あらすじ
今日においては、ヒトこそが企業経営に残された最後の開発ターゲットである。ベストセラー『はじめての課長の教科書』の著者が、フリービット株式会社での実務経験に基づいて、人材育成プログラムの論理的な背景と、プログラム導入の実践上のポイントを概説する。経営の行き詰まりに直面している経営者や人事部、さらには自らの成長戦略を考える若手のビジネスパーソンにとって有益なヒントになるだろう。【光文社新書】
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Posted by ブクログ
めちゃくちゃ勉強になった。今仕事で教育を重視しているのもあるけど、その意義、その必要性、その評価方法など幅広い観点で知識を得ることができた。これをうまく業務にもいかしていきたい。
Posted by ブクログ
マネージャーとしてどんなスタンスでどう部下の教育を考えるべきか、とてもわかり易く記述されています。教育はややもすれば何も考えなくても自分が受けてきたものをそのまま再現してしまいがちです。やり方を見直すにあたって一度参照するとヒントを得られるでしょう。
Posted by ブクログ
『これからの人材育成の実務は、「研修のデザイン」ではなくて、「経験のデザイン」という方向に向かいます。
ですから、実質的に「人材の現場への放置」を意味してきたOJT(On the Job Training)の時代も終わりなのです。
この点において経営戦略のギアを正しくシフトさせることができない企業は、驚くべき速度で世界中の企業から取り残されることになるでしょう。
なぜなら、これからは企業が人材に選ばれる時代に突入し、経験のデザイン含め人材育成プログラムの充実の度合いは、こうした人材が企業を選ぶときに最も重視するポイントになってくるからです。』
その通り!
ハイパフォーマーを育てるのは「研修」ではなく「経験」で、その「経験」をいかにプロデュースするかが人材育成のミッションだという主張にはげしく共感。
そして、次の方針で「経験」と「研修」を実施するのが効果的だという考えが非常に参考になった。
A群(積極的学習者)。黙ってても主体的に学習し育つ一割の社員には最適な「経験」を。
B群(消極的学習者)。働きかけがあればきちんと学ぶ六割の社員には必要な「研修」で導きながら「経験」を。
C群(学習拒否者)。学びを拒絶する三割の社員には諦めずに信じて接すること。
なかなか面白かったなぁ〜。
Posted by ブクログ
2012/08/16
自分が今、なんとなく問題意識に感じていたことを
気づかせてくれる本でした。
しかも、経験の浅い人事担当者にも
これなら取り組めそう、ということが多く書かれていました。
バックワード・チェイニングで成功体験を積ませながら
仕事を覚えていくやり方など
すぐにでも試してみたいと感じましたし、
人事の仕事は何をもって成功体験とするのか、と
考えさせられました。
Posted by ブクログ
人材育成について、新書版のコンパクトなボリュームの中に、きわめて密度の高い知見がちりばめられたお勧めの一冊。人材開発に関わる人事部等の方々はもちろん、一般のビジネスパーソンにとっても極めて示唆に富む内容となっている。
私自身も人事を専門とするものではないが、本書を読みながら何十箇所とマークをつけた。これほど内容が身に迫ってくるのは、著者の広範な知識、研究もさることながら、内容が民間企業における人材育成の実践を通じた、「口を開けば金のにおいがする民間企業ならではのリアリティー」に裏づけされているからだろう。
日々見返して、一つ一つ実行したい。
・人材育成は、「数多く生まれては消えていくアイディアを、売上の向上かコスト削減に繋がる具体的なビジネスモデルに変換するためのスキル」を高めるものになっていないとなりません。
・能力の成長には、適度な居心地の悪さが必要
・人材育成においては、組織におけるマジョリティーである消極的学習者(60%)を積極的学習者に変えていくことが重要
・顧客志向の信念が経験学習の効果を左右する。
・人脈の維持・管理において明るさと社交性に代わるような武器はない
・評判の良い人材とは、基本的に自分の責任範囲を超えて、周囲の皆のために自分の何かを長期間にわたって犠牲にしてきた人材。(=そうした犠牲は自分の個人ブランドを高めるための「投資」)
・現時点での能力や成果だけでなく、「ベストを尽くしているか」と人材の成長率を厳しく問う必要がある。
・対話=雰囲気:自由なムード+話の中身:真剣
・企業としても、人材としても、変化より恐れるべきなのは、自らのコモディティー化。
