あらすじ
私は、彼の何を知っているというのか? 彼は私に何を求めていたのだろう? 大学教授・村川融をめぐる、女、男、妻、息子、娘――それぞれに闇をかかえた「私」は、何かを強く求め続けていた。だが、それは愛というようなものだったのか……。「私」は、彼の中に何を見ていたのか。迷える男女の人恋しい孤独をみつめて、恋愛関係、家族関係の危うさをあぶりだす、著者会心の連作長編。(解説・金原瑞人)
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Posted by ブクログ
澄んだ人間を描くことが多い三浦しをんさんの著作の中では珍しく、男女の愛憎をはじめとした人間関係の軋轢、葛藤が数多く描かれた作品。 舟を編むや月魚などのような学術分野、職にフォーカスする作品ではなく、人の心の揺れを細かく描いている。
Posted by ブクログ
不倫をした男に関わる連絡短編集。今まで読んだしをんさんの作品の中で一番好きかも。と思いながらも、感想に悩むところがあり投稿が遅くなりました。私が今一、全体を把握できておらず、うまくことばに表せられないことがもどかしいです。様々な人物から語られる男の人物像が徐々に浮かび上がる様、作品を包む重苦しい空気がとてもおもしろかった。男に振り回される人々の心境を興味深く読み進めることができました。一読では繋がりが分からないところがあったのですよね。もう一度読み返したいと思います。
Posted by ブクログ
2005年(第2回)。9位。
かっこいいわけでもない大学の先生がモテる。女性がいっぱい寄ってきて、妻子を捨てて、子持ちの女性と新家庭を気づく。そして誰も幸せにならなかった。
を、先生に関わってしまった人々の視点から見る小説。捨てられた妻子も、新家庭の誰も幸せじゃない。唯一、先生の助手は、それではいけないと気づく。
結婚して二人でいると閉塞する。子供作って家族作らないと閉塞する。あーあーあーあーあー
な感じで、物語を楽しむというより、作者の言葉(うんちく)に膝を打つ小説。そして助手は気づいてよかったと思う。
Posted by ブクログ
この本を読んだときに唐突に思い出したのは、「桐島、部活やめるってよ」だった。物語の中心である桐島、(私が語りはじめた彼はの場合は村川融)について、周りの登場人物たちの描写からしかわからず、その主観は語られることなく、物語が終わっていく。
それと独特な表現。何かを表現するときの、〜のような〜といったような個性的な表現がとても気になった。三浦しをんさんは女性だそうで、男性視点からの物語だったが、男性の自惚れている様子や自尊心高めな様子、ああ、女性からみた男性はこういう風に考えられている、そしてそれは合っている、と思わざるを得なかった。