あらすじ
家族で食卓を囲んでいたら、突然、テレビ局からの電話。法王のクリスマス・メッセージが英語でなくイタリア語で送られてきた! 通訳はいないのに、オンエアまであと20分! 電話で必死に音声を聞き、訳した紙を持って6歳の息子がFAXまで走る…聖夜の椿事を始め、最強のイタリア語同時通訳が明かすエピソード満載。地方名門女子校の優等生がシモネタ好きの妖艶な(?)イタリア語通訳になるまでのストーリーと、著者をシモネッタと名づけた米原万里の名解説も収録。
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
前回読んだ『シモネッタのデカメロン』よりエッチくなかったです(笑)。
ロシア語通訳だった米原万里氏の著作を幾つか読んだのですが、お国柄の違いか此方は政治とお酒の話、『パーネ・アモーレ』はファッションと男女関係の話が多かった気がします。
でも“通訳”という職業のアプローチの仕方というか見解というかは、両氏で似通っている気がしました。それはどちらも余り日本ではメジャーな言語ではないからかな。
英語の通訳の方の著作は読んだ事がないのですが、両氏もそれぞれの著作の中で触れていたように、また大分事情が違う気がしました。
他言語を学習するならドイツ語かイタリア語がいいなぁと何故か思っていたんですが、イタリア人の彼女がいる知人の話と、田丸氏の著作を読んで、イタリア語を習得するのは全く不可能のような気がしてきました……。
逆に米原氏の本を読んだ後は、特別興味のなかったロシア語を習ってみたいと思ったんですが。
どちらの氏の著作もとても面白かったので、要は私の先入観の問題でしょう。
Posted by ブクログ
あまり興味を持てない部分もあったが、「シモネッタ以前」は面白かった。同時通訳さんは遺伝的に優れていないとなれないのではと思っていたが、とくにそういうことでもなく、家庭環境というわけでもなく、ただ中学から英語教育に熱心な私学に入って鍛えられたことが大きいようだ。教育の大切さを改めて思った。
Posted by ブクログ
露語通訳の女帝・米原万里より「シモネッタ・ドッジ」の名を下賜された日本イタリア語通訳の女王、田丸公美子女史によるイタリア語通訳事情エッセイ。
まさしく米原万里の『魔女の1ダース』と双璧をなす通訳エッセイといえるだろう。
豊満な胸元をさらに強調するドレスを華麗に着こなし、真っ赤なルージュに染めた唇からあけすけもなくシモネタが弾丸のように飛び出る様は圧巻の一言。
シモネタで周りを気まずくさせることなく場を盛り上げられるのは言葉の魔術師にしか不可能なテクニックなワケで、彼女の才能を裏付けることに他ならない。
なぜなら、世界中どこでだって通じるのは人間の3大欲求なわけでして、その国の文化に繋がる手っ取り早い方法であり、そういう話題の共有すると人はなぜだか仲良くなれるものなのだ。
(分かり合えないヤツは居たら居たでスルーしよう)
一人息子さんの達者な成長ぶりが非常に楽しい。
『シモネッタのドラゴン姥桜』って本も最近刊行されたことだし、いよよ華やぐお年頃のシモネッタ・ドッジ。
イタリア語を習ってみたくなる一冊だ。