Posted by ブクログ
課長の教科書も優れていたが、本書も内容が濃く、すばらしい内容であった。とても770円で手に入るレベルのものではない。また、人材育成に関する考え方が、今までの大企業などでの使い捨て感覚のものとは大きくことなっており、新鮮な印象をうける。一度ではとても、吸収することができないので、何度も読み返し、理解を深める予定である。
Posted by ブクログ
初期にポテンシャルを見抜くのは中々難しいですが、何かしら滲み出る部分を感じとれるようになることは可能なのか。
どんな人材でも差はあれど伸びるのだろうか。
そんな疑心な今日この頃に読んでみました。
Posted by ブクログ
包括的に人材育成の方法論を整理した本。
ありそうで、なかったかもしれない。
1.何のための育てるのか
2.誰を育てるのか
3.いつ育てるのか
4.どうやって育てるのか
5.誰が育てるのか
6.教育効果をどのように育てるのか
7.教育プログラムの具体例
目次も、まるで報告書のもののように、美しい。
そして、見事に引用された古典の文章も、
キリリと光っている。
Posted by ブクログ
フリービットの話は一部で、あとは人材の育成における概念論であったが、薄く幅広く網羅されており、今の自分のレベルに合っていた。むしろそれを危ぶまなければならないか
Posted by ブクログ
だいたいこの種の本は何となく押し付けがましい感があるものだが,そういうところが感じられない.
純粋に教育や人材という視点で参考になる.
本筋とは違うが,人材育成に限らず,組織を維持・強化出来るかどうかはテクニックではなくて,思いなのかなと漠然と感じた .
Posted by ブクログ
人材育成を特に集中して行うべき「教育的瞬間」があるという指摘が興味深い。筆者は新人、部署異動直後などの「教育的瞬間」を指摘しているが、育成のために介入すべき瞬間を逃すと、一人で行き詰まり、成長のスピードが鈍化してしまう傾向があると感じた。
また、「この組織では、どんな能力を伸ばせば貢献できるのか、成功できるのか」といった若手の問いかけに答えられない組織はやがて衰退する、との指摘も興味深い。
また、新しい業務を経験させる際に、準備段階から順番に経験させるのではなく、プロジェクト完成の最終段階を最初に経験させ、成功の喜び、充実感を経験させた後で、少しずつ関わるタイミングを早めていき、最終的には準備段階から一人で切り盛りできるように育成していく「バックワード・チュイニング」という育成方法が紹介されていて、これはとても参考になった。
Posted by ブクログ
どこまで信用していい内容なのかは不明だが、1つの明確な理論が書かれていることは確か。理解して活用できるところは活用する。
1.何のために育てるのか(人材育成の目的)
2.誰を育てるのか(育成ターゲットの選定)
3.いつ育てるのか(タイミングをはずさない育成)
4.どうやって育てるのか(育成プログラムの設計思想)
5.誰が育てるのか(人材育成の責任)
6.教育効果をどのように測定するか
1.何のために育てるのか(人材育成の目的)
企業理念の浸透のため
2.誰を育てるのか(育成ターゲットの選定)
積極的学習者(10%):習慣・本性・欲望として学ぶ。拡張的知能観を持つ
消極的学習者(60%):役に立ったり報酬が合ったりする時だけ学ぶ。固定的知能観を持つ←これを積極的学習者に帰ることが重要なポイント
学習拒否者(30%):言われたことだけを過去の習慣どおりにこなしたい人々
人材の見抜き方のポイントはいろいろ例が上がっていた。ハイパフォーマーは「失敗は自分のせい」と考えるクセがあるという話に同感。
リーダーシップの「利他性」にリンクする
OJTの終焉:研修から経験へ
Posted by ブクログ
フリービット株式会社で人事を担当する著者の「人材育成」にまつわる知識やノウハウを書き散らした一冊。
非常に散漫で取り留めがないものの、何より著者のインプットが豊富で次々と新しい概念やフレームワークが出てきて、それだけで楽しめてしまう内容になっています。
「言ってることはあっちこっち飛んでるんだけどとにかく知識があるから話が面白い大学教授」に似たものを感じました。
特に「人材育成」という測定の難しいものでもKPIを設定する考え方からは大きなヒントをもらいました。
この人の作品は他のものも読んでみようと思います。
Posted by ブクログ
会社の成長には、若い人材の採用と育成が必要です。
しかし、どうやって会社を成長する人を育てる事ができるのか?
