あらすじ
おなじみ大曽根一家御一行と、酒癖の悪さで有名な警視庁青山警察の慰安旅行が重なったり、元アイドル歌手とその愛人がお忍びで現われたりと、何が起こってもおかしくない一髪触発の事態に、ホテルの支配人の花沢は青ざめた。愛憎ぶつかる温泉宿の一泊二日。笑えて、泣けて、眠れない。シリーズ第二作。
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Posted by ブクログ
面白い〜
浅田次郎さんは「蒼穹の昴」しか読んだことがなかったので、この振り幅よ!
ナベ長がうだつの上がらない、定年まで交番勤務のお巡りさんかと思いきや、能ある鷹は爪を隠してただけだったのがかっこいい
確かにちょっと時代錯誤で、今どきの若い子にはわからない世界観かもしれないけど
ただ、苗字のせいで頭のなかでは少し年をとらせた錦鯉の渡辺さんが映像として出てきてしまって困った
でも人のいい感じだし、合ってはいるのか
花沢支配人の息子繁も単細胞だけど、家族が好きで良かった
真野みすず、柏木ナナの人生も過酷
幸せなことは少なかっただろうに、なのにまっすぐ前を向いている
人って、幸せだった記憶があればなんとか生きていけるものなんだと思った
ずうっと幸せな人はそれでいいけど、そんな人は少ないものね
木戸孝之介のお母さんは母親としては満たされなかったけれど、黒田さんから生涯かけて愛されていて、プラスもあればマイナスもある
極端な形だけど人生ってそうなのかなと思う
Posted by ブクログ
2巻も1巻に負けず劣らず面白かった!
警察VSやくざの戦いとかちょっとしたコントです。
木戸孝之介はやくざのように心意気もよいわけではなく、弱いものにばかり暴力をふるって普通に好きになれないのですが、それでも憎めないように描くのはうまいなぁと思います。
生育環境によってひねくれてしまったというのはわかるけど、あんまりよね・・・
とはいえ、登場人物の皆さん本当に愛嬌があり、すごく気持ちの良い小説だと思います。早く3巻も読まないと!
Posted by ブクログ
2巻に入って、俄然面白くなる。
佐藤優の言っていた、人を侮ること、侮られまいと足掻くことが、実感として腑に落ちる物語だった。
なべ長がガラッと雰囲気を変えるのは、245ページでこれは手打ちだと思ったところからだろう。『他人には言えぬ悩みや悲しみや、クタクタに疲れた体や押し殺した怒りやー様々のストレスで爆発寸前の、自分自身との手打ちなのだ。』
『俺、わからねえもの。自分がどこの誰だか、何をしてるんだか、ずっとわからねえんだ。』
『ぼくは暗澹とした。真っ暗な底知れぬ、不可解な人生の淵を覗き込むようなきぶんになった。』
人間の価値とか、あり方、大きさ、真摯さというものは、決して出世とか、見た目や、表面的な行動だけで測ることはできないということ。そしてややもすると、自分でも自分の持っているそうした資質を忘れて日々生きているということがあるということに、気付かされた。プリズンホテルの魅力が漸く腹に落ちてきた。
其れにしても、主人公の作家は、事情はわかるけど、ちっとも理解できない。解説の人たちが書いてる様な、愛があるとは感じられず、愛すべきキャラクターとは思えないなぁ。その点では、鉄砲常の言葉に痺れる。『女子供をなかせるような外道は、この鉄砲常が活かしておかんですよ』
Posted by ブクログ
4.0
警察団体の慰安旅行と、真野みすずをホテルに匿ってる、売れないアイドルとそのマネージャー、集金強盗が宿泊客の話
基本的にはシリーズが後ろに行けば行くほど面白いけどもうこのあたりから神がかった面白さをしている
ナベ長がかっこ良すぎるから
本当はもっと検挙できたのに、そうしてこなかった、捕まる人の幸せについても考えたっていうのがかっこよすぎる(被害者のこともあるから一概にどうとは言えないけども)集金強盗の手柄も後輩に分けようとするのが男すぎる、そりゃ松倉も泣くわ
あと支配人の「ホテルマンという男の道を極めようとしている1人の極道」っていうセリフがカッコ良すぎる
こいつカタギちゃうやろ
あと集金強盗に対して仲おじの「今日は手を洗ってやろう、そんで晴れて出所した暁には足を洗ってやろう」ってのがオシャレすぎる、ガチでいい
