あらすじ
外見はマトモなのに、内実はとんでもないブラック企業。(1)「新卒使い捨て」の肉食系、(2)成長のチャンスを奪う草食系、(3)大手だけど「時給がコンビニ以下!?」のグレーカラー。今日の勝ち組も「明日はわが身、いやわが子の身」かもしれない。本書は、600人以上の転職支援をした著者の経験とキャリアカウンセラーとして内々に入手した情報に基づく。後半では転落者が再チャレンジできる方策について徹底的に検証する【光文社新書】
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産業構造自体が低賃金単純労働を必然的に発生せしめ、家計の主たる人がそこにはまりこみ雇用のミスマッチが生じていることが問題と著者は主張する。この点は評価できる。ただし、最後の問題解決としての雇用流動化は無理があるのではないかという気がする。
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ブラック企業の恐ろしさを殊更アピールするような本ではない。そういう企業を生み出す背景、勝ち逃げを決め込んでる人達が薄々気付いていても認識しないように意識してる部分、日本の硬直的な採用慣習について書かれている。
「自分だけ良ければ、他はどうでもイイ」という考えを克服しないとどうしようもない、といった人の業レベルの問題。
金儲けのために仕事してるのに、和がどーのこーのと仲良しゴッコな採用してるの見るとイライラする。
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ブラック会社にも肉食系ブラックと草食系ブラックが存在して、
肉食系は激務薄給、草食系はというと単純なルーチンワークでそこに居続けてもスキルも上がらないしおまけに転職も出来ないという恐ろしいモノ。
新卒一括採用、転職35歳限界説など今の日本をダメにしている要因を「会社組織」とリンクして書かれている。
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ブラック企業(職場)は、現代版の搾取、、、。この本が出版されたのが2010年、今はもっとブラック企業が幅を利かせているようにも思う。一企業の問題というよりも、産業構造に問題あり、という点に納得。
ただ、例に挙げられているのがエリート級ばかり。普通の人が働く場はすべてブラック企業(職場)にも思えてくるが、、、。
転職支援を目指しキャリアカウンセラーに転職した筆者の”人生のアドバイザー”ではなく、”人売り”が実態だということに言葉を失った。
Posted by ブクログ
ブラック職場のタイプ分けを試み、それぞれの状況と問題点・原因を考察している。
人をモノのように扱う経営者の思考・人件費削減等のために下請け会社を良いようにこき使う大手会社・新卒主義にこだわり流動性に欠けた雇用体制 と、徐々に問題を掘り下げていくところが面白かった。
解決策として、解雇規制の緩和による「中途採用の拡大」と「雇用枠の再分配」を論じている。
ブラック企業は社会で一つの歯車として機能しているのだから、キャリアパスのなかで一時的な修業期間として乗り越えればいいじゃないかという論調。
さりげに超ポジティブ。
Posted by ブクログ
メモ。
・ブラックには肉食(激務)と草食(単純・スキル身につかない)がある。
・草食は終盤の仕事が多い。販売、サポート、監視など。
(cf. 序盤のマーケティング・企画・受注、中盤の開発・製造)
・携帯電話の販売など、賞味期限が短いものもブラックと言える。
・替えが聞く・専門性不要の仕事も、主婦や学生ならOK。
問題は、こういう仕事にしか就けない人がいること。
・ブラック企業を支える加害者は安いものを求める消費者、元請けの大企業、下請構造そのもの。
・新卒はゼネラリスト、中途はスペシャリストが求められる。
・転職には年齢の問題が付きまとう。(日本の文化的な面。)
<筆者の提言>
・新卒者採用を辞め、既卒も含めた「若年者採用」に。
・既卒は公務員試験のようなハードルを設定する。
・新卒を減らし、中途採用を中心に。
・正社員解雇の規制緩和。
Posted by ブクログ
就職活動をする学生として、ぜひ読んでおきたいと思って購入。
ブラック企業が生まれる背景は親会社のしわ寄せを受けている、という主張だった。だから安い仕事を発注するばかりではなく、またいわゆる窓際族の雇用を守らなければいい。そしてブラック企業を変えていこう、という主張は、筆者自身が触れているが途上国と先進国の関係と同じだ。
既得権益がある者にとって簡単に手放せないだろう。それでも変えていきたいと思うのならば、圧倒的な数の力が必要だろう。つまり世論を味方につける。そのためには、まず対話が必要なのかな。それだけでは弱いよね。何が必要なんだろう。
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
外見はマトモなのに、内実はとんでもないブラック企業。
あなたの職場は、次のいずれかに該当するだろうか?
