【感想・ネタバレ】海がきこえる〈新装版〉のレビュー

あらすじ

天才YA作家 氷室冴子 デビュー45周年
激しくも切ない「90’s青春グラフィティ」

「あたし、高知に行くまでは世間とうまくやってるいい子だったのよ。あれからずっと世間とずれっぱなしの感じがする」
大学進学で上京した杜崎拓は「ある事件」で疎遠になった高校時代の転校生・武藤里伽子が、地元大学への進学を蹴り東京に舞い戻った事を知る。
気まぐれな美少女に翻弄されながら、その孤独に耳を澄ました短い日々を回想する拓に、思いもかけない再会の機会が訪れる。

スタジオジブリの長編アニメーション「海がきこえる」の原作。
キャラクターデザイン近藤勝也氏のカラーイラストを34点収録。

トクマの特選!
イラスト 近藤勝也

〈目次〉
第一章 フェアウェルがいっぱい
第二章 マン
第三章 里伽子
第四章 里伽子ふたたび
第五章 やさしい夜
第六章 海がきこえる
あとがき
解説 酒井若菜

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Posted by ブクログ

ネタバレ

「だれもが、これは知っている話だ、経験したことがある、こんな感情を知っているという既視感とともに、懐かしさに包まれて読むような物語。」そんな物語を書きたいと思い書いた。
作者のあとがきにはそうある。実際そのとおりで、作中の主人公と読んでいる自分自身を照らし合わさずにはいられない物語と思う。
主人公が大学1年生という時点から高校生当時を回想する、という視点で物語は進む。
この大学1年生というのはキーポイントで、それまで地方の家族のもとで暮らしていた世界と、大学がある大都会の世界はまるで違う、というのがわかる学年だ。
私自身も同じように都内の大学に通っていたので、在学中は都内で一人暮らしを経験した。これまで自分が住んでいた田舎の世界があまりにもちっぽけな一方で、大都会があまりにも魅力的な世界に思えた当時。
また、それとともに、大学1年生という身分からかつての高校時代を振り返り(とはいえ1年くらい前)、自分は何かと臆病だったな、と感じたのを思い出す。それだけ色々な人々や環境との出会いをした。
こういった、多くの人々にあったであろう世界の転換を、良くも悪くも思い出させてくれる点で、この物語は古びないと思う。
また、作中の挿絵は、90年代という時代をしっかりと感じさせてくれる点で、素晴らしいと思います。

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2024年07月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

映画をみてから読んだので、映像がはっきり浮かんで、以前から興味のあった高知にもっと行きたくなった。
青春群像劇と言ってしまえばそうだけど、どうしてこうも切なさを帯びているのだろう。
物語の語り手である杜崎の幼さと諦めのバランス感が映画よりも普通の高校生だな〜と感じた。映画ではもう少しどちらにも振れているようにみえて、この時代に描かれる男の子にしては、素直に周りと接しているのは、氷室冴子ならではなのかな。

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2025年07月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

3月に限定上映で見た映画よりもこちらの方が断然好きでした。挿絵もとてもよい。
映画では出てこなかった(はず)津村千紗が、2人の再会に大きく関係している。好きな人のことを引きずりつつも前に進もうと奔走しているところ、憎めない。松野はいいやつ。りかこがお金を貸してもらったのにお礼を言わないのは、映画でも原作でもやっぱり読んでいて腹が立つ。笑
私も田舎(狭い世界)で育ったから、高校生とかの女子のなんとも言えない感情とかすごく共感した。
映画で出て来た東京の線路で2人が再開するシーンは原作ではないんだと驚きました。
続編も借りたので読むのが楽しみです。

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2024年07月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

勝手な先入観でストーリーを想像してたけど
読んでみたら全然違って
土佐弁は心地いいし、友だちのことを気にして好きな子にすきなように行動できなかったり
りかこはとにかく傲慢だしわがままだけど
一種の愛情不足と思春期という難しい時期で
その感じも分かったり。

主人公がみょうにきどってないもころも
がつがついかないところも好きだった

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2025年07月17日

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