この本は、「何を目的に人を育てるのか」、「誰を育てるのか」、「いつ育てるのか」、
「どうやって育てるのか」、「誰が責任をもって育てるのか」
そして、「その成長をどうやって育成効果測定するのか」
こういった、各項目を著者の会社で実践している方法を交えながら説明しています。
人材育成には、こんな視点があるのかと参考になる良書だと思います。
Posted by ブクログ
研修のデザインではなく経験のデザイン。自発意思を持つ人材を育てる必要性(理由)、育成方法、効果測定方法についてまとめた一冊。著者の勤務先であるフリービット社の事例、図表もあり分り易くまとめられている。メモ。(1)成長とは大きくなること。能力の成長には適度な居心地の悪さが必要。誰にニーズを意識してどんな能力を高めるかという視点が必要(2)伸びる人材の共通点(高畠打撃コーチ)、素直である。好奇心旺盛である、忍耐力があり諦めない、準備を怠らない、几帳面である、気配りが出来る、夢を持ち、目標を高く設定できる、(3)意識的なアウトプット、記録をつけて経験を積むことで、何か記憶しておくべきことはないか、好奇心を持つ心構えができる。
Posted by ブクログ
色々とよいことが書いてある本です。たとえば、有能なリーダの条件として、ラム・チャランの「人を見る目」を紹介しているのですが、それは、
・ 自分よりも優れた人材を積極的に集めて活用する
・ タスクに対して能力が足りていない部下はためらいなく入れ替える
・ 人材間に発生する対立を予測し、見極め、解決する
というものだそうです。
確かに、そのようなリーダが成果を上げそうです。
ところで、2番目の部下の切捨ては、日本にはなじまない考え方かもしれません。
河合隼雄の本によると、父性原理に基づく西洋の近代社会では、「各人は自分の能力の程度を知り、自らの責任においてその地位を獲得してゆくこと」があたりまえであるそうです。
そのような、社会においては、能力不足は本人の責任であるから切り捨てて当然なのでしょう。
逆に、母性原理に基づく日本では、場に入った人に対してはその能力の有無を問わず、能力が不足しているのであれば、のーまんさんの書かれた通りみんながサポートして成長をうながしてきたわけです。
それはそれで素晴らしい社会であると私は思います。
それから、人間の能力について書かれた、
ところが人間というのは、長いこと同じ職場で同じような仕事をしていると、そうした状況にある自分自身を肯定するために、「自分の能力では、今の仕事ぐらいがちょうど良いのだ」と考えるようになってしまうものです。
もしかしたらそれは、本当の能力のたかだか20%程度しか必要としない仕事なのかもしれないのに……。
自分をあきらめない。
自分の能力を出し切るためには、まず自分で自分の可能性を信じてあげることが重要だと思います。さらに弱気になりがちな自分を、「君の能力は、そんなものではない」と叱咤激励してくれる家族や友人の存在が絶対に必要です。
といったエールや、徒弟制度に対する、
教えると学ばないのが人間という生き物なのです。
この点を考慮し、自ら学ぶようにしむける仕組みを提供するのが人材育成プログラムの本質です。この意味で、徒弟制度は非常に完成されたプログラムなのであって、とくにリーダー育成においては絶対に避けて通れないものです。
という指摘など心に響きました。
その一方で、理論紹介に留まっている部分も多く本当に役に立っているのかなぁと思うところもありました。
人材育成に興味のある方にはお勧めです。
Posted by ブクログ
人材育成を任されている方、特に人事部の方をターゲットに書かれた本だと思います。
私が本書を読んだ理由は
①育成対象となる新人ビジネスマンになる上で、意識すべきことを明確にするため。
②就活生として「人材育成」を企業を選ぶ際のものさしの一つとして活用するため。
の2点でしたが、いずれも満たすことが出来ました。
「何のために育てるのか」「誰を育てるのか」「いつ育てるのか」「どうやって育てるのか」「誰が育てるのか」「教育効果をどのように測定するのか」というバランスのとれた構成になっており、人材育成について俯瞰するにはちょうどいい一冊となりました。