「新卒使い捨て」の肉食系、成長のチャンスを奪う草食系、大手だけど「時給がマックやコンビニ以下!?」のグレーカラー。
このような職場に苦しんでいるのは、決して若者だけではない。
いま勝ち組企業に勤める中高年も、いつ「明日はわが身、いやわが子の身」となるかもわからない…。
本書が描き出すブラック職場はフィクションではない。
その実態は、600人以上の転職支援を行った著者の経験とキャリアカウンセラーとして内々に入手した情報にもとづくものである。
後半では、転落者が再チャレンジできる方策について徹底的に検証する。
[ 目次 ]
プロローグ あなたの隣のブラック職場
第1部 キャリアカウンセラーは見た(タイプ1 肉食系ブラック職場―「新卒使い捨て」業界の現実;タイプ2 草食系ブラック職場―成長のチャンスを奪われる若者たち;タイプ3 グレーカラー職場―大手優良企業のなかの“隠れブラック”)
第2部 脱・ブラック職場―日本の雇用はなぜ「理不尽」なのか?(勝ち組大手企業は「加害者」だ;新卒採用中心主義にメスを;「転職35歳限界説」が日本をダメにする)
エピローグ 私たちは変われるのか、あるいはなぜ変われないのか?
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
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☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
Posted by ブクログ
ただそのブラック企業が悪いといっているわけではないところが面白い。
ブラック企業をブラック企業たらしめている原因にはその元請会社、発注側にもあるという。無理難題を押し付ける発注のせいで過当競争が行われている下請けはそれを行わなくてはやっていけない。それが原因で激務なのに採算が合わないといったブラック企業に変貌を遂げてしまうのである。
Posted by ブクログ
法的にグレーな企業かと思って読み始めましたが、そちらではなく、俗に言う勝ち組企業がその中心。
事例はそれなりに取り上げられているものの、もう少し深堀りされていれば、良かったと思います。目新しさという点では、やや期待はずれか。
Posted by ブクログ
ブラック企業が悪いって論調ではなく、何がブラック企業をブラック企業足らしているのかというところが良かったと思う。
やっぱ大企業でもやる気の無い人、使えない人は、レイオフ、あるいは降格ってのが必要なんじゃないかな。大企業と中小企業には、能力以上の処遇格差がある模様。
さて、この本によると若手官僚・外資金融・外資コンサルもブラックの一種に分類されている。
これは大体合ってる。個人的には若手官僚が一番悲惨な気がする。
金融は当然だけど、コンサルも収入で比較的恵まれているからね。
まぁ、事前にちゃんと調べて覚悟してから行かないとね。
Posted by ブクログ
ブラック企業についてや、一流大学出身者でもはまってしまうブラックなスパイラルの仕組みなどは書いてあって、中々おもしろい。でも、そこから抜け出す方法を指南してくれるのかと思いきや、そこのところは最後まで灰色。
Posted by ブクログ
そこまで目新しい内容ではなかったが、平易に書かれていたためわかりやすかった。
ブラック企業の原因とある種の解決策が書かれた本。
新書にありがちな、こうすべきだ!と強く主張するわけではない、一方で表裏が描かれすぎて結局絵に描いた餅では?と思うことも無きにしも非ず。
個人的意見としては
やっぱりマッチングなのかなぁと
ブラックだろうが働きたい人は働くし、ホワイトだろうが働きたくない人にとってはつらい。
そのマッチングをいかにして見つけるか、そのためにどういった努力をするのか、が大切だと感じた。
Posted by ブクログ
思った以上に参考にはなりました。
内容としては解雇規制の緩和を推奨し、それにより高齢者の雇用が確保出来ると著者は語っています。
成る程と思う反面、それだけ流動性が大きくなったら、日本では労働者の雇用の不安も大きくなると思います。
出来る人は良いですが、その時出来ない人はどうすれば良いのかも考える必要があると思います。
非常に難しい問題だと思います。
不要だから、能力が無いから解雇する。それにより新しい雇用が創造出来る。
著者が語る様に、日本での転職の壁を壊し、より柔軟な制度は必須ですが、その方法に全ては同意出来ませんでした。
Posted by ブクログ
最近はやりのブラック企業について、三種類に分類して解説。
◆肉食系ブラック企業
新卒使い捨て。完全にキャパ越えの業務を任せられるうえ、福利厚生等が相当手薄。ベンチャー・中小系が陥る傾向。
◆草食系ブラック企業
安定はしているけれども、そこに長く居すぎると腐ってしまうかんじ。手にスキルがつかないので自らが成長しない。
◆グレーゾーン
いわゆる上場企業に多い。ブランド名・給料はあるが、過重労働に陥りやすく、時給換算してみるとマクドナルド以下だったり。。
上記のように分類されるのだが、日本の企業で、上の三つに当てはまらないもののほうが少ない気がしてならなかった。
筆者もそれぞれの企業自体が悪い、というよりも社会構造事態の問題を指摘している(ピラミッド型の元請け・下請け構造)
エピローグでは、このような現状を指摘しつつも、まあ肉食系で泥臭く頑張って、前向きにスキルアップするのもいいのでは?と筆者自体の体験からも意見されていた
(ちなみに筆者はどっかの大手から転職サービス系の小さな企業へ移ったという経歴がある。)
どの企業も一長一短あるのだから、どこへいっても前向きにやるのが一番だと思いました。