
状況に追従せず、自ら学ぶテーマを設定し、学ぶことを楽しめる
勝手に育つ人達
拡張的知能観:
自分の持っている能力は拡張的で変わりうる、成長できる、
自分の能力が高まることを実感している
・消極的学習者(60%)
役に立つことが明確な場合、報酬が十分な場合に気まぐれに学ぶ
学ぶこと自体に喜びはなく、個人的な目標を達成するだけ
この層をいかに伸ばすかが人材育成のカギ
固定的知能観:
知識は増やすことができても、自分の能力は変わらない
・学習拒否者(30%)
創造的なことが嫌いえ、言われたことだけを過去の習慣通りにこなしたい
目の前の問題の原因は常に他人にあると考える
この層の取り扱いは難しい(リソースのムダになる?)
■伸びる人材
・高畠コーチ(野球)の7項目
素直であること
好奇心旺盛であること
忍耐力があり、あきらめないこと
準備を怠らないこと
几帳面であること
気配りができること
夢を持ち、目標を高く設定することができること
・成長を加速させるもの
顧客志向を常に意識すること(社内業務であっても)
ロール・モデルを持っていること
明るく社交的であること
失敗は自分のせい、成功は運が良かったためと考える
人を見る目を持ち、他の人の力を借りること
Aクラスの人材はAクラスの人材を連れてくる
Bクラスの人材はCクラスの人材を連れてくる
つっこまびりてぃ(つっこんでもらえる能力)を持っている
・笑う機会を増やす
ガス抜き=笑う
笑うのは幸福だからではない。笑うから幸福なのだ。アラン
■育て方
人材育成デザインでは、「教えずに学ばせる」ことをめざす必要がある
人材育成の文化を根付かせることが重要
・規律と動機付け
成長をつねに意識させ、個人と組織に緊張感を与える
緊張感のない組織に成長はない
・ミラーニューロンを利用
自分の行動と、見ている他者の行動を区別せずに、
どちらでも自らを活性化させる神経細胞
ビジネススクールなど、積極的に学ぶ人が多い職場では、
ミラーニューロンの働きでより多くの人が学ぶようになる
・あるべき人材像を明確に示す
どんな能力を鍛えれば会社で認められる存在になれるか
・徒弟制度
教えなくとも、目はかける
教えると学ばないのが人間であり、自ら学ぶように仕向ける
・企業は学校になる
相互に教えあい、刺激しあう環境
・企業リーグが人を育てる
ひとつの会社だけでは学びあう環境の構築は難しい
同業の会社で育成の指標を競いあう
Jリーグの多チームによる競争がモデル
・「道真公の愛」
著者の会社の読書手当ての名称
名称に話題性をもたせることで、社内への浸透を狙う
読書をすることが学習の根幹
本を読むことが好きになれば、それだけで人材育成の半分は完成とも言える