以下、備忘録
◆企業の存続になくてはならない「イノベーション」はモノやカネではなく、自由意志を持っている人にしか起こすことはできない
◆人間はあるレベルを超えて選択肢を多く持つと何も選べなくなり、かえって不幸になってしまう。これを解決するのは判断の軸となる価値観の形成である。言ってみれば、価値観と言うのは多すぎる選択肢を減らすためのフィルターとしての機能を持っている。
◆伸びる人材の共通点「素直」「好奇心旺盛」「忍耐力」「準備を怠らない」「几帳面」「気配りが出来る」「夢があり、目標を高く設定することが出来る」
◆深さを求めすぎて一つのことだけをやり続ければ、視野が狭くなりすぎて応用の利かない人材になってしまう。幅を求めすぎれば専門性の無い便利屋としていつまでも上にいけない人材になってしまう。大切なのはこの深さと幅のジレンマを解消してしまう事では無くて、このジレンマを常に意識し自分の現在地に敏感になる事。
Posted by ブクログ
IT企業フリービットの戦略人事部長を務める筆者の人材育成教科書。 戦略立案は経営企画、戦略の実行は戦略的人事部の責任。 旧態然とした従来の人事部とは異なる。 日本で最も人材を育成する会社と自称するだけのことはある。 個々の内容に画期的なことがある訳ではなく、よくセミナーで聞かされる内容なのだが、ひとつのまとまりとして示されると元気が出る本。
人材の現場への放置を意味したOJTの終焉
人材育成の実務は研修のデザインではなく経験のデザイン
グローバル化で平均的職務の海外アウトソース化
規律と動機付け
成功体験を積ませつつ難易度を上げていくバックワードチェイニング。
脱皮できない蛇は滅びる(ニーチェの言葉)
Posted by ブクログ
・成功を収めているビジネスパーソンを100人集めて成功の要因を聞いたとして、共通して言えることは「彼らを成功に導いた原因は決して研修ではない」という事実だ。
・北京では研究開発をできる一流大学の人材で、新卒から3年目で年収150万円、30代前後のエース級人材でも300万円程度。英語も問題なくこなす。グローバル化の中で、日中の賃金格差は平均給与300万円を下回るレベルで均衡するだろう。
・「顧客志向」の信念が経験学習の効果を左右する。
(顧客にありがとうと言われても嬉しいと感じられない、と言っている社員。強みを発揮できる視点を探してあげれば解消できるかと思ったが、伸び悩むかな。。)
・人は教えた瞬間に学ばなくなる。人材育成は教えずに学ばせる事を目指さねばならない。
・「どんな能力を鍛えれば、この会社で認められる存在になれるのですか?」若手の人材にこう聞かれて即答できない会社は長期的にはその地位を弱めていくことになる。
Posted by ブクログ
人育てについて知りたくて読書。
退職者を卒業生と扱うのは以前在籍した外資系業でも同じだった。社員自身が自分の頭で考えて行動し会社という資産、環境を活用して自分自身の市場価値を高めていくような人作りについて述べている。今に日本は高度経済成長期の会社員とは期待されるものも求められるものが異なっていると思う。
キャリアパス、職歴は自分で切り開いくていくと必要性を感じる人材が市場価値を高めていくのだと思う。会社、組織としては自燃型人材をどう育成していくかそのための訓練、トレーニングが今後必要とされ求められると思う。
読書時間:約45分
本書はバンコクのブックオブワールドで購入しました。
(2012年1月22日完読)
Posted by ブクログ
おもしろかった。同期から借りた本。
これからの人材育成の実務は「研修のデザイン」ではなく、「経験のデザイン」の方向に向かうと考える著書。
企業における人材育成の目的は企業理念の浸透にある。
人材育成のデザインは「教えずに学ばせる」ことを目指さねばならない。
フォワード・チェイニング、ランダム・チェイニング、バックワード・チェイニング。
お勧めはバックワードとのこと。行動8から始めさせて、行動1に至る方法。
Posted by ブクログ
