あらすじ
どうして恋に落ちたとき、人はそれを恋だと分かるのだろう。三角関係、同性愛、片想い、禁断の愛……言葉でいくら定義しても、この地球上にどれひとつとして同じ関係性はない。けれど、人は生まれながらにして、恋を恋だと知っている――。誰かをとても大切に思うとき放たれる、ただひとつの特別な光。カタチに囚われずその光を見出し、感情の宇宙を限りなく広げる、最強の恋愛小説集。(解説・中村うさぎ)
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Posted by ブクログ
様々な「愛」の形が描かれる短編集。
現実ではなかなか経験することのない、そんな愛があるのかというような話でも登場人物の心情が美しく表現されており、その愛を自然なものとして受け入れられる。
構成が綺麗で、始まりと終わりの話がつながってるのがとても良い。
Posted by ブクログ
︎「私たちがしたこと」が1番私に刺さりました。「恋人のために、恋人の目の前でひとを殺すのだ。それほどまでの深い思いを見せられたら、もう二度とほかのだれも愛せない。」←これが良すぎてハッとした。愛のかたちは人それぞれだと理解していても、このような愛のかたちが重くて深くて呪いのように、鎖のように自分を縛り付けて離さない。
Posted by ブクログ
1つの短編小説があり、その中でも「春太の毎日」がイチオシ。この話もそうだけど、物語の途中から「あ~!こういうことか!!」とわかって、どれも読むのが楽しかった。話の幅もあるし、「永遠に(略)」の寺島くんと岡田くんの関係性が好き。
Posted by ブクログ
短編、恋愛小説はあまり読まないが、よかった。
永遠に完成しない二通の手紙
裏切らないこと
夜にあふれるもの
優雅な生活
春太の毎日
永遠につづく手紙の最初の一文 がよかった。
Posted by ブクログ
三浦しをん氏は、2000年に『格闘する者に○』でデビュー。2006年に『まほろ駅前多田便利軒』で直木賞受賞。
本作は2007年に出版された短編集になります。
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収録されたものも以下に挙げておきます。
「永遠に完成しない二通の手紙」「裏切らないこと」「私たちがしたこと」「夜にあふれるもの」「骨片」「ペーパークラフト」「森を歩く」「優雅な生活」「春太の毎日」「冬の一等星」「永遠に続く手紙の最初の一文」
最初と最後がまさかの連篇ですが、私は最後の短篇を読んでいて、それが終わろうかという段階でやっと連篇だと気づきました。
どれも滋味深いのですが、可愛らしい作りの「春太の毎日」、過去の誘拐を回想する「冬の一等星」は印象深い。
でも、どれもひねりが効いていてよかった。面白かったです。
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繰り返しますが、面白かったです。
昨年読んだ作品(『むかしのはなし』)も短篇集だったのですが、そちらは「すごい面白い」という感じでもなかったのです。
で本作『きみはポラリス』はどうだったかというと、こちらも短篇なので壮大なストーリーや構成を楽しめるわけではありません。だけどそれぞれの短篇に、洒脱の効いた会話や、ふと漂うペーソスが散見され、むむむ、と心を持っていかれることがしばしば。
全体的なトーンとしては青春、恋愛です。短篇ごとの主人公の心象風景の描き方が私は結構好きで、ちょっと変わっているけども、現実感をきちんと保つ造形に筆者のセンスが見て取れます。
大活劇ではない、小唸りさせる読ませるエンタメ、だと思います。
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ということで、三浦氏の作品は二冊目でした。
今後も渉猟してまいります。