あらすじ
両親の事故死を機に東京を引き払い、信州で暮らす病弱な姉・椿のそばへ越してきた妹・杏とその夫・迅人。両親の気配があちこちに残るペンションを引きついで、3人のおだやかな日常が始まった。椿にはやさしい男友達・新渡戸さんがおり、ある日働きはじめたゾクアガリの青年・翼もペンションに新風を吹き込んでくれる。しかし、そこでは優しさに搦めとられた、残酷な裏切りが進行していた。精緻な描写と乾いた文章が綴るいびつな幸福。うつくしくて痛い愛の行方は……。
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Posted by ブクログ
んーー、とにかく姉が嫌。
か弱い格好して妹の夫とできてるあたり、本当嫌。
言い訳めいた自分の自信のなさとかかえってすごく自分が好きで自分勝手。
自分が杏だったら姉とも夫とも他人になる。
Posted by ブクログ
姉妹と妹の旦那さんと、それを取り巻く人間関係をゆるりとした時間軸で描いています。
設定は、まぁ不倫ってことになるんだろうね。
迅人は杏の旦那であり、椿は杏の姉であり。
椿は繊細に見えて、実は肝がすわっている。
杏子はがさつに見えて、実は誰よりも繊細。
迅人はまっとうな人間に見えて、不倫をしている(それが悪いことだという認識は欠落しているようだけど)
長野のペンションで、感情と自然が織りなすストーリーは切なく、それぞれの視点で書かれる話は説得力はある。
なんとなく、椿の弱さがずるく見えてしまうけど。
迅人の悪気のなさが、無邪気すぎてイラつくけど。
人間関係なんてこんなものだよね。
誰だって弱くて、なにかに頼りたくて、ドロドロしてしまう。その人間臭い部分と自然(長野の田舎)との対比がきれいです。
最期は椿の妊娠で終わるけど(杏は子供が産めない身体)、それまた自然の摂理ですからね。あー、こういうことになるんだね。と割り切れない部分がリアルでした。
現実はここからがまた大変ですからね!