ちょいと育成やら研修やらのことを付け焼き刃ながら勉強しようと思いまして、いつ買ったんだか覚えてないけど、手元にあったこの本を読んでみまんた。「目次」を見ていただければわかるように、「人材育成」をテーマに、基礎からその考え方がわかるように作られている。「テキスト」を書名に掲げていることに異論反論オブジェクションはございません! ただ、「日本で最も人材を育成する会社」というのは、言わばプログラム規定的な理想であって、酒井さんは自身の勤める会社がそうなることをめざしているとのこと。そのために「企業リーグ」を立ち上げたがっている点など、ユニークな指摘・願望も見られました。
本書は、多種多様な先行研究や理論をもとに、酒井さんが理想的な「人材育成」のあり方を探求するという思索のアトとも読むことができる。そういう意味で、本書の内容はまだまだ発展途上のものと考えた方がよさそうだな。もちろん、この本だけで一つの完結性はあるわけだけれど、おそらく酒井さん自身、これで非の打ち所の無い完璧な「人材育成」ができるとは思っていないでしょうし。そんな風に考えて、本書を眺めてみると、一つの教育観として「面白いなー」と素直に思う。
そういえば、酒井さんの考えには教育学はもちろん、学校教育の理論の応用も見られる。当たり前のことだけれど、企業内教育だろうが、学校教育だろうが、根底には同じ何かが流れているに違いない。以前レビューした某セミナー講師本によって、見事に「ビジネスマンの考える施しに教育なんて存在しない」とビジネスマン不信に陥ってしまったワタクシの心をジワーッと溶かしてくれたことに、なによりも感謝を申し上げたい。
【目次】
はじめに
第1章 何のために育てるのか(人材育成の目的)
第2章 誰を育てるのか(育成ターゲットの選定)
第3章 いつ育てるのか(タイミングを外さない育成)
第4章 どうやって育てるのか(育成プログラムの設計思想)
第5章 誰が育てるのか(人材育成の責任)
第6章 教育効果をどのように測定するか
第7章 育成プログラムの具体例
主な参考文献
あとがき
Posted by ブクログ
人材育成の実務は、研修のデザイン、経験のデザイン。
ベンジャミン・ハーバーという学者はいう。
私は人間を弱者と強者 成功者と失敗者にはわけない。
学ぼうとする人としない人にわける。
学ぼうという力がみんなから起きれば、会社も変わる。
学ぶ人間が増えれば、会社は伸びる。
Posted by ブクログ
人事育成の課題と方向性はよくよく分かった。キレイゴトだけでなく、人材育成を考える立場としては耳が痛い話。ただ具体例となると今ひとつ。何とも惜しい。
・勝ち組のビジネスパーソン100名に成功の要因を訪ねても、共通点はただひとつ。「それは研修ではない」という事実。
・人材育成のデザインは「教えずに学ばせる」ことを目指さなくてはならない。
・「どんな能力を鍛えれば、この会社で認められる存在になれるのですか?」若手の人材にそう聞かれて即答できるものが準備できていない会社は長期的には力を弱める。
・人間の成長はその70%が経験によるもの。とくに「修羅場の経験」が重要。
・人材育成の仕事は常に組織横断的であり、現場の仕事よりも直近の重要性が低いために現場からすればどうしても後回しにしたくなる話。そして悪いことに、人材育成プログラムというのは導入コストは測定できても効果は測定しにくい。人材育成は、経営者の信念と継続的で強いコミットメントがなければ立ち行かない運命にある。
Posted by ブクログ
筆者のフリービット社における人材育成のノウハウと理論、その背景について纏められている。人材育成の目的、ターゲット、タイミング、プログラムの設計思想、実際の取り組み、と読み進めながら人材育成の基本から実践までを体系的に学べる
Posted by ブクログ
「日本で最も人材を育成する会社」を目指しているフリービットの戦略人事部GMの酒井氏の著書です。
冒頭で今後の日本社会では平均的なスキルの人材はアウトソースに淘汰されるという予測をもとに、人材育成の重要さを示します。
内容的には人材育成について、何のために、誰を、いつ、どうやって、誰が育てるのか、その効果をどのように測定するかを論じています。
最後に著者の会社で実際に導入している事例を紹介しています。
個別の内容については確かにその通りではあるのですが、抽象的な印象を受けます。
