【感想・ネタバレ】笑う科学 イグ・ノーベル賞のレビュー

あらすじ

「裏ノーベル賞」の異名を持つ「イグ・ノーベル賞」の人気が高まっている。本書は1991年の創設以来、「ハトを訓練してピカソとモネの絵を区別させることに成功」「犬語翻訳機<バウリンガル>の開発」「迷路を解く粘菌の研究」「ジャイアントパンダの排泄物から採取したバクテリアで、生ゴミを90パーセント以上削減できることを実証」(2009年生物学賞)などの功績で、19年間で14件を受賞し、文字通りイグ・ノーベル賞で世界をリードする日本人受賞者の取材をもとに、「まず人を笑わせ、そして考えさせる」研究を徹底分析。たかがオモシロ科学と笑うなかれ。科学とは本来自由であり、「笑える」ものなのだ!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

イグ・ノーベル賞のことって知っているようでちっとも知らない。そんな賞かなと思うんだけど、それをもう少しだけ詳しく知ることができる本。

内容的に硬めではあるけど、イグ・ノーベル賞の性質もあり、非常に楽しく読み進めることができる。

一つだけ気になったのは、最後の受賞して欲しい科学者の話かな。この内容は、単なる作者の主観を紹介しているだけなので、個人的に不要だと思う。

そんなことはさておき、発刊後も毎年日本人受賞者が現れていることを考えると、本賞と日本人の相性は非常に良いのでは? これからも面白い研究を知ることができれば楽しそうだよね。と思わせてくれる一冊である。

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2019年04月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

素材自体が面白いので面白くないわけがない。
とはいえ、第一章と二章のイグノーベル賞の歴史背景や運営実態などはもっとコンパクトにまとめて、さらに具体的な受賞例に紙幅をさいてほしいかった。
日本人の受賞者が多いのでも有名なイグノーベル賞は真面目な研究の裏に潜む、意外性、パロディ性、バカバカしさにフォーカスした「笑える科学賞」です。
では、面白かった内容を挙げていきます。
まず、受賞者の受賞スピーチは60秒以内と決まっており、超えるとステージ脇の8歳の少女(Miss Sweetie Poo)が「Please stop.I’m bored.もうやめて、飽きちゃった」と繰り返し発言する。
以下は、日本人の受賞研究例。
《ピカソとモネを識別するハト》
ミスター半導体の西澤潤一氏に指摘されるまで、パリのマルモッタン美術館でモネの「睡蓮」が上下逆にずっと展示されていることに気が付かなかった話もハトの認識能力を笑えない例として登場。
また、人間の知能を100とした場合、他の動物の知能は、チンパンジー75、ニホンザル70、イルカや犬は60、馬、ねこ、クジラは50という話も。ハトは不明だが帰巣本能は侮れない。
《バウリンガル》
犬語翻訳機はタカラトミーが2002年14,800円で発売。その後、ミャウリンガルも開発したが(犬の感情表現は悲しい、フラストレーション、威嚇、要求、楽しい、自己表現の6種に分類)、猫は満足、求愛、威嚇、要求、喜び、自己表現に分類したのはやはり猫同士の求愛行動は無視できなかったらしい。
《兼六園の銅像が綺麗な理由》
上野にある西郷どんの銅像がハトの糞まみれになっているのと対称的に兼六園の日本武尊の像が綺麗なのは、ヒ素と鉛の含有量が通常の5倍以上だったためだが、その理由は毒性よりも電磁波による(らしい)。
その後、日本武尊像に、はぐれガラスが一羽だけ止まっていたという情報が寄せられた。キョエちゃんかズン吉なのかは定かではない。
《カラオケ》
発明したのは井上大佑氏だが、特許を取らなかった。(特許登録していれば、年間100億円の特許料が見込めた)
《粘菌による迷路の最短経路の解法》
中垣俊之氏の2008年受賞のこの研究内容は素晴らしい。細胞レベルの材料が原始的な知性を持ちうることを示し、カーナビなどそれ以外の応用範囲も広い。
また、ドクター中松氏も34年間の食事を毎日カメラで撮影し続けたことで2005年「栄養学賞」受賞。
その他、温水洗浄便座、回転寿司、樹研工業の100万分の1グラムの歯車(小さすぎて用途はまだないという無用の用だが、開発投入資金は2億円以上)、慰謝料電卓(2009年2,415円でバンダイから発売した開発者はたまごっちの開発者)など日本人の発明品はユニーク。
日本人以外の面白い受賞では、
《統一教会の文鮮明》の(自動車のオートメーション化に成功した)フォード並みの結婚産業のマスプロダクション化貢献で「経済学賞」を受賞、創設者のコメント「経済学賞の受賞者は、受賞式に出席することはほとんどない。ほとんどの受賞者が、5年から15年の懲役に服しているからだ」とブラックユーモアも忘れない。
この流れから、もしかして今年は我らが自公政権も堂々と反日教育をしている中国からの移民政策が「日本人の税金で反日民族を受け入れる博愛的優しさ」から「(ノーテンキ)平和賞」受賞も有り得るかもネ。あっ、でもこちらは笑える話ではない!

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2024年12月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

笑いがあり、その後、考えさせられる科学賞こと『イグ・ノーベル賞』についてつづった本。

「バウリンガル」や「牛フンからバニラの香りを抽出」などで日本人が受賞し話題になりましたね。

まさに、笑える後考えさせられる研究です。

本書の中で、気になったのはドクター中松が2005年に受賞した「その日の体調は3日前に食べたもので決まる」というもの。

ほんまかいなw

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2011年04月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

今や本家ノーベル賞をも凌ぐ人気賞に成長した、イグノーベル賞。この賞にまつわる様々なエピソードや、受賞者インタビューに基づいた日本人受賞者の紹介など、イグノーベル賞案内本。

最終章がやや冗長で読後感を損なったが、イグノーベル賞のユーモア精神をところどころに振り撒いた文章は軽快。

結局、学問の根本は好奇心であり、役に立つとか立たないとかいう俗世間の評価からは自由であるべきだ。イグノーベル賞受賞者に、いつか「もう少しましなこと」が起きることは、きっと間違いない。

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2010年11月08日

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