Posted by ブクログ
いつも宿泊者の人生を良い方向に導くプリズンホテル。今回も宿泊客の人生の転機を迎え入れる。大物歌手のみすず、ヒモ付きで売れない元アイドル歌手のナナ、集金強盗の香川、警視庁警部補の渡辺。各々が過去を背負い、哀愁漂う背中に切なさを感じたが、それぞれの人生を歩むことを決意できたことが嬉しい。また、任侠作家の木戸孝之介のドタバタも面白い。清子の娘の美加を蔑ろにするものの、愛おしく感じているところが可愛らしい。最後、孝之介の電話越しで、過去に自分を捨てた母と対峙する場面は孝之介の質朴な一面が垣間見えた。④
Posted by ブクログ
木戸孝之介は、極道小説の売れっ子作家である。出版社から、関東桜会の相良総長が亡くなったから葬式などの義理事の実態を見てきてほしいと言われた。叔父の木戸仲蔵に頼み込んだら会場の寺に来たらよいと返事が来た。「ええ、鶴と亀との相生に、極楽往生いたすのも良うござんしょうが、一天地六の賽の目次第に罷りますのも、また乙なもんでござんす。上は吉原泪橋、本所駒形向島までの百余町、盆の内外、決してぬかりゃあござんせん。桜の一門打ち揃いやして、これよりお送りいたしやす。いやさ八代目、とくとお立ちなせえ。」長老の声で、親分五人衆が担いだ棺はしずしずと寺を出ていった。またまた極道ホテルの面々が帰ってきた。今度はどんな騒動が起きるやら。なんと、極道と警察が一緒のホテルに泊まるとは…。これで騒動が起きなかったら不思議である。
Posted by ブクログ
相良直吉
八代目関東桜会総長。急逝した。桜会五人衆のひとり。
木戸孝之介
極道小説シリーズ〈仁義の黄昏〉が評判の小説家。
木戸仲蔵
孝之介のおじ。総会屋の立役者で、近ごろはさる温泉場に奇怪なリゾート、ホテル「奥湯本あじさいホテル」を経営している。桜会五人衆のひとり。
孝之介の父
まじめ一方のメリヤス職人だった。
無口で剛直で、下町の職人を絵にかいたような人間だった。
大曽根勉
仲蔵の弟分。関東桜会八代目、相良直吉の直盃。初代大曽根一家。
真野みすず
昭和三十年代に一世を風靡した「極道エレジー」を歌った歌手。一人息子が覚醒剤の使用で逮捕された。
渡辺完爾
巡査部長。勤続四十二年歳が明ければ警部補に昇進してその日のうちに定年する警察官。毎年、旅行の幹事をしている。
佐々木広之
青山警察署の署長。キャリア組のボウヤ。
黒田旭
奥湯元あじさいホテルの副支配人(番頭)。木戸組若頭。梵天のアキラ。
安
安吉。番頭。『斬られの安』。
松倉岩夫
警部補。かつて「マルボウの鬼」と呼ばれていた。青山警察署第四係の係長。不動明王このとき巨漢異形。
花沢一馬
奥湯元あじさいホテルの支配人。ホテル業界のガリバー「クラウンホテルグループ」から、事情も知らずにヘッドハンティングされてきた善良で誠実な支配人。
田村清子
孝之介から月々二十万円の手当てを貰っている。柏木のボロアパートに心臓病の母親と六歳の娘を抱えて貧苦にあえいでいる。亭主は「白虎の政」という伝説的ヒットマン。
木戸富江
孝之介の継母。ただひとりの同居人。
田村美加
清子の六歳の一人娘。「白虎の政」と「パープーお清」の子。
チエコ
女将。孝之介の実母。仲蔵の手引きで黒田と駆け落ちした。
柏木ナナ
元アイドル歌手。
林章太郎
柏木ナナのマネージャー。三崎プロダクションの金の卵の柏木ナナを連れて独立した。
服部正彦
赤坂クラウンの若き看板シェフ。奥湯元あじさいホテルに飛ばされてきた。
梶平太郎
奥湯元あじさいホテルの板長。先代からこのホテルに勤めるただひとりの人物。職人気質で、料理の腕は一級品。
花沢繁
一馬のひとり息子。就職後わずか半年にしてフロントマンにコンバート。
ゴンザレス
奥湯元あじさいホテルの番頭。
アニタ
奥湯元あじさいホテルの仲居。
自称大学教授を名乗る怪しげな旅人
香川新介。四十六歳。窃盗等前科三犯。身長一七〇センチ痩せ型。
黒ブチの丸メガネをかけた天衣無縫のブス
湯上がりのソバージュが爆発した、驚天動地のブス
竹本朝夫
稼業上の理由により、一身を擲って不倶戴天の許すべからざる輩に天誅を下した。関東桜会の一翼を担う政治結社、大日本皇道義塾の塾生。
野本
グループ・サウンズあがり。ナナのレッスンをつけていた。
常
カラオケバー「しがらみ」のバーテン。鉄砲常。