あらすじ
このことは誰も知らない──四百年の長きにわたる歴史の封印を解いたのは、東京からやって来た会計検査院の調査官三人と、大阪下町の空堀(からほり)商店街で生まれ育った少年少女だった。秘密の扉がついに開くとき、大阪が全停止する!? それは五月末日の木曜日、午後四時のことであった。『鴨川ホルモー』『鹿男あをによし』で知られる奇想天外な万城目ワールドの、これぞ真骨頂。映画化原作。特別エッセイ「なんだ坂、こんな坂、ときどき大阪」も収録。
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
会計検査院の松平、ゲーンズブール、鳥居は、検査のため大阪を訪れる。検査は順調に進むも、社団法人OJOは担当者不在で検査できず、後日松平のみが訪れる。そこで松平を迎えたのは、大阪城の地下に作られた豪華な巨大空間と、大阪国総理大臣を名乗る人物だったーーー。
映画を観たことがあったのでなんとなくストーリーは分かっていたが、地名や道など、細かい描写が多く盛り込まれ、読み応えがあった。作者の地元が大阪だということもあるだろうが、なかなかの下調べがあったと思う。出てくるキャラクターもそれぞれ魅力的で、飽きなかった。ありえない設定ながら、もしかしたら、と思わされるほどの作りこみで、とても楽しめた。
Posted by ブクログ
設定の勝利、というか発想の勝利といいますか、ともあれよくぞこんな話を思いつくものと感心するばかり。エンタメ小説って楽しいですよね、うん。
肩書きも相まってひたすら理屈っぽい会計検査院サイドと、大阪らしいといえばらしい人情味ある中学生サイド。どう交わるのか興味津々でしたが、鳥居さんがぐっちゃぐちゃにかき混ぜてしてくれました(笑)。いやこの人かなり不憫。有能だけどたぶん周りに恵まれてないですよ。気がついて、鳥居さん!まあ本人楽しそうだからいいか。
クライマックスの蜂起シーンは私の好みからするとややアウトローだった気も。集まって、で、そこから何さとややずっこけました。でも最後の落とし所は秀逸でした。そうか、大輔の立ち位置にはそんな意味が。してやられましたね。
ところでこれ、仮に松平さんが生粋の東京人だったら話は破綻したのでしょうか。多分結果は同じだった気がします。大阪人のアイデンティティもさることながら、検査官のプライドを完全に逆なでしたあの横やりが何よりも決定的。総理、あんたが敗因ですよ(笑)。
Posted by ブクログ
導入で「大阪全停止」なんてあるものから、時間が止まる系の突拍子もないフィクションかと思いきや、結構日常リアリティ系で驚き。まあ大阪国とか、大阪城の地下に巨大な建物だとか、豊臣家の末裔を守るために発祥したとか、トンデモ系なことには間違いないのだが…。
物語の構図として「会計検査院」と年間五億を受給する大阪国が正面から対峙することで様々な人間の憶測や感情が飛び交うと言った感じ。
物語の展開は大きく風呂敷を広げたものの、最終的な着地点が「父と子の絆」や「男女の考え方」の違いが綺麗な風に描かれていて好みだった。
Posted by ブクログ
めちゃくちゃ面白いんだけど情報量多すぎて理解できなかった部分も多かったかも…、説明が長いところは目が滑ってしまったな〜。
父と息子のトンネル内の2時間で交わされる約束、男どもがアホなことしてるわ〜まぁ放っておこ、と放置いや見守ってくれている母娘たち。男と女の暗黙の了解で200万人(いや女性も知ってるから結局は大阪府民全員なのか?)で構成された大阪国とかいう日本の中で実は独立した国。とんでもない設定やけど、大阪城の地下に大理石でできた議事堂が本当にあったら面白いなと想像が膨らんだ。主人公の大輔がずっと意思を貫いてセーラー服を身に纏って茶子を守っていたのがよかった〜、二人の関係性も素敵!蜂須賀は反省しろ。
Posted by ブクログ
設定はぶっ飛んでいたが中々面白かった。
舞台は大阪で豊臣家が滅ばず、代々豊臣の末裔を陰ながら支え続けていてその影響が国規模となっているというもの。そこに関わるようになった会計検査員3人が少しづつ全貌を明らかにし最後に大阪国の住民を相手に職務を押し通していく。
世間には認められていない大阪国と同じく世間から認められていない大輔の男だけど女としてのあり方ここ二つを連動させて、父と子が世の中の常識に強い意志で戦っている所は何よりも爽快だった。
物語を通じ大きな考えや常識に意思だけで足掻き打ち勝つそんなことを伝えたかったのではと思った小説。