最後の事例についても工夫はしていると思うのですが、結局、やらされ研修になっているのではないかと感じました。
人材育成=人を育てるためにというスタンス自体にそもそも驕りがあるのかもしれません。
本人がいかにやる気を出すか、人材育成とはやる気を出させることが本質で、人材育成の方法論では問題は解決しないように思いました。
Posted by ブクログ
成功する社員を導くのは「研修ではない」という事実
・OJTの終焉
これからの人材育成は「研修のデザイン」から「経験のデザイン」に向かう
OJT=人材の現場放置は終了する
ヒト・モノ・カネのうち、イノベーションを起こすのはヒト
モノあまり、カネあまりの時代に、ヒトが開発のターゲットとなる
人材育成の方向性は、会社ごとの「企業理念」であるべき
軸となる価値観
人材育成とは、企業理念の浸透こそある
■人材3タイプ
・積極的学習者(10%)
プロとしての自覚を持ち、習慣として学ぶ
状況に追従せず、自ら学ぶテーマを設定し、学ぶことを楽しめる
勝手に育つ人達
拡張的知能観:
自分の持っている能力は拡張的で変わりうる、成長できる、
自分の能力が高まることを実感している
・消極的学習者(60%)
役に立つことが明確な場合、報酬が十分な場合に気まぐれに学ぶ
学ぶこと自体に喜びはなく、個人的な目標を達成するだけ
この層をいかに伸ばすかが人材育成のカギ
固定的知能観:
知識は増やすことができても、自分の能力は変わらない
・学習拒否者(30%)
創造的なことが嫌いえ、言われたことだけを過去の習慣通りにこなしたい
目の前の問題の原因は常に他人にあると考える
この層の取り扱いは難しい(リソースのムダになる?)
■伸びる人材
・高畠コーチ(野球)の7項目
素直であること
好奇心旺盛であること
忍耐力があり、あきらめないこと
準備を怠らないこと
几帳面であること
気配りができること
夢を持ち、目標を高く設定することができること
・成長を加速させるもの
顧客志向を常に意識すること(社内業務であっても)
ロール・モデルを持っていること
明るく社交的であること
失敗は自分のせい、成功は運が良かったためと考える
人を見る目を持ち、他の人の力を借りること
Aクラスの人材はAクラスの人材を連れてくる
Bクラスの人材はCクラスの人材を連れてくる
つっこまびりてぃ(つっこんでもらえる能力)を持っている
・笑う機会を増やす
ガス抜き=笑う
笑うのは幸福だからではない。笑うから幸福なのだ。アラン
■育て方
人材育成デザインでは、「教えずに学ばせる」ことをめざす必要がある
人材育成の文化を根付かせることが重要
・規律と動機付け
成長をつねに意識させ、個人と組織に緊張感を与える
緊張感のない組織に成長はない
・ミラーニューロンを利用
自分の行動と、見ている他者の行動を区別せずに、
どちらでも自らを活性化させる神経細胞
ビジネススクールなど、積極的に学ぶ人が多い職場では、
ミラーニューロンの働きでより多くの人が学ぶようになる
・あるべき人材像を明確に示す
どんな能力を鍛えれば会社で認められる存在になれるか
・徒弟制度
教えなくとも、目はかける
教えると学ばないのが人間であり、自ら学ぶように仕向ける
・企業は学校になる
相互に教えあい、刺激しあう環境
・企業リーグが人を育てる
ひとつの会社だけでは学びあう環境の構築は難しい
同業の会社で育成の指標を競いあう
Jリーグの多チームによる競争がモデル
・「道真公の愛」
著者の会社の読書手当ての名称
名称に話題性をもたせることで、社内への浸透を狙う
読書をすることが学習の根幹
本を読むことが好きになれば、それだけで人材育成の半分は完成とも言える
Posted by ブクログ
会社に置いてあったので、読んでみた。
(もう、最近なんでもいいから、読みたくなってきた。)
まあ、人材育成に関与する人が読むんだろうけど、
私の立場からでも、視点を変えることができてまあまあ面白かった。
こういうたぐいは、EQに始まり、立ち振る舞いの本は
少しお腹いっぱいカモ。
たぶん、私はいまさらながらとてもとても優秀な人材ではないことが
わかった。
たまたまでしょうが、最近読んだ本や記事に
「幸福論」って本が登場してきます。読んでみようかなと思います。